2016年3月26日から29日まで、南魚沼市清水集落で「雪ざんまいキャンプ」が行われました。参加したのは、新潟市と首都圏から来た小中学生7人の子どもたち。雪の上での暮らしを自分たちで組み立てながら、思いっきり遊び学び楽しんだ3泊4日でした。
今年の冬は不思議なぐらいに雪が少なく、標高600mの清水集落でも一足早く春の装いです。例年なら2m〜3m雪が残っているこの時期も、今年は50センチほどしかありません。「雪ざんまい」となるか心配しましたが、好天にも恵まれ、子どもたちは真剣なまなざしで雪との暮らしに向き合いました。
集まったのは、小学4年生から中学1年生までの子どもたち7人。何度かエコプラスのキャンプに参加したことのある子もいましたが、初めての場所、初めて一緒に過ごす仲間、初めての雪の上でのキャンプに、皆少し緊張した面持ちでした。「環境を大事にして過ごす」「みんなと仲良くする」といった目標を決めて、雪ざんまいキャンプのスタートです。
これから4日間、身のまわりの暮らしをすべて自分たちで組み立てます。雪を踏み固めるところから、テントを建て、なたで薪を割って火を起こし、雪を溶かして水を確保して、イスとテーブル・トイレ・食器棚まで全部雪で作ります。雪でお尻を拭き、杉の葉っぱをタワシとして鍋を洗いました。子どもたちも初日は戸惑ったものの、4日も経てば皆たくましく成長していきます。
スタッフの役割は基本的にはアドバイスをする程度で、手助けもなく、子どもたち自らが考え、相談して、行動していかなければいけません。道具や食料も自分たちで管理します。初日の夕飯を食べ始める頃には辺りが暗くなっていましたが、日が経つに連れ、なたの使い方も火の起こし方も早くなり、料理も大人より子どもたちの方がおいしく出来るほどでした。他にも、トイレに行くまでの階段を設けたり、雪で灯籠を作りロウソクの明かりを灯したりと、雪の上での生活を工夫しながら楽しみました。
日中は毎日暑いぐらいの晴天で、 地元の山の達人と一緒に近くの巻機山のふもとまでハイキングをしたり、 集落の不思議を自分たちで見つけ、それについて地元の人たちに聞いて歩く「清水調べ」に出かけたりと、里山の自然と暮らしを肌で感じることができました。お楽しみは、山の斜面で豪快尻すべり。肥料袋をソリ代わりに、初めは1人で、最後はスタッフも入って7人一緒にと、大きな笑い声が山の向こうまで響いていました。 過疎化が進む山間の地域で、4日間だけでも子どもたちが暮らし、溶け込んでいく姿が印象的でした。
自然の中、仲間たちと協力しながら、雪の上の暮らしを楽しみました。うまくいかないこと、大変なこと、寒さに凍えることもありました。それでも、かちかちに凍った雪の上で空を見上げると、真っ暗な中に無数の星が見えました。地に根を張る里山の暮らしも、自然の雄大な景色も、街の便利さの中では味わえないような経験だったと思います。真っ赤に日焼けした顔が、雪国の暮らしを思いっきり楽しんだ証です。