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オンラインツアーで雪国体験

Virtually experience of the snow country

 エコプラスは、2022年1月30日、南魚沼市を舞台にしたオンラインツアーを実施させてもらいました。新潟県が新型コロナの中での新しい観光モデルを構築する事業の一環。受託したノットワールド(本社・東京)が新潟県内で4本実施するツアーの一つの現場を担当させてもらいました。

ECOPLUS conduced an “on-line tour” in Minamiuonuma on Jan 30, 2022. That is one of four tours which were organized by a tour company called “KNOTWORLD” with the budget of Niigata prefecture government.

 ツアーには、北海道の帯広から沖縄県の石垣島までの全国各地の30数人が参加。午前11時過ぎから、エコプラスの髙野孝子代表理事が現地司会役となって、雪をテーマにした地域案内を始めました。

For the tour, we had more than 30 participants from all over Japan from Hokkaido to Okinawa. From 11 a.m. the tour was started under the theme of “snow” guided by TAKANO Takako, executive director of ECOPLUS.

 最初の現場は、標高500mの栃窪集落。南東向きの斜面に棚田が連続する場所です。一帯は、3m近い雪に覆われていました。さらにカメラは、この無農薬米を栽培している笛木晶さんのお宅に移動。囲炉裏を前にした笛木さんから昨季の米作りは天候に恵まれて順調だった、などと説明をもらいました。

At the beginning, snow cover rice field of Tochikubo village was introduced. The place is 300 meters higher than town center. So the snow was reaching to 3 meters. Then, the camera moved to the house of Mr. FUEKI Akira, who has been growing non-chemical organic rice. He explained the harvest of the last season was good because of well weather condition.

 参加者にはこの無農薬天日乾燥米を事前にお届けしてあり、それを各自で炊いていただいいて、みんなで試食しました。「ふっくらしている」「あまい」「もちもちしている」「粒がしっかりしている」と続々とコメントが寄せられました。

The sun-dried non-chemical organic rice was delivered to the participants in advance so that they prepared cooked rice for this “tour.” Tasting the rice together, comment filed was filled with voices, like “Texture is soft,” “Sweet,” “Well sticky,” and “Grains are powerful.”

 笛木さん宅では、その後、屋根からの除雪の様子などを紹介、「雪の中での暮らし」を感じてもらいました。

Mr. FUEKI also showed us how to manage a lot of snow fallen on the roof using traditional wooden slide. Participants learned the ways of living in deep snow.

 後半は、地元で奈良時代からおられてきた麻の織物「越後上布」や、絹織物の「塩沢紬」を、地元の「塩沢つむぎ記念館」から伝えました。館長の南雲正則さんが、「ちょ麻」と呼ばれる植物の茎から繊維を取り出し、織物にしていく複雑な過程を説明。繊維をよって糸にしたり、昔ながらのいざりばたと呼ばれる仕組みで織ったりする工程も実演していただきました。

In the later part of the tour, we visited Shiozawa Tsumugi Textile Museum. The area has more than 1,200 years of history of fabric. In old days, hemp closes and later silk ones were weaved. Mr. NAGUMO Masanori, the curator, explained the process from getting strings from fiber of outer skin of hemp plant to weaving with very traditional weaving mechanism.

 1時間半のオンラインツアーでしたが、参加者からは質問が次々に寄せられたり、またお昼食時と重なったのでお米の試食がそのまま家族での食事になったりして、あっというまに時間が経つ展開となりました。

Although it was a very short and on-line tour, participants asked many questions and comments through out the program and many are enjoying eating rice during this lunch time period while joining the tour.

 エコプラスとして初めてのオンラインツアー。この新型コロナで制約が多い中で、一つの可能性を感じることが出来ました。参加のみなさんに心から感謝します。

It was the first time for ECOPLUS to organize the virtual tour. We learned a lot about online techniques, skills and tips for such unpredictable time caused by COVID-19. We really appreciate the kind support and collaboration by all participants and related persons today.

お米講座、始めます

「チャンネルECO+」の新シリーズ

 エコプラスは、新潟県南魚沼市で、農山村の自然と暮らしを題材にしたプログラムを展開しています。新型コロナウィルスの影響で、直接体験がなかなか難しいので、今回、「チャンネルECO+」で、お米の講座を始めることにしました。

 理事の大前が、自宅近くの小さな田んぼでご近所の指導を受けて行う、無農薬、人力中心の、伝統的なコメ作りを、種もみの準備から、動画でお伝えしていきます。

 何気なく、毎日食べているおコメ。それがどうやってつくられているか。私たちの先祖は、どうやってこのコメを作り続けてきたのか、細かな、そして結構くたびれる作業を重ねて、暮らしを組み立て、家族と地域を作り上げてきたかを、考えます。

 最初は、もみを選ぶ「塩水選(えんすいせん)」からです。

前年、よく育った株を選んで保存しておき、そのもみを使って苗を育てます。比重の重い、しっかりしたもみを選ぶ塩水選という作業から始めます。

2回目以降は以下の通りです。どんどん積み重なってしまうので、いずれ整理しますが、とりあえず、田植えの前までの作業を順次ご覧ください。

種もみは、病気を防ぐために薬剤で消毒することが一般的です。20年ほど前から、お湯で消毒する方法が開発され、広がっています。温湯(おんとう)消毒です。
苗代(なわしろ)作り。伝統的な「水苗代(水苗代)」に挑戦。
苗作りは、稲作の出発点。もみを苗代の上に振りまいていきます。
冬の間に固まってしまった土をひっくり返します。雪国なので、1mとか2mという雪の重さで土は締まります。前年はこの田んぼには作付けしなかったので、雑草だらけ。
冬の間、モグラたちが自由に作ったトンネルを防ぐ、あぜ塗りです。くたびれます。

南魚沼に避難されているみなさんに物資を公開しました

エコプラスも活動に加わっている南魚沼市災害ボランティアネットワークでは、4月3日(日)に南魚沼市に避難されてきているみなさんへ支援物資の公開を、塩沢市民センターで行いました。

 

塩沢市民センターの講堂いっぱいに広げられた衣類の支援物資
塩沢市民センターの講堂いっぱいに広げられた衣類の支援物資

南魚沼市には、現在300人を超える方が、市内の宿泊施設や個人宅に避難されてきています。新学期を前にした子どもたちのためのランドセルや体操着、文房具の他、衣類や下着、オムツなど、各方面から協力していただき集まった物資を公開しました。

開場と同時に次々と避難されてきているみなさんが訪れ、生活雑貨や学用品、衣類などを大きな袋や段ボールに収めていました。
たくさん服の中から選んだ服を子どもに当てて「かわいいね、これももらっていこうか」とうれしそうにしている親子、「91歳のおばあちゃんがいるのでオムツは本当にありがたい」と話す女性など、会場はなごやかであたたかい雰囲気でした。

福島県南相馬市から避難されてきた女性は、「小学生の孫が3人いる。他地域の学校になじめるのかとても不安。5月には福島に戻ろうと家族と話をしてはいるが、子どもたちが被曝してしまうのではないかと考えると、どうしていいかわからない」と話していました。

この会の運営ボランティアには地元の中学生10人程も参加し、物資の仕分け作業を手伝ったり、会場に設けらえれた休憩スペースで避難されてきたお年寄りの話を聞いたりしていました。

福島・宮城へ出発する直前の高野、大前と日熊恵一さん。ワゴン車には隙間なく、ランドセルや文具、食料、衣料などが積み込まれました
福島・宮城へ出発する直前の高野、大前と日熊恵一さん。ワゴン車には隙間なく、ランドセルや文具、食料、衣料などが積み込まれました

また、この物資公開と並行し、ランドセルや衣類、食品などの支援物資をいっぱいに積んだワゴン車で、高野・大前と、栃窪集落の日熊恵一さんが、福島・宮城へ向かいました。
3人は、3日の夕方には福島県郡山市の避難所に到着。4日朝からはRQ市民災害救援センターの現地本部のある宮城県登米市を拠点とした活動を始めています。
(南魚沼市災害ボランティアネットワークホームページ。大前からの郡山市の避難所の様子のレポートがこちらからご覧いただけます)
http://www.minamiuonuma.ne.jp

(RQ市民災害救援センターホームページ)
http://rq-center.net