エコプラスは、2016年1月23-24日、東京都新宿区の早稲田大学を舞台に「持続可能な社会の形成に向けた「場の教育」シンポジウム・・・『知っている』から『行動』へ」を開きました。海外から3人、国内から2人の特別ゲストを含む、計約100人が2日間にわたって、「場の教育」をめぐる議論を交わしました。
海外から参加したのは、英国エジンバラ大学のサイモン・ビームズ博士、インド北東部のナガランド州を中心に活動する環境弁護士、アンバ・ジャミールさん、さらにシンガポールの名門学校、ラッフルズ学園で体験教育を担当するルース・オン・ウェイ・リンさん。
サイモンさんは、巨大化した企業群によって世界中の人々の行動や思考が左右される21世紀にこそ、それぞれの地域を認識し、その場を変革し、世界の他の場所とつながる場の教育が必要だと強調。場を意識し、その場の自然や社会の状況に応答する教育(Place-Responsive Education, PRE)が大切になると訴えました。
アンバさんは、自らの出身である少数民族ナガ族の立場から、伝統的な焼き畑農業には、実は豊富な伝統知が潜んでいること、その伝統は外部から導入された公教育にはまったく組み込まれずに単に都市で働くための教育が進められていること、失われようとする地域とのつながりを作り直すために、孫の世代がふるさとの集落に滞在するプログラムなどが始まっていることなどを紹介してくれました。
ルースさんは、小さな都市国家であるシンガポールでも、数百年前からの歴史を刻んだ土地を高層住宅街に変える開発が進められていて、ラッフルズ学園の生徒たちが地域の記憶を訪ね、記録し、海外からの労働者を含めた住民とのつながりを持つ体験活動をしていることなどを話しました。