大豆の花が咲き、サヤも実り始めました。


7月4日にあぜに植えた大豆苗。約1か月半で、サヤが実るまでになりました。今はマメのふくらみのない、薄っぺらいサヤが茎についています。
「種まき」と1言で言っても、全部の種が同じまき方ではありませんでした。実は野菜の種類ごとに、適したまき方があったのです。
1限で大豆を植えた畑に到着すると、下の段の畑に耕されて平らに整えられた一画がありました。そこには酸性の土壌をアルカリ性にするための石灰という白い粉がまかれていました。ここが今回大根の種をまくところです。
まずくわの使い方を教わり、参加者もおそるおそる土を耕し始めました。スキーのストックを再利用した棒をうねの端と端に立て、ひもを張って目印にしながら、何とかまっすぐに土を寄せていきます。少しずつ慣れて楽しくなってきた大人の雰囲気を察してか、子どももやってみたいと言い出して、重いくわを持って土をうねの方に寄せ始めました。中心には鶏糞も入れ、最後に上を平らにならして完成です。
その次は種まきです。まず1本目のうねは何も教わらずに種をまいた参加者。
2本目のうねの種まきで桑原さんのまき方が説明されました。
*まず、穴は浅めに。…大根の種の場合、種の3倍の厚さの土をかけます。芽は、ちょっと頭を出したときに土の上に出ないと死んでしまうそうです。
*土は固める!!…大根は土を固くおしつけた方が芽がでやすいそうです。そこで桑原さんは等間隔の足幅でうねの上を歩き(注意:体重が50キロくらいの人まで。重い人はできません)、足あとのかかととつま先に種を3粒ずつまいて、軽く土をかけた後上からたたきます。
そして、芽がでたら2回間引いて1本立ての大根にするそうです。
桑原さんの話を聞いて「ええー!そうだったのか!!」と早くも不安になる参加者のみなさん。芽は順調なら3日後に出るそうです。
ちなみに、種をまくときはどこかで必ずカラスが見ていて、誰もいなくなったら降りてきて種をほじって食べてしまうため、対策として土をかけた後はすぐ上に糸を張ります。鳥は羽にものが当たるのを嫌がるので、この糸に羽が当たると、こわくなってもう来ないそうです。
開講式ではそれぞれ自己紹介をし、続いて「山の上のかあちゃん」こと桑原祐子さんより、あいさつとこれからのスケジュール発表、畑やそこにやって来る動物についてのお話がありました。
開講式ではまず参加者が自己紹介をし、続いて講師を務めて下さる「山の上のかあちゃん」こと桑原祐子さんより、あいさつとこれからのスケジュール発表がありました。祐子さんは実は東京から栃窪に嫁いで来られ、畑のことはおじいさんおばあさんに教わってできるようになったそうです。今では5カ所も畑を使っていて、今回はそのうちの1カ所に大豆を植えさせてもらいました。
「大豆を植える」と聞いて、「“大豆を植える”というのは、豆をまくんですか?」と参加者から質問。「豆をまくとカラスが見ていて、まいたそばから食べてしまうので苗を植えます。」「昔は豆をまいていたけど、今のカラスはかしこくなったから」という祐子さんの答えに一同「へえ〜」と感心。さらに、
* 昔は枝豆のことを「畦豆(あぜまめ)」と言って大豆は決まって畦に植えていたこと
* 畦に豆を置いて田んぼの泥をかぶせてやると水分がちょうど良かったということ
* 今は畦に植えると豆が実った頃にタヌキが来てかじってしまうこと
など、畑や作物を通じた動物とのかかわりを知りました。
大豆の苗は祐子さんが畑の一画で豆から育てたもので、長さは10㎝くらい。小さい双葉と黄緑の本葉が広がっています。
根を傷つけないように深めに鍬を入れ、少し苗を持ち上げます。根が絡み合ってかたまりになっている苗を、ほぐしながら1本ずつにします。
畝ができたところから苗を植えていくのですが、このとき2本1組にするのが上手に育てるポイントなのだそうです。1本では競争する相手がいないのでそれほど大きくならず、3本では多すぎて栄養が行き届かず、結局2本植えるのが一番いいそうです。一同「なるほど!」「何事も欲張ってはいけないのね」と納得。
1組植えたら、足ひとつ分間隔を空けて次の1組を植えていきます。足運びにも決まりがあって、交互に踏み出して重心を乗せる足で間隔を測り、空いている足は植えた大豆を踏まないように真後ろに置いておきます。
そうした作業の間も、大豆の根が持つ成分を活かして土壌を改良することや、秋に土の具合を見て次の年の作物を決めること、大きい実が実ったり長い期間実り続けたりする作物は畑を疲れさせることなど、祐子さんが栃窪に嫁いでからおじいさんおばあさんに教わったお話を伺いました。