元気なへき地ネットワーク全国大会が開かれました

過疎高齢化が迫る地方の集落をどのように活性化するのかを話し合う「元気なへき地ネットワーク」の第1回大会が開かれました。
全国各地で地域に根ざした試みを展開する仲間たちが集る「元気なへき地ネットワーク」第1回全国大会が、2008年7月24、25の両日、新潟県南魚沼市栃窪集落で開かれ、北海道から沖縄までの7団体のほか、地元住民ら計のべ約50人が参加して、地方の元気をどう取り戻していくかを語り合いました。

会議に参加したのは、北海道の霧多布湿原センターの阪野真人さんや沖縄県のやんばるエコツーリズム研究所の中根忍さんら同ネットワークの設立メンバーである6団体のほか、東京や群馬、新潟などで活動する団体や個人。いずれも、小さな地方集落を舞台にその活性化に取り組んでいるみなさん。

岩手宮城内陸地震の被害と復興状況を説明するくりこま高原自然学校の佐々木豊志さん(中央右)
岩手宮城内陸地震の被害と復興状況を説明するくりこま高原自然学校の佐々木豊志さん(中央右)

さらに今回は、特別ゲストとして岩手宮城内陸地震で大きな被害を受けた栗原市耕英地区で自然学校を運営している「くりこま高原自然学校」の佐々木豊志さんも参加し、避難指示が出たまま地域に戻れない中での、地域が一体となった取り組みを報告しました。

一行は、60世帯、人口約200人の栃窪集落を散策して視察したあと、それぞれの活動内容を紹介しあいました。地域の区長さんらが理事としてNPO法人を構成し、外部からの若者らがそのスタッフとなって支えている構造が、あちこちで始まっていることが浮き上がってきました。

夕食後は、山形県で長年有機農法に取り組んできた「たかはた共生塾」の中川信行さんが、有機農業を通じて外部の人々も呼び込んだ形で地域が発展している例を紹介。「農業をやりたいという人が80人くらい集まっている。都市で働いている人が、地域でいかに定住してもらうか。人的交流をいかに盛んにするかが大事。人的交流のできる地域であるかが発展できる地域のカギになるのではないか」と外部との交流の大切さを指摘しました。

2日間の議論を通じて、「集落にある当たり前のものが持つ価値の再評価」や「村内外の協働」が大切であるという声が多く聞かれました。

内外の交流のあり方については、集落にあるものやサービスを、外部社会と金でやりとりするのではなく、その価値観を共有した上での関係構築こそが、グローバル経済とは違った、地域と信頼に根ざした地域経済を作れるのではないかと議論は深まっていきました。

集った参加者のみなさん。背景は栃窪集落のシンボルになっている樽山(736m)
集った参加者のみなさん。背景は栃窪集落のシンボルになっている樽山(736m)

熊本県の「きらり水源村」の小林和彦さんは、「へき地の取り組みは、今後日本中で少子高齢化が進んでいく中で重要になってくる。ある意味、へき地は全国の最先端を走っている。この場での情報交換は大変貴重な価値を持つことになるのではないか」とへき地ネットの存在意義を語ってくれました。