古道復活に向けて

写真中央奥にあるスギも切り倒し、道を開きました。このスギは数十年前に植えたとのこと。
写真中央奥にあるスギも切り倒し、道を開きました。このスギは数十年前に植えたとのこと。

6月13日の朝8時過ぎ、集落センター前に約20人のお年寄りが集りました。かの上杉謙信が関東出兵する際に通ったといわれる古道を復活させるための作業が始まりました。

 

舗装道路ができてほとんど使われなくなったという古道の復活作業におじゃましてきました。

地区の老人会「多留山クラブ」が今年度から本格的に取り組むことになった本格的な事業です。

男性がチェーンソーを使って太い枝を払ったり、木を倒したりし、後ろから女性がカマを持って草を刈ったり、切り倒した木を道の脇に片付けたりしました。

使わなくなったとはいえどんな風に道が通っていたのかを、70歳以上の方に訊ねると迷うこと無くしっかりと答えてくれます。

「養蚕のためのクワの葉を取りによくこの道を使っていた」と言う道には、今でもたくさんのクワの木がありました。

切ったクワの木の断面。樹液が滴り落ちてきました。
切ったクワの木の断面。樹液が滴り落ちてきました。

午前中の作業のみの参加でしたが、あっという間の手早さで道が整備されていきました。

栃窪の古道について、地元のみなさんがまとめた『峠の村 栃窪』には以下のような記述があります。

「栃窪から峠を越えて妻有(中魚沼郡)へ行く道がいつ頃から開かれたのかは明らかでないが、峠を上り下りをする道は幾筋か形が残っている。その道筋を見ると深く窪んだ幾筋かの道形は村から峠へ、峠から村へ牛馬が通った足跡、人間の足跡で深く掘り窪んだ道が残されている。これを見ただけでも、現在の我々が想像もつかないような通行があり、それほど数百年間の長い年月利用されて来た道であると考えさせられ峠越えの道であると思われる。それほど上田(南魚沼地方)と妻有(中魚沼地方)が交流した重要な通路で長い歴史の道であった」

確かに、草や枝が伸びているものの道筋はとても深くはっきりしているところが多かったです。栃窪の歴史を感じ、新たな一面を知ることができました。