「料理」タグアーカイブ

「田んぼのイロハ」第5回、「畑と料理」第4回 2日目

今年度の休日農業講座をしめくくる、栃窪集落の収穫祭が行われました。
11月2日(日)、2008年度の収穫祭が栃窪集落センターで行われました。収穫祭は栃窪区ととちくぼパノラマ農産の主催。地域のみなさんがこの秋収穫した野菜などを持ちより、手作りのごちそうで収穫を祝いました。集落の子どもからお年寄りまで30名あまりが集まり、TAPPOのプログラム参加者14名も、料理作りやもちつきなど準備段階から加わりました。

 3人で手返しなしでもちをつきました。
3人で手返しなしでもちをつきました。

朝9時、すでに集ってきていた集落のおかあさん方と準備開始。味付けの仕方やコツなどを教わりながら、一緒に料理しました。漬け物や手作り豆腐、おからの差し入れもあり、男性陣が集落センター前に用意したテーブルはごちそうでうめつくされました。
11時頃にはもち米も蒸し上がり、もちつきが始まりました。前日からプログラムに参加しているノルウェースポーツ体育大学のベェルゲ・ダーレさんも挑戦しました。さすがは体育の先生で、すぐに集落のおとうさんと息の合ったもちつきをしていました。おかあさん方はつき上がったもちを手際よく一口大にちぎって皿にのせ、集まった人に配りました。

 手作りのごちそうがいっぱい並びました。
手作りのごちそうがいっぱい並びました。

暖かな太陽の光を浴び、紅葉が盛りの山並みを見ながら、50人を超す人々が飲んだり食べたり話したり。お年寄りが演歌を披露する場面もありました。
14時からのふりかえりでは「地元の人の話が楽しかった。集落内の雰囲気の良さや伝統の良さを肌で感じた」などの感想が聞かれました。

山の上のかあちゃんの台所に暮らしの知恵満載!

畑で収穫→料理→昼食→料理→試食、と作って食べての1日でした。料理をしながら、レシピや食材の保存方法なども教わりました。
今年度から始まった休日農業講座「山の上のかあちゃんの畑と料理」最後の講座が、11月1日ー2日に、南魚沼市栃窪集落で行われました。
プログラムには、首都圏からの会社員、3回目となる親子連れ、北海道の大学生の他に、ノルウェーから来日中のベェルゲ・ダーレさんとウンネさんご夫妻が参加し、11名で行いました。

10時に栃窪集落センターに集合し、顔合わせをした後、すぐに大根を収穫しに畑に向かいました。朝まで雨が降ったりやんだりしていたので、全員雨ガッパを来て行きました。

 4歳の男の子。教えてもらったとおりに大根を引っこ抜くために、葉っぱをまとめてつかもうとがんばっています。
4歳の男の子。教えてもらったとおりに大根を引っこ抜くために、葉っぱをまとめてつかもうとがんばっています。

前回大根の種をまいた参加者は、畑に着き立派に成長した大根の姿を見て歓声を上げました。まず講師の桑原祐子さんから大根のぬき方を教わり、それに続いて参加者も次々にぬいていきました。7月12日の講座で畑を見せてもらった際にうっかり大根をぬいてしまった4歳の男の子は、今度こそ堂々と大根を引っこぬけるということで気合い充分。葉先からぶら下げると身長ほどもある大根を、一生懸命収穫していました。
大根の他にも、昼食用に中国野菜のタア菜と人参を収穫させてもらいました。あまりにもおいしそうなのでその場でタア菜をかじってみた参加者がビックリ!「この葉っぱ甘〜い!!」どれどれ…と、みんなで青虫のようになって葉っぱをかじりました。

集落センターに戻ってすぐに、祐子さんの指示のもと、収穫したばかりの野菜を使い、お惣菜を3品作りました。大根の葉を捨てずに保存しおいしく食べる方法なども教わり、参加者は都会にはない暮らしの知恵に感心していました。
あらかじめ祐子さんが用意してくれた漬け物やけんちん汁、新米と合わせて、今回も旬の野菜がふんだんに使われた栃窪ランチが出来上がりました。

昼食の後は、笹団子とみそ豆を作りました。笹は7月12日の講座で集めたものを祐子さんが保存してくれていました。みそ豆は5月25日の講座で植えた大豆を使う予定でしたが、雨が続いて乾かず、祐子さんの大豆を使わせてもらいました。

 団子を笹で包んで、すげを巻きつけて結ぶ作業です。すっかり無口になってしまう参加者が続出しました。
団子を笹で包んで、すげを巻きつけて結ぶ作業です。すっかり無口になってしまう参加者が続出しました。

笹団子は、うるち米の粉ともち米とヨモギをこねて作った団子にあんこを入れて、笹の葉で包み、「すげ」というい草のひもで巻きます。この巻きつけ方は独特で、覚えるまでが難しく、何度も聞き直してやっていました。包み終わった団子は蒸し器で15分蒸し、その間にみそ豆を作りました。「鉄火みそ」とも言われる、カリカリに揚げた大豆に甘く味付けしたみそをからめる料理です。今回は時間の都合であらかじめ祐子さんが30分ほどかけて大豆を油で揚げておいてくれたのですぐに出来上がりました。
そうしているうちに蒸し器から笹の葉の清々しい香りが広がり、笹団子のでき上がりを知らせてくれました。さっそくみそ豆といっしょに試食しました。

今回もしょうゆや油などの調味料とすげ以外は、みそからすべての野菜、米やその粉まで、祐子さんの手作りでした。また、ヨモギや笹の葉は栃窪の自然のものでした。
参加者のみなさんは、「暮らしの知恵が活かされている料理が勉強になった」「昔からの知恵は理にかなっていてすごいと思った」などの感想がでました。ベェルゲさんウンネさんは「ノルウェーではカブの葉は捨てている。栃窪では大根の葉を捨てずに料理しているし、笹団子でも植物をいっぱい使っている」と、文化の違いについて話していました。

降りそうだった雨も降らず、無事に全4回の講座を終えることができました。

休日農業講座「山の上のかあちゃんの畑と料理」最初の講座が行われました。

新潟県南魚沼市栃窪集落で、今年度から始まる休日農業講座「山の上のかあちゃんの畑と料理」の1限目が行われました。
2008年6月15日(日)、「TAPPO南魚沼やまとくらしの学校」がある新潟県南魚沼市栃窪集落で、今年度から始まる休日農業講座「山の上のかあちゃんの畑と料理」の1限目が行われました。
南魚沼市内にお住まいでも嫁いでからずっと畑仕事をしたことがないという女性、「田んぼのイロハ」に昨年度から家族で参加してくださっている親子、シンガポールで中学校の先生をしている女性(オブザーバー)…以上の4名と、同じ「山の上のかあちゃん」でも畑をしたことがないというかあちゃんも1人加わってのスタートです。
10時に集落センターで開講式をして、山の上のかあちゃんこと桑原祐子さんの畑へ移動。気持ちの良い青空の下清々しい風がふき抜ける素晴らしい天気の中、鍬で畝を作り、大豆の苗を植えました。
昼食では、栃窪で穫れた食材がふんだんに使われた祐子さん手作りのごちそうをいただきました。
午後からは集落散策を兼ねて、毎月TAPPOが集落のみなさんと行っている生態系調査「とちくぼ生き物プロジェクト」にも約2時間参加しました。
その後おみやげを手渡したり次回の連絡をしたりした後、参加者から
「本当の贅沢だと思った」
「いつもは買って食べているけれど、今日は大地を耕して、店では売られていない手作りのものをいただくことができた。」
「鍬を使うのは難しくて、自分は何をしているかわからなかった(笑)」
などの感想が聞かれました。
そして16時に解散となりました。

次回は7月12日(土)10時からです。笹団子に使う笹の葉を採ります(11月1日ー2日の最終回ではこの笹を使って笹団子を作ります)。旬の地元食材を使った大好評「栃窪ランチ」もお楽しみに。
宿泊が可能な方は、翌日催される集落の夏祭り(集落のみなさんが鎮守様を担いで集落を練り歩く、というものです)を見ることもできます。*プログラムには含まれません。
みなさんのご参加をお待ちしています。
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=8&aid=534

開講式〜畑と動物のちょっと面白い話〜

開講式ではそれぞれ自己紹介をし、続いて「山の上のかあちゃん」こと桑原祐子さんより、あいさつとこれからのスケジュール発表、畑やそこにやって来る動物についてのお話がありました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 開講式ではまず参加者が自己紹介をし、続いて講師を務めて下さる「山の上のかあちゃん」こと桑原祐子さんより、あいさつとこれからのスケジュール発表がありました。祐子さんは実は東京から栃窪に嫁いで来られ、畑のことはおじいさんおばあさんに教わってできるようになったそうです。今では5カ所も畑を使っていて、今回はそのうちの1カ所に大豆を植えさせてもらいました。
「大豆を植える」と聞いて、「“大豆を植える”というのは、豆をまくんですか?」と参加者から質問。「豆をまくとカラスが見ていて、まいたそばから食べてしまうので苗を植えます。」「昔は豆をまいていたけど、今のカラスはかしこくなったから」という祐子さんの答えに一同「へえ〜」と感心。さらに、

* 昔は枝豆のことを「畦豆(あぜまめ)」と言って大豆は決まって畦に植えていたこと
* 畦に豆を置いて田んぼの泥をかぶせてやると水分がちょうど良かったということ
* 今は畦に植えると豆が実った頃にタヌキが来てかじってしまうこと

など、畑や作物を通じた動物とのかかわりを知りました。

「山の上のかあちゃん」の畑へ

 

 祐子さんの畑へ続く小道。物語の場面のような風景です。
祐子さんの畑へ続く小道。物語の場面のような風景です。

開講式が終わるとすぐに祐子さんの畑へ移動。集落センターから車で2〜3分下った、シャトースキー場駐車場の少し上辺り、栃窪側の道路脇に小道があります。
祐子さんの後に続き、桑の木のトンネルをくぐり、傾斜のあるその小道を3分くらい登って行くと、2段にわかれて祐子さんの畑がありました。斜面に向かって右側はスキー場で、リフトの鉄柱も見えます。面積は全部で約1反。見晴らし抜群!南魚沼を一望に収めることができます。

 畝作りと大豆の苗を植えている様子です。見晴らし最高!
畝作りと大豆の苗を植えている様子です。見晴らし最高!

まずは分担して畝づくりと大豆の苗の移植をしました。
畝づくりは、予め祐子さんが作ってくれていた10メートルくらいの畝がすでにあったので、溝の部分の雑草を鍬でけずるようにしていくという作業でした。初めて鍬を使った参加者はうまく扱えず苦戦。その横でサクサク畝を作っていく祐子さん、さすが!
できた畝からどんどん苗を植えている間に、気が付くと7本の畝ができていました。

栃窪ランチ

お楽しみの「栃窪ランチ」の時間です。

 ズラリと並ぶ栃窪のごちそう。
ズラリと並ぶ栃窪のごちそう。

お楽しみ「栃窪ランチ」は祐子さん特製ビビンバと他5品。
* ゆでアスパラ
* エリンギとニンニクの芽の味噌炒め
* 小松菜のみそ汁
* カブとカブ菜の浅漬け
* 杏仁豆腐×さきほど収穫したイチゴ

食材だけでも20種類ちかくあるのに、買った食材は3種だけで、あとは全部祐子さんの作った野菜。もちろん味噌も大豆から自家製!昔はどの家も自家製だったそうですが、今では少ないとのこと。
ここでも、使われている食材や味噌について、話題は尽きませんでした。

昼食後は散策を兼ねて「とちくぼ生き物プロジェクト」に参加。約2時間、地元のみなさんと一緒に集落内の豊かな生態系を観察しました。
(詳細は以下でご覧いただけます。)
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=9&aid=568

 祐子さん特製ビビンバ。 *栃窪で穫れたコシヒカリ *モヤシ *ホウレンソウとニンジンとモヤシのナムル *ゼンマイと曲がり竹の炒め物 *肉味噌 *かぐら南蛮の辛味噌
祐子さん特製ビビンバ。
*栃窪で穫れたコシヒカリ
*モヤシ
*ホウレンソウとニンジンとモヤシのナムル
*ゼンマイと曲がり竹の炒め物
*肉味噌
*かぐら南蛮の辛味噌

 

集落センターに戻って次回連絡の後、「かあちゃんみやげ」のフキノトウ味噌、きゃらぶき、ヨモギ餅が配られました。どれも栃窪食材を使った手作りの品です。
和やかにいっぷくをしていると、参加者の1人が改めて感想を話し始めました。
「本当の贅沢だと思った。畑作業でも水を無駄にしない祐子さんの配慮など、ハッとすることがたくさんあった。」
これをきっかけに、それぞれが感想を話しました。
「貴重な体験だった。とてもいい経験になった。いつもは買って食べているけれど、今日は大地を耕して、店では売られていない手作りのものをいただくことができた。」
「鍬を使うのは難しくて、自分は何をしているかわからなかった」
などの声が聞かれました。