「去年より穂が重い!」イロハ田んぼで稲刈り

昨年は雑草の勢いに押され気味だったイロハ田んぼでしたが、今年は隣の田んぼの人にもほめられるほど立派な稲穂が実りました。
2008年度の「田んぼのイロハ」第4回が、10月18日ー19日に、南魚沼市栃窪で行われました。

参加したのは首都圏からの家族連れや会社員のみなさん13人。そのうちの5人は田植えにも参加した人たちでした。

2日間雲一つない青空で、時折吹く風が作業の疲れをいやしてくれる、本当に気持ちのいい天気に恵まれました。

1日目は13時に集合してすぐ「とちくぼ生き物プロジェクト」に参加し、生き物調べをした後、栃窪小学校を見学させてもらいました。この日小学校は集落をあげての文化祭で、ちょうど片付けの時間だったところにお邪魔し、一緒に片付けながら、校舎も見せてもらいました。

16時からは、地元の「とちくぼパノラマ農産」の笛木晶さんを講師に座学を行いました。明治以前から使われていたという脱穀用の道具を見せてもらい、どの家でもハザカケをするのが普通だった頃の作業や集落の様子についてお話を聞きました。

杉の木を等間隔に植えて横に十何段もつなを張り、4メートル近くの高さまでハザカケをしていたことや、乾かした稲がぬれないように家中に天井の高さまで積み上げていたことなど、農が暮らすことと一体になっていた30〜40年前の風景が少し見えたような気がしました。

 集落の日熊さん(左から2人目)に稲の束ね方を教わる。稲刈りでは、刈り取りよりもこの束ね方が大事な作業。
集落の日熊さん(左から2人目)に稲の束ね方を教わる。稲刈りでは、刈り取りよりもこの束ね方が大事な作業。

最後に手刈りの仕方、稲の束ねる(=まるける)やり方を教わって、次の日の稲刈りに備えました。

2日目は、午前9時から稲刈り。笛木晶さんと集落の日熊良一さん、笛木俊児さんの協力を得て、参加者は刈り方・まるけ方を何とか覚え、刈り取ってはまるける作業をくり返しました。

田んぼには、ぬかるんで長靴ごとはまってしまう場所があり、子どもたちはついには裸足になって田んぼをかけめぐっていました。

大人たちは疲れると手を止めて腰を伸ばし、真っ青な秋晴れの空を眺め、或いは紅葉の始まった八海山や巻機山を眺めて、また作業にかかっていました。

午後3時に1反(約10アール)あまりのイロハ田んぼの刈り取りを終えることができました。

稲の束を女の子が投げて、大人がはざにかけます。回りの人との共同作業でペースがぐんと上がります。
稲の束を女の子が投げて、大人がはざにかけます。回りの人との共同作業でペースがぐんと上がります。

参加者のみなさんは、「今回の稲刈り作業では、単なる自然体験ではなく、農作業のつらいところも子どもに見せることができて良かった」などと感想を話していました。

おコメは10日間程度、天日で乾燥して、脱穀しおコメになり、11月2日の収穫祭にはおにぎりになって登場する予定です。