2013年1月26日午後、新潟県南魚沼市で、インドのチャタジーさんを招いた国際フォーラム「持続可能な地域社会に向けて」を開き、30人近くがチャタジーさんの熱意あふれる話に加わりました。
インドを拠点にアジア各地で生態系に配慮した地域開発の指導にあたっているオルデンドゥー・チャタジーさんを招いた国際フォーラムが、2013年1月26日午後1時から午後5時近くまで、南魚沼市の県南魚沼地域振興局を舞台に開かれました。
あいにくの大雪で、振興局前の駐車場も朝除雪したというのにひざまでが埋まる状態。その中、農業に直接携わっている方や地域振興に携わる行政関係者、教育関係者など26人に来ていただきました。
チャタジーさんは,予定を大幅に超えて2時間にわたって、命の循環について具体的に説明。田んぼがもともと持っていた文化を伝えたり、一年を通しての歌や踊りの舞台となったり、多くの生きもののすみかであったりという多面的機能があることを示してくれました。
その上で,今の農業の仕組みでは、田んぼは単に米を作るという生産という経済的な活動の場所だけになってしまっていて、同時に、その生産活動には多くの石油資源が投入されていて、石油がなくては成り立たない農業になっていることも指摘しました。
「今は太陽のエネルギーが育てたコメでなくて、石油のエネルギーが育てたコメづくりになっている。私たちはコメではなく、石油を食べている。この仕組みは長続きしない。まず自分たちの足元に何が育ち、どんな生きものが繰らしているのか、そこから始めるべきだ」と強調しました。
チャタジーさんは生態系に配慮した農業(ecological agriculture)の大切さを繰り返し、「単に昔に戻るのではなくて、新しい科学を作るのです」とも話し、地元にある資源を活用して、小さなエコノミーを作り上げる大切さを繰り返していました。
スライドでは、木が切られ森がはくなったために、駅のホームでパンやビスケットの物ごいをするようになったサルの写真も示され、参加者を驚かせました。
会場とのやりとりでは、インドでのサルによる農業での被害や薬草などを使った商品開発と法律との関係など、多くの質問が出され、一つひとつ丁寧な返事をいただいているうちにあっという間に5時近くになってしまいました。