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ミクロネシアとオンライン交流

The First Online Conference connecting Micronesian Island and Japan for Sustainable Future

 2021年2月20日(土)にヤップ島と日本を繋ぐ初のオンライン交流会が開催されました。ヤップ島を含む太平洋の島々からヤップ側が5名、日本から過去のヤップ島プログラム参加者ら8名が参加しました。

 ヤップ側の5人は、ショーン(仕事で訪れているチューク州から)、エン(勤務先のポンペイ州から)、ティナ(滞在先のグアムから)、そしてマルベイとケンがタミル地区からと、ミクロネシア各地からの参加でした。

The first online conference connecting Yap and Japan was held on Saturday, February 20, 2021. Islanders of Yap joined the conference; Sean Gaarad was from Chuuk, Ivan En was from Pohnpei, Tina Filled was from Guam, and Jeff Marbey and Ezekiel Ken from Yap. From Japan side, in total of 8 persons including ex-participants of Yap-Japan Cultural exchange program joined.

 交流会では、経団連自然保護基金の支援によって行われているプロジェクト「タミルの持続可能な将来計画作り」について、現地からの報告と全体でのディスカッションを行いました。

The theme was “How to realize the sustainable society of Tamil municipality, Yap”. In the conference, we had a presentation by Sean and live reports from ocean side of village of Maaq and Merur in Tamil. It was a part of the project called “Sustainable Tamil,” supported by Keidanren Nature Conservation Fund, Japan.

 最初に、参加者同士が自己紹介をした後に、ヤップ島のマ村とメルール村からスマホのカメラによる生中継が行われました。

 ヤップ島には2019年に光ケーブルが陸揚げされ、インターネットが高速化しましたが、島内のネットワークがまだ弱く、画像は途切れ途切れ。しかし、波や風の音が聞こえ、メンズハウスの様子がリアルタイムで映し出されると、日本側の参加者はびっくり。過去参加者の中には20年近いギャップがある人もいましたが、それぞれ懐かしいヤップの景色と風を感じました。

Although Yap now has a submarine fiber optical cable connection since 2019, its local network is still depending on ADSL connection using metal cables. So the connection was unstable, however, viewers from Japan could see the views around their familiar men’s houses with the sound of wind and waves. Participants, some of those joined the program about two decades ago, had very memorable time over the screen.

 次に、プロジェクトの中心メンバーであるショーンより、タミル地区の紹介と、プロジェクトの現状報告がありました。

First, Sean, a core member of the project, introduced the Tamil municipality and reported on the current status of the project.

The cultural characteristics of Tamil are that they respect each other, history and culture are inherited in practical ways such as oral tradition and dances, the community cooperates for a common purpose, and the existence of the family is very important. 

 タミル地区の文化的な特徴は、お互いに尊敬すること、文字がないため口承や踊りなどの実践的な方法で歴史や文化が引き継がれていること、コミュニティが共通の目的のために協力すること、そして家族の存在をとても大切にすることです。

 そんなタミル地区で計画されている「エコツーリズム」は、島を訪れる人にもコミュニティ全体にも意義があり、環境や社会への負荷が少ない持続可能な「観光」のあり方を創造することを目指しています。

In the project, a trial of “ecotourism” was set as one of main goals. Ecotourism aims to create a sustainable tourism that has less impact on the environment and society. In other words, it seeks to benefit both visitors and the community as a whole.

 タミル地区では自分たちの回りに、どのような「宝物」があるのかを見つけるために、村歩きが行われています。ショーン自身も知らなかった地域の歴史や自然環境の特徴などを村の他の人から学ぶ機会になり、多くの発見があったそうです。マ村とメルール村ではホームステイやグループステイの受け入れ態勢を構築中。訪問者に提供する食事についての話し合いも行われるとのことでした。

To begin with the preparation for ecotourism, villagers walked around each village to identify the ‘gems’ which are valuable to themselves and also to the visitors. It was meaningful for villagers to learn some histories and natural characteristics in the area. 

In addition, it was reported that Maaq and Merur village were ready to host both homestay and group-stay visitors. It was also informed that meetings, about what food would be provided to visitors, would be held in coming weeks. 

 最後のディスカッションでは、ショーンから「文化、自然環境、人、宿泊施設、アクティビティ」5つのキーワードのうちどれが一番、人々の関心を引くことができると思いますかと問いかけがあり、それについて日本からの参加者が意見を出し合いました。

There is not something “Always showcased luxury” in Tamil but there is something in the living life that can amaze visitors. For instance, fruits, scenery, local dance and so on. In the final discussion, Sean asked Japanese participants which of the five keywords “culture, natural environment, people, accommodation, activities” would be the most interesting to people. The participants from Japan exchanged their opinions to answer the question.

日本人参加者からは以下のような指摘が出されました。

  • 5つ全ての要素を貫くような体験が良いのではないか。
  • いわゆる「観光客」ではなく、本質的な学びを期待する人たちを対象にしたらどうか。
  • 地元の子供や若者を巻き込むことで、外から来た人たちがヤップの文化をどのように評価しているのかを知る機会になるのではないか。
  • ヤップの人々がどのように関わり合っているのかを知ることが一番インパクトがあり重要ではないか。
  • アクティビティはお金を払ってやるようなものではなくて、星空の下で海に入るなどのヤップにいることを感じることが大事ではないか。
  • どこまでローカルにするかが課題。初めて訪れた人にとっては、トイレやシャワーなどの最低限の設備も必要になるはず。

Feedback from Japanese participants:

  • All of the 5 elements are important. To integrate whole experiences would be important.
  • Target the visitors not like the people who come to Colonia as a ‘tourist’, but those who really want to learn from the locals.
  • It is good to invite local children and youth to the ecotour. It will be a good opportunity even for them to know how foreigners appreciate the local culture and nature they have, and visitors can also see how the cultures and wisdoms are inherited in Yap. 
  • To see how Yapese people are interacting with each other is the most impressive and important. 
  • It is important just to be in Yap, not buying experience. 
  • How much of the depth of the locality the host would provide to the visitors? For those who visit Yap for the first time, basic facilities such as toilets and showers would be needed or not…

 こうしたフィードバックを受けて、ヤップ側からは、たくさんのお礼の言葉と共に、考えを深める機会になった、これから本格的にスタートしていきたいと意気込みが語られました。

 新型コロナウイルスの影響によってエコツアーのトライアルなどは延期されていますが、日本と現地の往来が可能になれば、ヤップ島プログラムの参加者らを対象にしたエコツアーをすかさず実施する計画です。お楽しみに!(記録:猶井咲喜)

Although the project plan had to change due to Covid-19, it was a good opportunity to know the possibilities to connect online and share the information.  (reported by NAOI Saki)

30人余でヒノキ林の整備を実施

2015年7月25日の土曜日、都内の金融機関2社のボランティア33人のみなさんが、茨城県・阿見町での森林整備活動を実施しました。エコプラスは阿見町で07年以来、農業や林業の体験活動を支援しています。
7月25日、33人の参加者は東京駅近くに集合し、午前10時半にバスで阿見町君島地区に到着。身支度を整えて、11時過ぎから森林整備に着手しました。

対象となった森は、22年前にヒノキの苗を植えた場所。左右11列、奥行き30列近くに、高さ5m前後のヒノキが整然と並んでいます。

いずれは材木にと植えられたヒノキでしたが、親世代から引き継いだのは女性1人だけのお宅。ほとんど手入れが出来ずに、枝がびっしりと生え、そこにクズがからみついて一部はクズのツルが木全体を覆う状態となっていました。

ボランティアたちは、7人1組になって、地元のみなさんの指導のもとで、枝を払い、切った枝を引き出して森の外に積み上げる作業を続けました。

初めての枝打ち。インド出身の参加者もすぐに慣れて、みんなで300本以上の木をきれいにしました。
初めての枝打ち。インド出身の参加者もすぐに慣れて、みんなで300本以上の木をきれいにしました。

気温35度前後。猛烈な暑さと湿気で、みんな汗びっしょり。枝を切る時には木の上からヒノキの枯れ葉などが落ちてきて、ほこりまみれになります。

昼食をはさんで午後2時半ごろまで作業をし、ヒノキの林は高さ2m前後までがずっと先まで見通せる状態になりました。

現場を訪ねた地主の女性は、「私一人でどうしようもなくて手を付けられずにいました。本当に助かりました」と話していました。

作業終了間際。林の下は向こうまで見通せるようになりました。
作業終了間際。林の下は向こうまで見通せるようになりました。

参加者したみなさんからは「日ごろはずっと机に座っているだけなので、汗をかいての活動は面白い」「林の向こう側まで見通せるようになって、気持ちが良かった」などと話していました。

首都圏への農産物の供給源である阿見町でも、農林業の後継者は減っています。手入れがされていない森や竹林、耕作されないまま雑草に埋もれている農地などが数多くあります。

こうした土地を都市部の人たちが汗を流し心身をリフレッシュする場として活用することで、地域と人々の持続可能性へとつながるとエコプラスは期待しています。

特別ゲストの横顔

欧州全体のESDに明るく、スコットランド自治政府が推し進める持続可能性教育(Education for Sustainability)の枠組みを作成展開するヒギンズ教授ほか、世界各地から、また日本国内からの特別ゲストがそれぞれの視点からの報告をしてくれます。
特別ゲストの紹介です。

 

ピート・ヒギンズさん(エジンバラ大学教育学部教授)
エジンバラ大学の野外・環境教育部門長。スコットランド自治政府は教育から保健、農水産業、エネルギーなど、あらゆる社会活動で持続可能性を軸にした政策を展開中。この中で、幼稚園から大学までのすべての学校を対象に推し進めようとする持続可能性教育(Education for Sustainability, EfS)で、ヒギンズ教授が中心的役割を話している。

イヒ・ヘケさん(ニュージーランド政府への健康・教育アドバイザー)
ニュージーランドの先住民族であるマオリ族の出身。マオリ族のための健康体育指導活動を展開している。オタゴ大学心理学博士。オタゴ大学のほか、ハワイ、中東などで教鞭を取る。少数民族の健康問題への取り組みの必要性を訴え、その地域の、環境に根ざした知恵や伝統的な人々の役割に配慮した学びが必要だと訴えている。

タイで放送番組を持ちながら大学で教えるサラトーンさん。日本で博士号取得。
タイで放送番組を持ちながら大学で教えるサラトーンさん。日本で博士号取得。

ジェサダ・サラトーンさん(チェラロンコン大学講師)
大学でコミュニケーションを教えると同時に、テレビやラジオのホストを務める。持続可能な開発のための教育(ESD)に深く関わり、タイの新聞におけるESD研究で、早稲田大学アジア太平洋研究科で博士号取得。若者を巻き込んだESDイベントにも関わる。

過疎の町、岩手県葛巻町で、自然エネルギーと人が帰ってくる町づくりを発信する鈴木町長
過疎の町、岩手県葛巻町で、自然エネルギーと人が帰ってくる町づくりを発信する鈴木町長

 

 

鈴木重男さん(岩手県葛巻町長)
過疎地の葛巻町で、風力や太陽光、バイオエネルギーなどを使った新エネルギー開発と、都会の人を受け入れるU・Iターン活動を推進。来年度からは地元の葛巻高校を舞台にした、全国でも珍しい高校生の山村留学を始める。人口7,000人の酪農の町からの情報発信に力を入れる。

(終了しました)プレフォーラム「ESDと場の教育」

エジンバラ大学教授ピート・ヒギンズの参加を得て、スコットランドでの持続可能性に向けた教育面での取り組み事例の紹介を受け、国内の研究者実践者とともに、地域と学びについての議論を交わします。

 

2014年11月13日に、東京・早稲田医学で、英国エジンバラ大学教授をゲストに、持続可能な社会づくりに向けた教育についてのフォーラムを開催します。
英語での開催になります。興味ある研究者、学生、実践者のみなさんの参加をお待ちしています。

ピート・ヒギンズさん。2011年にも来日、研究者や学生など多くのみなさんと話しあいました。
ピート・ヒギンズさん。2011年にも来日、研究者や学生など多くのみなさんと話しあいました。

趣旨:
名古屋で開かれる国連持続可能な開発のための10年の取りまとめ会議(11月10−12日)にあわせ、来日する海外ゲストも交えて、持続可能な開発のための教育(ESD)と、地域に根ざした学び(Place-Based Education)について意見交換する。英スコットランド政府での持続可能性教育の指導的役割を担うピート・ヒギンズ氏にスコットランドでの取り組みを報告してもらい、同時に国内事例を振り返りながら、持続可能な社会に向けた教育について意見を交換する。

ここでの議論を出発点に、地域と学びについて多面的に議論する国際フォーラムを2016年1月に東京で開催する予定。

日時:2014年11月13日午前9時半から正午
場所:東京都新宿区、早稲田大学22号館1階
早稲田グローバルゲートセミナールーム2
https://goo.gl/maps/OIDFw
使用言語:英語
主な参加者:
ピート・ヒギンズ エジンバラ大学教授
http://www.ed.ac.uk/schools-departments/education/about-us/people/academic-staff?person_id=203&cw_xml=profile.php
安藤聡彦 埼玉大学教授
木俣美樹男 東京学芸大学名誉教授
佐々木豊志 くりこま自然学校教授
高野孝子 早稲田大学教授/エコプラス代表理事

参加:無料

問い合わせ申し込み:
NPO法人エコプラス  info@ecoplus.jp
03-5294-1441 (当日090-3214-7549=大前)

立教大学主催のシンポジウムでTAPPOの活動を紹介

新潟県南魚沼市清水の小野塚彰一さんと阿部和義さんも登場してくれました!

 

壇上で楽しげに話す小野塚さん
壇上で楽しげに話す小野塚さん

3月2日、立教大学主催の「自然学校は地域を救う」~ESD(地域を元気にする)拠点として期待される自然学校~に、パネリストとしてエコプラス代表の高野と清水地区活性化委員の小野塚彰一さんが参加しました。

日本各地の自然学校と地域が、持続可能な社会作りに向けてどのような協働を行っているのか実例を紹介し、自然学校のこれからの役割を考える会でした。

環境教育、エコツーリズムの専門家の方々から、様々な質問がでました。
環境教育、エコツーリズムの専門家の方々から、様々な質問がでました。

5つの団体の4番目にTAPPOが登場し、高野と小野塚さんが掛け合いをしながら清水、栃窪での活動を紹介しました。TAPPOとの協働について、小野塚さんは、「どこまでやれば地域活性化が成功なのか正直よくわからない。でも、TAPPOの関わりによって、集落が確実に変わってきている。外から来てくれる人たちにエネルギーをもらっている」と率直な地域の思いを語ってくれました。他の自然学校の方たちとのいい交流の機会にもなりました。

地球市民アワードプログラムの研修会を行いました。

これから、各地で子どもたちの活動が始まりそうです。

研修会の様子
研修会の様子

7月6日(日)13:00-17:00、オリンピックセンターで研修会を行いました。

高野から、プログラムの概念、持続可能な社会作りの教育のコンセプト、体験活動やふりかえりの大切さの説明の後、実際にどう活動ができるか、参加者のみなさんから意見を出してもらいました。

地球市民アワードプログラムの概念を説明する高野孝子
地球市民アワードプログラムの概念を説明する高野孝子

「近所や親戚の子どもと始めてみたい」、「体験の大切さを改めて感じた」、「可能性が広いと感じた」などの感想が参加者から寄せられました。