エコプラス代表理事の今年2冊目の著書「場の教育」が発刊されました。地域社会が内包する学びの可能性を、新潟県南魚沼市での活動を通して論じています。
農文協が21冊シリーズで刊行する「シリーズ地域の再生」。結城富美雄さん、内山節さんなど本格的な著者が並ぶ。
発行されたのは農山漁村文化協会(農文協)が企画するシリーズ地域の再生(全21巻)の一つ「場の教育・・・土地に根ざす学びの水脈」、286ページ。愛知大学経済学部教授の岩崎正弥さんとの共著だ。
この本では、明治以来、日本の学校教育の主流だった「地元を捨てさせる教育」に対して、「土地に根ざす学び」があったとする。第1部で、岩崎さんが、日本各地にあった「土の教育」「郷土教育」「デンマーク型教育」などの事例を検証。土地に根ざした「場の教育」こそが地域と教育を再生すると論じている。
9月に発刊された「場の教育」。第2部の高野孝子部分には南魚沼での実践例が豊富に紹介されている。
第2部で、高野が現代における実践例として、南魚沼市で展開している「TAPPO 南魚沼やまとくらしの学校」の活動を、その受け皿となっている集落の様子とともに具体的に描き出している。
高野が強調するのが、現代社会で省略してしまう「プロセス」。都会では便利で早いことに価値が置かれ、プロセスは省略されてしまう。しかしプロセスを体験的に知ることが、人間としては大切で、農産漁村はそうしたことを学ぶ舞台を提供できるのだ、と。
地域の再生とは、教育はどう変わるべきかなどを考える、多くの材料がちりばめられた本だ。
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2010年9月12日(日)の生きもの調べでは、清水が流れ込む池の周辺でプラナリアやヒバカリを発見。プラナリアは顕微鏡で細かく観察しました。
9月12日(日)に、南魚沼市栃窪集落で恒例の「栃窪生きものプロジェクト」が行われました。南魚沼市内には朝から大雨洪水警報が出されていましたが、栃窪は小降りだった雨が途中で上がりました。集落内外から8人が参加し、小出高校教諭の深沢和基さんを講師に、生きものの観察を行いました。
毎回観察しているスイレン田んぼや、清水が流れ込んでいる池などを観察しました。参加者は歩きながらそれぞれ生きものを探し、何か見つけては声をかけ合い観察しました。
スイレン田んぼでは、トンボが数種類飛んでいた他、前回少ししか確認できなかったタヌキモやミズオオバコなど水生植物の花の数が増えていました。
濡れた草の上を移動していた小型のヘビ「ヒバカリ」。小さな頭と紫がかった茶色の肌が印象的。無毒。
池では、手足の生えたクロサンショウウオの幼生を何匹も観察しました。ウーパールーパーのようなエラがしっかりついていました。
別の池には、お腹が大きくふくれた、トノサマガエルと思われるカエルがいました。深沢さんがお腹をなでて探ってみると不自然に角張った部分があり、何か大きなエサを食べた直後かもしれない、とのことでした。
同じ場所では、小型のヘビ「ヒバカリ」を2匹発見。互いにヘビを手で持って、その肌の色や筋肉の強さなどを感じました。
池からつながっている、幅20センチほどの緩やかな清水の流れでは、ヨコエビやプラナリアなどの、長さ0.5ミリから1センチ前後の小さな生きものが次々見つかりました。
顕微鏡で見たプラナリアの頭部。平べったい頭に丸い2つの目が見えます。
持ち帰って顕微鏡でプラナリアを使うと、肉眼では見えにくかったプラナリアの目がよく見えました。マンガのキャラクターのようなひょうきんな表情で、参加者はおもしろく観察していました。
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