「やまざとの食と暮らし講座」第3回 山のおやつを味わいました。

木の実を食べ、つるを編み、少し昔の秋の山の暮らしを体験しました。
10月4日に、「やまざとの食と暮らし講座」第3回目となる「秋の山のおやつ講座」が、南魚沼市栃窪集落で開かれました。南魚沼市周辺、東京都や群馬県から、幼児1人を含む12人が参加。地元の笛木信治さんを講師に、野山で食べられる木の実を探したり、自分で集めたつるで小さなかごやリースを作ったりしました。

 アケビがたくさん実っている場所に連れて行ってもらいました。アケビの実とり放題!
アケビがたくさん実っている場所に連れて行ってもらいました。アケビの実とり放題!

午前は、集落内の野原や山道を歩きながら、アケビ、ムカゴ、ヤマブドウの一種など、9種類の食べられる実を見つけました。70代の笛木さんが子どもの頃は春から秋まで、山でおやつを探して食べていたそうです。笛木さんは実を見つけるたびに、食べ方や、その実にまつわる思い出話をしてくれました。参加者は、実をじっと観察し、そっと口に入れ、「酸っぱい」「思ったより甘みがある」「スポーツ飲料みたいな味」などと話しながら、初めての味を確かめていました。

 参加者はつる細工を作るのが初めて。「自分にもつくれるかな」と作り方を見守っていました。
参加者はつる細工を作るのが初めて。「自分にもつくれるかな」と作り方を見守っていました。

午後は、実を探しながら集めたアケビなどの木のつるで、小さなかごやリースを作りました。笛木さんからはだいたいの作り方を教わり、大きさや形は参加者の自由。つるの形もいろいろのため、個性的な作品ができ上がっていました。

40年ほど前まで、山の柴を燃料として利用し、山すその草を家畜のエサとしてすべて刈り取っていたため、野山はとてもきれいだったそうです。大人も子どもも山のものを食べ、木のつるや草の葉を道具にし、山と一体になって暮らしていたと、笛木さんは、ふり返っていました。

そうした暮らしの中で培われた知恵は、生活の変化とともに必要とされなくなり、失われようとしています。ふり返りでは、参加者から「生活に必要がなくなったからいらなくするのではなく、こんなこともできると伝えたい」「子どもたちにはこういう体験は大事と思うので、連れて歩きたい」などの感想が聞かれました。