早稲田サマーセッション

日本のこれからにとって大切だと思うのは、彼らが日本に大きな関心を持って来ているということ。アニメがきっかけの人たちが多いが、こちらが何を話しても、前のめりで聞いてくれる。単純にうれしいし、彼らは人々や社会と、直接体験を通してつながりを持ち、この国の多様さや様々な局面、醜いところも美しいところもひっくるめて、理解してくれる可能性を持つ。そして関係性ができた彼らを通して、日本の人たちも彼らの国や文化を知ることができるだろう。相互理解や平和は個々人のレベルから培われる。

初年度のWSSに参加したアメリカ人学生が、この4月から早大に留学生としてやってきた。うれしいことだ。ずっと勉強を続けていた日本語は、上手になっていた。彼と連絡を取り合っていたシンガポールの学生が、卒業して就職するまでの時間を利用して、また来日した。2人で一緒に高速バスに乗って、当時、フィールドトリップで訪問した新潟県の村を再訪した。

こうしてつながりを持った人たちは、自由に世界を行き来するようになる。日本での時間が彼らをつなぐ役割を果たせるとしたら、素敵なことだと思う。(2016年7月4日記)