「カエル」タグアーカイブ

リアルな自然と変化への一歩

わが家の前の田んぼ。水が入った田んぼではカエルが夜通し、猛烈な音で鳴き続ける。何万匹の声だろうか。

 カエルの鳴き声。
 こんなに大きな音になるなんて。夜は電話で話ができない。先方の声が聞こえないだけでなく、先方も周りがうるさくて「窓を閉めて」と言ってくる。閉まってます、それも二重に。

 トノサマガエルの迫力ある低い声も響いているが、何と言っても大音量はあの小さなアマガエル。いったい何匹の音なのだろう。

 昨日は、TAPPOプログラムの「山菜講座」だった。教えてくれる健作さんと新緑の中に入っていく。「こういう枯れた木のようなものがヒントです。たどると、ほら」。そこに太いウドがあった。それまでまったく見えていなかったのに、健作さんが手を動かすと、魔法のように現れたのだ。

 2歳から60歳代の参加者たちは、次々と何種類もの山菜を採って、袋やカゴにおさめていく。雪深い地で芽を出した山菜たちはえぐみが少なく、けれど香りが強く、美味しいとされる。

 我が家の食卓ではここ3週間ほど、連日なんらかの山菜が料理に使われている。山菜のみの日も何日もあった。旬のものだからか、野生のものだからか、エネルギーにあふれている。歯ごたえもしっかりしていて、あふれるエネルギーをバリバリ噛み砕いて、体の中に取り込んでいくイメージが、食べながら自然と湧いてくる。

 カエルも山菜も、あまりに具体的だ。山菜は目の前にあり、手で触り、匂いを嗅ぎ、味わうことができる。カエルは夜は見えないが、強烈に聴覚を刺激する、とてもリアルな存在だ。

アースデイ関係のワークショップで。都会では、どうしても人工空間での活動になってしまう。

 2週間ほど前の4月24日、20年以上ぶりに「アースディ」のイベントに出かけた。「自然」や「環境」をテーマに、多様な組織がブースを出し、ステージでのトークやプログラムがあった。

 そこは代々木公園の一角。草木はあっても生活のない空間。集まってくる人たちの中には、とてもリアルで具体的な人間以外の命との関係を持っている人たちと、そうでない人たちといた。

 社会はきっと変わる、人と自然がいい関係になれると信じている人たちと出会った。そのイメージを具体的に持てる人たちが十分な数になれば、社会は本当に変わると思う。そのイメージを具体的に持てるかどうかには、具体的な経験が関わっていると思う。

 つまり、リアルな自然と日常的に触れているか、正面からつきあっているか、意識の中にちゃんとあるかということだ。

 アースディで触れ合った、あの若い人たちに、このカエルの鳴き声のうねりの中に立って欲しいと思った。
自分の足で斜面を登り、バランスを取りながら踏ん張って、両手で山菜に触れてカマで刈ってみて欲しいと思った。

 リアルな自然との関係を自分の中に取り込んで欲しい。頭で考えるだけでなく、きれいな空想でもなく、自然の力強さや人間にはどうにもできないパワーをしっかりと受け止めてくれたら、もっと公正でまっとうな社会に変わる一歩につながるような気がする。(5月8日)

カエル・イモリの卵

 カエルの卵。種類は不明です。1反ほどの田んぼのあちらこちらにあり、それを目で追っていたらこのかたまりがありました。幅は1mにも渡っていました。
カエルの卵。種類は不明です。1反ほどの田んぼのあちらこちらにあり、それを目で追っていたらこのかたまりがありました。幅は1mにも渡っていました。

今日は快晴で、午後15時頃でも気温が18℃もあり、とても暖かい日でした。昨日は日中でも7℃、実際の温度以上に肌寒く感じていたのでしたが。

 

この頃カエルの声も聞こえ始めたなあ、と思っていたら、使わなくなった田んぼにカエルの卵がありました。この田んぼは、雑草が生えないようにするため一年中水を貯めているそうです。田んぼにはあまり卵を生まないというイモリまで卵を産んでいました。

もう少し暖かくなったら、このたくさんの卵がかえり、オタマジャクシやイモリでにぎやかになることでしょう。

 真ん中あたりの白いものがイモリの卵だそうです。近くを通りかかったおじさんが教えてくれました。
真ん中あたりの白いものがイモリの卵だそうです。近くを通りかかったおじさんが教えてくれました。

いきものプロジェクト第3回報告

7月31日(木)、夏らしいよく晴れた天気の中、2008年度第3回目の栃窪いきものプロジェクトが行われました。今回は、毎回定点観測をしている「桐木平」の田んぼ跡で生き物を観察しました。トンボやイトトンボ、ゲンゴロウやサンショウウオの幼生などを観察しました。
午前9時、夏休みをエンジョイしている栃窪っ子たちが集落センターに集まり、水分補給などの注意を受けて目的地へ出発しました。
1分とたたないうちに道端で虫の鳴き声を聞きつけ、キリギリスを見つけました。その後も、途中の小さな沼地ではシオカラトンボ、民家の脇の水辺でシュレーゲルアオガエル、アマガエル、ヤゴ(ヤンマの仲間)の抜けがらなどを発見しました。電線には飛べるようになったツバメのヒナが14羽集団でとまっていました。オニヤンマも辺りを行ったり来たりしていました。
目的地の手前に、側溝の水が溜まっている場所があり、「何かいそうだ」という先生の言葉に反応した子どもたちが網ですくってみました。網にはマルタニシとシマアメンボが入っていました。(シマアメンボは渓流にいる丸い形のアメンボで、田んぼなどにいるアメンボとは異なるそうです。)

 あちらこちらにいたキイトトンボ。
あちらこちらにいたキイトトンボ。

目的地の桐木平に到着し、それぞれが自由に生き物を探してつかまえてみました。この日特に多かったのはキイトトンボで、子どもたちも何回もつかまえていました。トンボでは、アオモントンボ、ショウジョウトンボ、ムギワラトンボ(=シオカラトンボのメス)、カワトンボの仲間も見られました。沼の中にはヤゴやイトトンボのヤゴがいました。来年もこの沼はトンボたちでにぎわうことでしょう。
他に沼の中には、背泳ぎをするマツモムシ、サンショウウオの幼生、イモリの幼生、ゲンゴロウの幼生、ゲンゴロウにそっくりなガムシなどがいました。水を入れた透明なケースに放して観察していると、そのうちにゲンゴロウの幼生がイトトンボのヤゴにかみついて離れなくなりました。「ゲンゴロウは肉食」と教わり、子どもたちはかたずをのんでその様子を観察していました。
オモダカやコナギ、ホタルイ、ヒシ、ガマなど水辺の植物もたくさんありました。その中でも特に先生が説明して下さったのが「ミクリ」で、昔はどこの田んぼにもたくさんあって農家に嫌がられた植物だったのが、今では自然が残っているところにある植物の代表格なのだそうです。
参加した子どもたちは終了時間になっても網を持って生き物を探したり水の中を見たりと、なかなかやめませんでした。つかまえた生き物を見ているうちに飼いたくなった子もいましたが、「生き物をつかまえた後、本当に飼うなら、その生き物のことをよく調べて、飼えるかどうか考えてから飼うこと。飼えないならすぐに離してあげること。」と先生に言われて、とりあえず集落センターまでは持ち帰ったものの、よく考えてやめていました。

帰りは道は、サカハチチョウやオオシオカラなど来る時とは違う生き物と出会いました。

 生き物しらべの様子です。
生き物しらべの様子です。

ふりかえりでは子どもたちから「トンボがいっぱいいてすごかった」「虫取りも楽しかったけど、ゲンゴロウの幼生がイトトンボの幼生を食べるところは見ていて飽きなかった」などの感想が聞かれました。

定点観測では、これまで数十匹といたオタマジャクシがすっかりいなくなり、その代わりに最も多く33匹のマルタニシを観測しました。また、前回(6月15日)には観測されなかったヤゴ、イモリの幼生、クロサンショウウオ、マツモムシが新たに観測されました。