お米が実り始めました。

稲には穂が出始め、花の咲いたものもみられます。例年は、栃窪ではお盆を過ぎてから出るそうです。前回(7月12日)の日記ではくっきりと見えた溝切りの筋が、今ではわかりにくくなっています。
夏の作業は、主にあぜの草との闘いです。この闘いをむしろ楽しもうとする試み「棚田草刈りアート日本選手権」
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=9&aid=597
では、集落内のあちらこちらのあぜに草刈りアート作品が作り出されました。2週間後には跡形もなく草に埋もれてしまいましたが「お盆に帰省する家族に見せたい」と、選手は手入れをして作品をもとの状態に戻していました。

 早くも頭を垂れ始めた穂も見られます。
早くも頭を垂れ始めた穂も見られます。

そうした闘いの間、稲はすくすく育ち、くきの中に穂の赤ちゃんができます。穂が出る18日前に、穂肥え(=穂が実るための肥料)をあげるかどうかを判断しなくてはなりません。外からは見えないくきの中の穂を、どうやって確認すると思いますか?
農家のみなさんは、この時期田んぼに何度も通い、株の高さや根張り、葉の色を見て、
・穂肥えを施すべきか否か
・施すならどのくらい必要か
・いつ施すか
を判断するのです。特にコシヒカリは草丈がのびやすく、肥料をやり過ぎると倒れやすくなるため、注意が必要です。ちなみに今年のオーナー田んぼは、栄養状態がいいので穂肥えは施さないそうです。
穂が出る頃に田んぼに水をかけますが、このタイミングや量も、稲や天気との相談になります。
「稲は人の足音を聞いて育つ」
お米を作る人はそう言います。

穂が出てからは、気温も重要なポイントになってきます。低すぎるとせっかくの穂も中身のお米が実らなくなってしまいます。農村で、自然に感謝し五穀豊穣を祈る行事が大切にされてきたのも、お米が「自然の恵み」でできているということを表しているのでしょう。

 午前中にしか咲かない稲の花です。(8月22日撮影)
午前中にしか咲かない稲の花です。(8月22日撮影)

そんな稲の足下には、この肥料を喜んで取ってしまうコナギやオモダカなど、取りきれなかった「田の草」が生えていて、これから花盛りを迎えます。栄養を取られてしまうのは困りものですが、なかなか可愛らしい花です。

9月6−7日は「田んぼのイロハ」3回目、草刈りやあぜ管理について座学と実習を行います。そのあと4回目10月18−19日はいよいよ稲刈りです。ぜひご参加下さい。
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=2&aid=564

大根生長の記録

種まきからちょうど3日目の8月26日、大根の芽が出ていました!

2008年8月23日(土)、休日農業講座「山の上のかあちゃんの畑と料理」が開かれました。

講座では参加者が初めて持つくわでうねを2本作り、大根の種をまきました。それも1本目のうねは何も教わらずにそれぞれの考えでまき、2本目のうねで講師の桑原祐子さんにまき方を教わりました。

そして、写真のような芽が出ました。

 桑原さん指導もと種巻きした方の芽。シャンとしています。
桑原さん指導もと種巻きした方の芽。シャンとしています。
 参加者が種まきした方の芽。どうやら少し様子が違うようですね。
参加者が種まきした方の芽。どうやら少し様子が違うようですね。

このわずか1センチほどの小さな芽がこの後どうやって大根に変身するのか、そして今の違いがどう影響するのか、お伝えしていこうと思います。

早くも気になるこのあとの大根については、次回をお待ち下さい。

うねから作る大根!初めてくわを持った参加者の挑戦。

教わりながら作った2本のうね。1本は、大根の種を見るのも初めての参加者が、何も教わらずにまいてみました。無事大根を収穫できるのでしょうか?…それ以前に、芽は出るのでしょうか??収穫は次回です。
2008年8月23日、新潟県南魚沼市栃窪集落で、今年度から始まった休日農業講座「山の上のかあちゃんの畑と料理」の3限目が行われました。
今にも雨が降り出しそうな曇り空、秋の気配も漂う涼しさの中、東京から30代ー40代の大人6人、4歳ー8歳の子どもたち6人、市内からも20代1人が参加し、うね作りや大根の種まき、夏野菜の収穫を体験しました。

 「どうやってまこうか?」穴を掘っては埋めまた掘って。穴に入れた種をまたとり出してみたり…おいしい大根を収穫する姿だけを思い描きながら、種をまきます。
「どうやってまこうか?」穴を掘っては埋めまた掘って。穴に入れた種をまたとり出してみたり…おいしい大根を収穫する姿だけを思い描きながら、種をまきます。

栃窪集落センターで行われた開講式では、前回も参加した人も多く、とても和やかに始まりました。
畑では、耕して平らにならされた一画が参加者を待っていました。講師の桑原祐子さんに教わりながら、6メートルほどのうねを2本作りました。端と端に棒を立て、ひもを張って目印にしながら、なんとかまっすぐにしようとがんばりました。一緒に来た子どもたちもくわをにぎってみました。
うねができると、まず1本目は何も教わらずに参加者だけで種をまきます。「何でも教わってやっていたら覚えられないから」という桑原さんの教育方針のもと、参加者は種を目の前に話し合いました。そして、うねをそれぞれに割り当てて、思い思いにまいてみることにしました。種をまく位置、土を掘る深さ、1つの穴に何個まくかなど、慎重に作業を進めていました。みんながまき終わった後、2本目のうねで桑原さんが模範解答をしました。その仕組みと知恵に思わず「なるほどー!」と納得する参加者でした。
種まきが終わってから、同じ畑で育ったナスとカボチャを収穫させてもらい、集落センターに戻りました。

 「目を皿にして」ごちそうを見比べます。「どれを食べようかな〜!?」
「目を皿にして」ごちそうを見比べます。「どれを食べようかな〜!?」

この後は調理実習を行う予定でしたが、時間の都合で野菜から調理まで桑原さん作となりました。ズラリと並んだ計18品のおかずの原材料のうち、自家製でないのは肉、豆腐、牛乳、卵、みそ以外の調味料、だけだそうです。今回は集落の笛木くらさん作のおかずも並び、参加者は目移りしながらおかずを盛りつけていました。

午後は、午前とは別の場所にある桑原さんの畑へ歩いて行き、ピーマンやナス、トウモロコシなどの収穫を体験しました。野菜は桑原さんの家の車庫に集め、みんなで山分けさせてもらいました。前の日に祐子さんが収穫したユウガオやメロン(甘いウリ)も追加され、新鮮な有機栽培の野菜で袋いっぱいのおみやげができました。

[参加者のふりかえりコメントから]
・実際に土にさわって畑の作業をして、食べ物が長い間手をかけられて自分たちの食卓まで来ているんだということがわかった。(30代女性/東京/2回目)
・今日まいた種を今度収穫できるのも楽しみ。食物に対する考え方が変わってきたと感じた。(40代女性/東京/初参加)
・何と言ってもやっぱりお昼がおいしかった。こういう地域の料理は、東京にいたら到底味わえない。(40代男性/東京/3回目)

次回はいよいよ最終回!4限11月1日(土)ー2日(日)です。
1日目…1限で植えた大豆や今回種まきした大根の収穫、笹団子やみそ豆作り。
2日目…栃窪集落の大収穫祭に参加。

お申し込みをお待ちしています。

聞いて「なるほど」!野菜によって違う種まきのコツ

「種まき」と1言で言っても、全部の種が同じまき方ではありませんでした。実は野菜の種類ごとに、適したまき方があったのです。
1限で大豆を植えた畑に到着すると、下の段の畑に耕されて平らに整えられた一画がありました。そこには酸性の土壌をアルカリ性にするための石灰という白い粉がまかれていました。ここが今回大根の種をまくところです。

 はじめはお父さんと一緒にくわを持っていた男の子。そのうち「自分だけで持ちたい」と言い、ひとりで重いくわを持ち、一生懸命に土を寄せていました。
はじめはお父さんと一緒にくわを持っていた男の子。そのうち「自分だけで持ちたい」と言い、ひとりで重いくわを持ち、一生懸命に土を寄せていました。

まずくわの使い方を教わり、参加者もおそるおそる土を耕し始めました。スキーのストックを再利用した棒をうねの端と端に立て、ひもを張って目印にしながら、何とかまっすぐに土を寄せていきます。少しずつ慣れて楽しくなってきた大人の雰囲気を察してか、子どももやってみたいと言い出して、重いくわを持って土をうねの方に寄せ始めました。中心には鶏糞も入れ、最後に上を平らにならして完成です。

その次は種まきです。まず1本目のうねは何も教わらずに種をまいた参加者。
2本目のうねの種まきで桑原さんのまき方が説明されました。
*まず、穴は浅めに。…大根の種の場合、種の3倍の厚さの土をかけます。芽は、ちょっと頭を出したときに土の上に出ないと死んでしまうそうです。
*土は固める!!…大根は土を固くおしつけた方が芽がでやすいそうです。そこで桑原さんは等間隔の足幅でうねの上を歩き(注意:体重が50キロくらいの人まで。重い人はできません)、足あとのかかととつま先に種を3粒ずつまいて、軽く土をかけた後上からたたきます。
そして、芽がでたら2回間引いて1本立ての大根にするそうです。

桑原さんの話を聞いて「ええー!そうだったのか!!」と早くも不安になる参加者のみなさん。芽は順調なら3日後に出るそうです。

 「種は高価なもの」と教えられた参加者。一粒も無駄にはできません。「ここにこうやってまこう」と話し合いながらの種まきです。
「種は高価なもの」と教えられた参加者。一粒も無駄にはできません。「ここにこうやってまこう」と話し合いながらの種まきです。

ちなみに、種をまくときはどこかで必ずカラスが見ていて、誰もいなくなったら降りてきて種をほじって食べてしまうため、対策として土をかけた後はすぐ上に糸を張ります。鳥は羽にものが当たるのを嫌がるので、この糸に羽が当たると、こわくなってもう来ないそうです。

お待ちかねの栃窪ランチ、今回は「夏ビュッフェ」。

ごはんを入れて全部で18種類のおかず。野菜は全部桑原さんの畑でとれたものです。

 参加者がフライを揚げている横で、桑原さんが汁物を温めています。鍋の中が気になる参加者。
参加者がフライを揚げている横で、桑原さんが汁物を温めています。鍋の中が気になる参加者。

時間の都合で、予定されていた夏野菜調理実習は、ズッキーニにバラ肉の薄切りをまいたものをフライにするところだけとなってしまい、あとは切って並べたり配膳したりして終了しました。

さてメニューは…
*ズッキーニの肉まきフライ
*卵のタルタルディップ
*ナスとネギの炒め物
*ユウガオのピリ辛炒め
*ユウガオのきんぴら
*ゴボウと人参のきんぴら
*ゴーヤの梅おかか和え
*ゆでモロヘイヤ×しょうゆ
*ぬか漬け(キュウリとナス)
*冷やしトマト
*蒸しかぼちゃ×ツナマヨソース
*夏野菜けんちん汁(ネギまたはミョウガの薬味付き)
*シソみそ
*えご
*枝豆
*ハムとズッキーニの炒め物
*カスピ海ヨーグルト×自家製イチゴジャム
*ごはん

自家製ではない食材は肉、豆腐、牛乳、卵、調味料のみです。

 少しずつ取ったのに、お皿からはみ出しそうです
少しずつ取ったのに、お皿からはみ出しそうです

大皿に盛りつけられてズラリと並んだおかずたち。参加者は好きな分だけ取ることができましたが、それぞれを少しずつ取っただけでもお腹がいっぱいになってしまいました。

これだけ多彩なメニューが自分の畑で採れる野菜でまかなわれる、桑原さんのお宅の食卓の豊かさが垣間見える「栃窪ランチ」でした。

夏野菜収穫

トウモロコシ、ナス、ピーマン、トマト、スイカ…  大根の種まきをした畑と別の畑を2カ所もまわって、夏野菜を収穫しました。

 

 「大きいのあるかな?」葉のかげもていねいにチェックします。
「大きいのあるかな?」葉のかげもていねいにチェックします。

大根の種まきをした畑も、この2カ所の畑も、全部桑原さんの畑です。畑には動物がやって来たあとがいっぱいありました。それに対抗して桑原さんも空き缶をぶら下げて音が鳴るようにしたり網で囲ったり、いろんな工夫をしていました。

収穫に適した大きさや色を教わって収穫し、桑原さんの家の車庫に集めました。(車庫は作業場にもなっていて、バイクや自転車の他にお米を乾燥させる機械などもおいてありました。)自分たちで収穫した野菜と、あらかじめ祐子さんが収穫しておいてくれた野菜(メロン、夕顔)をブルーシートの上でに広げて、みんなで山分けにしました。

 タヌキが食べてしまったスイカ。見事に赤いところだけ食べ尽くしています。
タヌキが食べてしまったスイカ。見事に赤いところだけ食べ尽くしています。

第2回やまざとワークショップ報告

2008年8月2、3日の両日、全戸数18の新潟県南魚沼市清水集落で、首都圏の社会人や学生ら12人に、地元のみなさん11人の計23人が参加し、清水地区が主催する「やまざとワークショップ」を行いました。
2008年8月2、3日の両日、百名山の一つである巻機山(1,967m)の麓、標高600mに位置する新潟県南魚沼市清水集落で、清水地区が主催する「やまざとワークショップ」が開催されました。参加したのは、首都圏の社会人や学生ら12人に、地元のみなさん11人の計23人。

つきぬけるような夏の青空の下、1日目はソバの種まきと巻機権現火渡りを体験、2日目は5月に行った第1回でコマ打ちしたナメコの原木周辺を草刈りし、原木をきれいに並べる作業をしました。

ソバの種まき。耕うん機に挑戦。たくさんのレバーがあって、コツを掴むまでが大変でした。
ソバの種まき。耕うん機に挑戦。たくさんのレバーがあって、コツを掴むまでが大変でした。

清水は標高が高く米作りに適さないこともあり、休耕田にソバを植えています。ソバの種まきでは耕うん機を集落のプロに教えてもらいながら使いました。初めての経験に参加者はとても嬉しそう。「ただ使い方を教えてくれるだけでなく、昔、耕うん機を使う前は牛を使っていたことなど、話を聞きながらの作業がとても面白かった」と参加者から感想がありました。

また清水は、山岳信仰の地で、山伏の修行として火渡りが毎年8月第1週に行われています。この火渡りの準備から加わらせてもらい、道場と呼ばれる火渡りの火を焚く場所をつくるため、結界を張る作業などを手伝いました。

夜7時になると、清水にある民宿に集まった山伏12人が行列し巻機権現を目指します。途中、昔関所であった家と巻機山へ祝詞をあげ、巻機権現へ行き、道場へと入っていきます。各方角に矢を放ちお清めをした後に、いよいよ点火。燃え盛る火が置火になったところで、山伏に続いて参加者も火渡りに挑戦。見事渡り切りました。

その後、清水地区の公民館に戻り懇親会。地元の若手、消防団の皆さんも駆けつけ大変盛り上がりました。

2日目のナメコの原木地域の整備作業は、集落から車で10分、徒歩で約30分、たくさんの種類の木々がある山で行いました。

5月には雪で一面真っ白だったところは、ササや低木が密集してしまい、原木はその下に眠っている状態でした。それをエンジン式の刈り払い機などで思いっきり切りはらい、掘り出して、並べ直すという作業でした。こうすることで、よりたくさんのナメコが収穫しやすくなるそうです。

「キノコの原木に触れるのは初めてで、こういうふうにキノコができることがわかりました」「森のカタチや森の守り方を再確認できた」と参加者。来年の9月頃には収穫できるようになるということです。

意見交換会の様子。4つグループに分かれて意見を出し合いました。
意見交換会の様子。4つグループに分かれて意見を出し合いました。

午前中の作業の後、この2日間で印象に残ったことや清水でやってみたいことを出し合いました。ナメコ学科、ソバ学科、郷土料理学科、歴史学科など、集落の人が教授となり、その裁量で単位認定を行う「清水大学」の設立、郷土料理教室の開催、4mもの雪が積もる清水ならではの、積もっている雪をチェーンソーで切り抜いてつくるかまくらづくりの売り出しなど様々なアイデアが出されました。

「大自然とそれを上手に共生する人々の暮らし。大自然は美しい。でも、大変なこともたくさんある。大自然と上手に付き合っている人々。とても魅力的でした」「人と人との触れ合いやあたたかさ。様々な事を教えてくれるし、体験させてくれたのが嬉しかった」「皆さんがすごく笑顔で、でも作業が始まると表情がガラリと変わって、そのギャップが素敵でした」などと参加の感想がありました。参加者の印象に残ったことのキーワードは「人」「技」「話」でした。

厳冬期の来年2月には単身高齢者宅の除雪作業を実施する予定です。いずれも、単なる体験を超えて、地域社会の実際に触れその輪の中に参画することを通じて、日本や世界全体の持続可能性について考えることを目指しています。

第2回やまざとワークショップ報告

火渡りに挑戦
火渡りに挑戦

2008年8月2、3日の両日、全戸数18の新潟県南魚沼市清水集落で、首都圏の社会人や学生ら12人に、地元のみなさん11人の計23人が参加し、清水地区が主催する「やまざとワークショップ」を行いました。

2008年8月2、3日の両日、百名山の一つである巻機山(1,967m)の麓、標高600mに位置する新潟県南魚沼市清水集落で、清水地区が主催する「やまざとワークショップ」が開催されました。参加したのは、首都圏の社会人や学生ら12人に、地元のみなさん11人の計23人。

つきぬけるような夏の青空の下、1日目はソバの種まきと巻機権現火渡りを体験、2日目は5月に行った第1回でコマ打ちしたナメコの原木周辺を草刈りし、原木をきれいに並べる作業をしました。
清水は標高が高く米作りに適さないこともあり、休耕田にソバを植えています。ソバの種まきでは耕うん機を集落のプロに教えてもらいながら使いました。初めての経験に参加者はとても嬉しそう。「ただ使い方を教えてくれるだけでなく、昔、耕うん機を使う前は牛を使っていたことなど、話を聞きながらの作業がとても面白かった」と参加者から感想がありました。
また清水は、山岳信仰の地で、山伏の修行として火渡りが毎年8月第1週に行われています。この火渡りの準備から加わらせてもらい、道場と呼ばれる火渡りの火を焚く場所をつくるため、結界を張る作業などを手伝いました。
夜7時になると、清水にある民宿に集まった山伏12人が行列し巻機権現を目指します。途中、昔関所であった家と巻機山へ祝詞をあげ、巻機権現へ行き、道場へと入っていきます。各方角に矢を放ちお清めをした後に、いよいよ点火。燃え盛る火が置火になったところで、山伏に続いて参加者も火渡りに挑戦。見事渡り切りました。

ナメコの原木周辺。うっそうと生える草を草刈り機を使って刈る。
ナメコの原木周辺。うっそうと生える草を草刈り機を使って刈る。

その後、清水地区の公民館に戻り懇親会。地元の若手、消防団の皆さんも駆けつけ大変盛り上がりました。
2日目のナメコの原木地域の整備作業は、集落から車で10分、徒歩で約30分、たくさんの種類の木々がある山で行いました。5月には雪で一面真っ白だったところは、ササや低木が密集してしまい、原木はその下に眠っている状態でした。それをエンジン式の刈り払い機などで思いっきり切りはらい、掘り出して、並べ直すという作業でした。こうすることで、よりたくさんのナメコが収穫しやすくなるそうです。「キノコの原木に触れるのは初めてで、こういうふうにキノコができることがわかりました。」「森のカタチや森の守り方を再確認できた。」と参加者。来年の9月頃には収穫できるようになるということです。
午前中の作業の後、この2日間で印象に残ったことや清水でやってみたいことを出し合いました。ナメコ学科、ソバ学科、郷土料理学科、歴史学科など、集落の人が教授となり、その裁量で単位認定を行う「清水大学」の設立、郷土料理教室の開催、4mもの雪が積もる清水ならではの、積もっている雪をチェーンソーで切り抜いてつくるかまくらづくりの売り出しなど様々なアイデアが出されました。
「大自然とそれを上手に共生する人々の暮らし。大自然は美しい。でも、大変なこともたくさんある。大自然と上手に付き合っている人々。とても魅力的でした。」「人と人との触れ合いやあたたかさ。様々な事を教えてくれるし、体験させてくれたのが嬉しかった。」「皆さんがすごく笑顔で、でも作業が始まると表情がガラリと変わって、そのギャップが素敵でした。」などと参加の感想がありました。参加者の印象に残ったことのキーワードは「人」「技」「話」でした。
このイベントは、エコプラスが企画・運営を担当しており、厳冬期の来年2月には単身高齢者宅の除雪作業を実施する予定です。いずれも、単なる体験を超えて、地域社会の実際に触れその輪の中に参画することを通じて、日本や世界全体の持続可能性について考えることを目指しています。