「暮らし」タグアーカイブ

無農薬田んぼでの稲刈りをしました

Harvesting Workshop in Organic Rice Paddy

 エコプラスは、2021年9月25、26の両日、新潟県南魚沼市栃窪集落で、休日農業講座「田んぼのイロハ」の稲刈り編を行いました。25日は晴天、26日は雨の中、それぞれ20人前後で無農薬田んぼに見事に育った稲を刈り取り、天日乾燥のためにハザにかけました。

On September 25 and 26 of 2021, ECOPLUS conducted harvesting workshop in an organic rice paddy in Tochikubo Village in Minamiuonuma, the heartland of the famous “Koshihikari-Rice,” in Niigata.

 新型コロナウイルスの対応のため、田んぼへの直行直帰の日帰り実施としました。参加したのは首都圏や新潟県内の高校生から退職者までの23人。全員が2回のワクチン接種済みでした。

Considering the situation of COVID-19, we organized the program as a day program asking participants come to and leave from the paddy directly. All 23 participants were fully vaccinated.

 25日は、透き通るような青空が広がりました。輝くような黄色に染まった田んぼは、刈るのが惜しいくらいの鮮やかさです。参加者は、手足を稲から守るために長袖・長ズボン姿。朝なのに汗が吹き出る暑さです。まずは、地元の笛木晶さんから、鎌の使い方や刈り取った稲をわらで束ねる方法を教わりました。地元で「まるける」と言う作業。これがなかなか難しい。

On Saturday, we had gorgeous view of golden rice paddy under the blue sky. In order to protect skin, we needed to wear long sleeves. The sunshine was so strong. All of us sweated from the beginning. Mr.FUEKI Akira, a local farmer, taught us the important and difficult skill, to bundle the sheaf, called “Meruke,” in this area.

「まるける」講習会。The difficult skill, “Maruke.”

 稲刈りが初めての人が半分以上とあって、刈り取ったつもりが刈り残した茎が残ったり、「まるけ」がうまく行かなかったり。さらに、田んぼの一部がぬかるんで、一度ハマったら前進も後退もできずと、悪戦苦闘。

More than half of participants were totally novice at using a sickle. At the beginning they were struggling to cut the stems clearly and to make “Maruke” in muddy rice paddy.

 しばらくするとみなさん作業に慣れ、自分の世界に没入して作業する人、初対面同士で世間話をしながらマイペースで作業する人と様々に稲と向かい合っていました。稲株の間からは緑鮮やかなカエルたち、すぐ目の前には真っ赤なアキアカネが登場します。さらには絶滅危惧種のシナイモツゴも田んぼに水を引き込む升の中から見つかりました。

However in one hour or so, people acquired the ways. Some were just keep cutting and bundling works and some were doing the work taking neighboring persons joyfully. Fresh green colored frogs were jumping out from the ground. Red dragonflies were coming close to us. From a tiny structure to introduce water to the paddy, small fishes were caught and a local biologist explained those as one of endangered species in Japan, called “Shiny-Motsugo.”

絶滅危惧ⅠAのシナイモツゴ。Red databook listed “Shinai-Motsugo”

 26日は雨になる予報だったので、予定を1時間早めて8時30分より作業開始。最初は、曇り空で吹く風も涼しく、手慣れたこともあり作業はどんどん進みます。昼近くに、雨が降り始めました。残りは3割程度。田んぼはどんどんぬかるみ、寒さを感じるようになってきました。最後は参加者全員で一気に刈り取りを進め、何と午後1時過ぎには、全てを刈り取り、はざにかけるまでの作業を終えました。

On Sunday, weather condition totally changed. We started the work one hour earlier. It was cool and comfortable at the beginning. The work went smoother than the day before. Close to the noon, the rain started. The temperature went down, too. At the end, all of us worked hard to finish. Surprisingly we finished all works from cutting, budding and hanging by shortly after 1 pm.

 参加者の間からは「お米1粒1粒がタネであることを考えると、なんだか本当にありがたい。秋の田んぼが黄金に見えるのは幻ではない。お米たちが命をつなぐクライマックスを迎え、キラキラ輝いていたからだと思う」などという、コメントをいただきました。

“I somehow felt appreciation when I thought each of those grains was a ‘seed’ when I faced to those rice. The shining golden rice field might not be illusion. Rice was shining because they were celebrating the final phase to pass the life to the next generation;” a young participant commented.

 このお米は、10日から2週間、天日乾燥させたあとで、お米となっていきます。この無農薬天日乾燥米のおすそ分け、限られた量ですが受け付けています。

The organic rice will be dried for 10 days to 2 weeks. Then husks will be removed and will be ready to eat. Only limited amount are available for interested persons.

オンラインでの立教大学サービスラーニングを支援

 エコプラスは、2021年2月7日から10日まで新潟県南魚沼市で行われた立教大学のサービスラーニング(RSL)プログラムの支援をさせていただきました。

ECOPLUS supported an online “service learning practicum” of Rikkyo university based in Tokyo, on 7 to 10 February, at Minamiuonuma city, Niigata.

 立教大学の通称「雪掘り実習」は、これまでは3泊4日の実習として行われ、除雪活動などを通じて、雪国の地域社会、そして日本社会の現実を学ぶプログラムです。今回は新型コロナウィルスの感染拡大を受け、すべてがオンラインで行われました。

In past years, the program had been conducted as three nights and four days actual program staying in the snowy village, Tochikubo, learning the reality of current Japanese society through volunteer works like snow shoveling. However, because of Covid-19, the program of this year was totally conducted on-line.

 事前に南魚沼市栃窪集落での「雪掘り」活動や地域住民のインタビュー、栃窪小学校の毎日などを動画素材として準備し、それを見た上で、7日からオンラインでの授業が、14人の受講生を対象に行われました。

Students learned the situation of the village with video materials including footage of snow shoveling on the roof, interferes of the locals and introduction of the elementary school in the village with a total of 12 students from 1 to 6 grade. Then, online interactive session was held.

 栃窪小学校では、子どもたちが一年間の学びを、音楽や踊りや劇を組み合わせた発表を行い、それを大学生たちが視聴して質問を交わす展開となりました。

On 8 Feb., the interactive session with the elementary school was held. Kids presented what they learned during the school year with dance and play, then university and elementary students were communicated over the screen.

 また、地域のみなさんのご自宅に担当の高野孝子・同大客員教授がお邪魔してインタビューするなどして、少子高齢化の集落の実態を知り、また集落で取り組んでいる農業の実際を聞きました。

Also TAKANO Takako, an executive director of ECOPLUS and a visiting professor of Rikkyo university, visited community homes holding her laptop computer for the live interviews to offer the students the reality of the live and farming business in the snowy community.

 すべてオンラインで行わざる得ない展開となりましたが、大学生からは、この4日間の実習を通じて新しいものの見方、考え方を学ぶことが出来ました、などというコメントが寄せられていました。

Despite the hard situation by Covid-19, students looked like deepened understandings about the situation of Japanese society and acquired skills how to investigate current situation of the society and the prospect for the sustainable future.

「生きる」ことを問い直す・・・ヤップ島プログラム2020参加者募集(中止しました)

コンビニとスマホ漬けの日常から離れ、サンゴ礁で囲まれた南の島で、人々と暮らす

 石で出来た大きなお金、石貨(せっか)が今でも使われ、太平洋諸島で最も伝統が色濃く残るとされるヤップ島。その自然と深くつながった現地の暮らしに入れていただき、人と自然、人と人、人と社会のつながりやかかわり方について考え、本当の豊かさを見つめ直すプログラムです。

 ココヤシの殻や薪を使って火をおこし、魚やタロイモ、パンの実を調理する。大きなヤシの葉っぱを編んで作るマットで眠る。風のそよぎと虫の声に包まれた中で、現地の人たちと目と目を合わせて会話する。

 スイッチ一つ、クリック一つでものごとが動く日常とは違った、本物の生き方をしてみます。2019年の報告はこちらから

プログラム概要

【日程】2020年8月15日から26日(2021年2月に延期します
【対象】15~22歳程度の健康な男女。身体の障害、国籍は不問。新しいことに取り組み、自分の可能性にチャレンジする意欲を持つ人。
【参加費】26万円程度(渡航運賃、滞在費など。事前準備、個人装備、空港までの旅費、保険料を除く。特段の事情がある人は年内の分割払いの相談にも応じます)
【定員】:8名程度(5月10日締切、先着順、定員に達し次第締め切り)
【プログラムの流れ】
 ・説明会 2月から5月はじめにかけての随時、エコプラス東京事務所や早稲田大学などで
 ・顔見せ会 5月16日(土)午前10時から正午(予定)
 ・事前キャンプ 6月27日、28日…東京近郊でヤップでの生活をイメージしながらキャンプを行います。
 ・素潜り講習会(希望者と首都圏の潜水プールで)7月後半を予定
 ・ヤップ島へ出発!
 ・報告書の作成(9月)と報告会(11月頃)

【申し込み、問い合わせ】
 特定非営利活動法人ECOPLUS info@ecoclub.org
 03-5294-1441  03-5294-1442(fax)
 以下のフォームから連絡を下さい。これまでの報告書などをお送りします。保護者の方からの連絡も遠慮なくこちらからどうぞ。

稲刈りは10月12-13日ー田んぼのイロハ2019

南魚沼で見つける「幸せ」の根っこ

 エコプラスが展開する休日農業講座「田んぼのイロハ」を2019年も開催します。田植えから草取り、草刈り、そして収穫へと続く一連の流れを体験します。いずれも大人気。お早めにお申し込みください。

  • さわやかな空気の中での稲刈り
  • 稲の束ね方を教わる
  • 遠くの山々もくっきり見える中での稲刈り
  • 草取り
  • 田んぼの中でみんなで草取り
  • こんなに小さかった苗

 田植え機などいくつもの機械を使い、農薬など化学物質に依存する「現代農業」は、わずか数十年の歴史しかありません。どうやって人々は何百年も、何千年も命と暮らしを積み重ねてきたのか。現代が直面する「持続可能な社会」への足取りは、どこにあるのか。コメと向き合う中で、現地のみなさんとともに考えます。

  • 田植え編 5月25-26日(土日)
  • 草取り編 6月8-9日(土日、すで満員となりました)
  • 稲刈り編 10月12-13日(土日=1週間遅く変更しました)
  • 収穫祭  11月3-4日(日祝)

 いずれも1日目の昼過ぎに現地集合、2日目の夕方3時頃現地解散です。実地作業、座学、集落の自然や生活を知る散策、集落のみなさんとの懇親会などを予定しています。

【参加費】10,000円(プログラム費、2日目昼食、保険料)学生半額、エコプラス会員2割引。小学生以下の子どもは保険料、昼食の実費のみ。栃窪の集落営農組織「パノラマ農産」の棚田オーナーは、参加費実費のみ。
【場所】新潟県南魚沼市栃窪集落
 集合・解散時間に合わせて最寄りのJR上越線塩沢駅まで送迎いたします。
【宿泊】地元の温泉民宿 7,500 円(1泊2食、温泉付き、男女別相部屋)
【特典】秋に収穫したコメをおひとり2kg贈呈。

<<田んぼのイロハへの申し込み書>>

性別(宿泊する民宿では、男女別の相部屋となります)(必須)

仲良く2泊3日の雪国暮らしを楽しみました

 子ども雪国暮らし体験プログラムが、2019年1月12日から14日までの2泊3日で、新潟県南魚沼市清水集落で行われました。首都圏と沖縄から参加した小学校3-4年生6人、それを応援する大学生や社会人4人が、2mを越す雪の中で活動しました。

 例年ならば雪雲に覆われ続ける1月ですが、この週末だけは珍しく穏やかな天候が続き、青空が広がりまぶしい太陽の光が満ちあふれる絶好のコンディション。集落のご好意で集会所を拠点に使わせていただき、子どもたちは周囲の雪の斜面を使って、ソリ遊びからかまくらづくりなどに夢中になりました。

 沖縄からの子どもは無論、首都圏からの子どもたちもほとんどがこんな雪は初めて。到着するやいないや、大きな荷物を持ったまま雪に触って大喜び。持参したお弁当での昼食もそこそこに、雪の中に飛び出していきました。

雪の斜面に穴を掘ったり、ソリのコースを作ったり、自由に雪遊び。

 前の週にたっぷりと降り積もった雪はふかふかで、子どもたちは時にはひざまで雪に埋もれながら、お気に入りの場所まで前進。プラスチックのシャベルを使ってかまくらを掘ろうとしたり、ソリを使って斜面を滑り降りたり、大きな雪だるまを作ろうとしたり。子どもたちは自由に仲間を見つけ、隣が気になったらそちらのプロジェクトに移動して、雪をたっぷりと楽しみました。

用意された野菜は、多くが地元産。無農薬の魚沼コシヒカリも登場しました。

 滞在中は、すべて自分たちで自炊。1日目はクリームシチュー、2日目は豚汁の夕食という本格的な調理にも挑戦しました。ハクサイやニンジン、鳥や豚の肉を包丁で切り、鍋に投入する順番を相談し、調味料の分量もみんなで話し合って、味見を繰り返して、見事な夕食が出来ました。

 かんじきをはいての森の中のハイキングでは、動物の足跡があちこちについているのも見つけました。太い両足の跡が特徴的なウサギ、まっすぐにあるいているテンやリス。その雪の中を、どんどんと歩いて、雪山の途中まで進みました。向かいの斜面にいた小さな黒い点は、双眼鏡などで見ると大きな動物。「クマだ!」と大騒ぎになりました。茶色い動物は、ニホンカモシカ。短い角が付いた頭を動かしながら、雪の中から出ている木の葉っぱを一生懸命食べている姿を見ることができました。

 プログラムが始まる時に、子どもたちが相談して決めた約束は、「けんかをしない」「仲良く遊ぶ」など7項目。「地元の人にあいさつをする」という約束もありました。このためか、50m以上先の屋根の上で除雪している人に向かって、「こん、にち、わー。がんばってーくださーい」という大きなあいさつをすることも。通りかかったおばあさん2人にも雪合戦を中断して、「こんにちわー」。「雪、面白いかねー」と話しかけられて、「はーい」と元気に返事をしていました。

 雪を徹底的に楽しんだ3日間はあっという間に終わり。帰るときには、「次はもっと山の高いところまで登りたい」「もっといろんな動物を見たい」などというコメントを残してくれました。

 雪のプログラム、次は3月の雪ざんまいキャンプです。

ヤップ島プログラムの報告会が開かれました Reporting Session of Yap 2018 was held in Tokyo

ヤップにいた時の姿になって報告する参加者。Students wore clothes which they used in Yap.
 2018年12月1日土曜日の午後2時から、東京都千代田区の神田橋区民会館で、ヤップ島プログラム2018の報告会が開かれました。
 プログラムに参加した9人のうち、海外遠征や学業などで都合がつかなかった2人を除く7人が、家族や友人ら約30人を前に、体験を語りました。

On December 1, at a community center in Chiyoda, Tokyo, the reporting session of Yap-Japan cultural exchange program was held. Among nine participants of the program, excluding two who are in an expedition in Costa-Rica and in busy study before exams, seven university and high school students were gathered in front of family members and friend, in total of close to 30.

During the session, the word, “Love”, was repeatedly mentioned. “I was strongly held by armes when I was slipped over the floor”, “The family made me local medicine when I got sick at home-stay period”, and other stories were told. In Japan, those students are surrounded by smart phones and convenience stores. For such spoiled life, direct communications seeing each other in Yap was so impressive.

スライドを使って現地の様子を報告、Showing slides, each participants told their deep experiences in Yap.
 一人ひとりがそれぞれの感想を語る場面では、「愛」という言葉が繰り返されました。
 滑って転んだ時に、大丈夫かと心配されてぎゅっと抱きしめられた、雨の中で作業中に大きな声で歌が始まった、ホームステイ先で体調を崩した時に地元の薬草を煎じてくれた、など現地のみなさんの力強い思いやりに、強く心を打たれたようでした。
 日ごろは、スマホとコンビニにくっついて、画面越しのコミュニケーションに追われている若者たちが、目を見つめあっての意思疎通に、強く感動したようでした。

 参加した大学生高校生たちが、生き生きとヤップ島での思い出を語る姿に、家族たちからは「本当に、楽しかったみたいです」「いい仲間が出来たみたいで」と話していました。

おしゃべりは事務所に戻っても続きました。Chatting was continued until mid night at the office of ECOPLUS
 遠く高知県や大阪府から駆けつけた参加者もいて、報告会の後は、二次会、三次会、終電である一人のアパートに戻って、さらに話が続き、翌日は一緒にディズニーランドと、離れがたい時間だったようです。

 ヤップ島プログラムは、終わってからが味が出てくる、ということに気付き始めたみなさんでした。
Family members told that “I believe surely that they had very significant experiences in Yap”, or “He had so exciting days, I am feeling” after hearing their presentations.

Some participants came from far away, like Kochi or Osaka. They kept talking just before the final train and the day after, many of those spent fun time at Tokyo Disney Land together. They did not want to be separated again. They look like understanding that the real program would begin after the whole activities in Yap.

We really appreciate strong support of people in Dechmur village and Yap island.

Day 1) Students from Yap arrived at Tokyo ヤップからの中高生が来日

Students arrived to Narita International airport. 成田空港に到着したヤップの若者たち
Seven students and two chaperons fro Yap island, Micronesia, have arrived at Tokyo in the morning of Sunday, 11 March and were greeted by Japanese young volunteers. The students will stay in Japan for 10 days to learn about environment, like garbage and waste water issues in Tokyo and in rural area.

The study tour was organized by ECOPLUS, a non-profit organization based in Japan, with the support of Keidanren Nature Conservation Fund, United Airlines, Patagonia Japan and other organizations and citizens.

They departed Yap in the very early morning of the day and changed the plane in Guam. When they reached to the Tokyo international airport, 14 young Japanese were waiting for them. The temperature in Tokyo was like 10 C or 50 F. Many of students were saying it was a bit cold. They were given warm jackets and ride on the bus to the Tokyo Central Youth Hostel.

Walking around the hostel with Japanese students.
After checking in to the youth hostel, they took a walk around the area to observe the difference and similarities between Japan and Yap.

Professor NAKANO Kazunori of Nihon University joined them at 3:30 pm and gave then a hands-on lecture how to manage the quality of waste water from houses. They got sample water from the river next to the hostel and did experiments to filter those water through gravels, sand, and charcoal.

It was quite dense and long day for Yapese students but they were still so excited.

Students from Yap in the bus to Tokyo with Japanese friends. 成田空港からバスで都心に向かうヤップと日本の若者たち
 ミクロネシア連邦ヤップ島からの中高生7人と2人の保護者が、2018年3月11日午前、成田空港に到着しました。一行は、日本の若者たちと一緒に、これから10日間、日本でのゴミや生活排水などの環境問題を学ぶ予定です。

 今回の来日は、長年ヤップ島で体験プログラムを展開してきたエコプラスが、現地の集落や高校からの推薦を受けた中高生を招いて実施します。日本経団連自然保護基金や、ユナイテッド航空、パタゴニアなど諸団体と多くの市民の支援で実現しました。

 ヤップ島を11日未明に出発した一行は、グアム島で飛行機を乗り換え、午前9時半すぎ成田空港に到着。同10時すぎに到着ロビーに姿を見せました。14人の日本の若者が出迎え、一緒にバスに乗って東京都心に向かいました。気温は10度前後。口々にちょっと寒いと話していました。

Experiment to filter the water.
 飯田橋にあるユースホステルに到着した後は、日本の学生たちと一緒に付近を散策して、日本とヤップの違いを探しました。午後3時からは、日本大学の中野和典教授に来ていただいて、排水処理の講座。実際に、近くを流れる川から水を汲んで、石ころや砂、炭などを通して、どのようにろ過がされるのかなどの実験をしました。

 前夜からほとんど寝ずの長い、そして忙しい一日でしたが、ヤップの若者たちは、まだまだ興奮しているようでした。

さわやかな山里で夏のキッズキャンプ!8月8−10日

山からの冷たい水の中で大はしゃぎ
 エコプラス恒例の夏のキャンプを、新潟県南魚沼市清水集落を舞台に開催します。標高600m、涼しい風が吹き渡る山里を舞台に、野外での暮らしを組み立て、自然にふれあい、満天の星空に出会います。

【趣旨】シンプルな暮らしと自然の中での活動を通して、自然と近づく。仲間と協力する。自ら考えて工夫し行動する経験を積む。
【日時】8月8日(火)から10日(木)の2泊3日
【場所】新潟県南魚沼市清水地区
【集合】(現地)8日午前11時半予定、(東京駅)午前8時半
【解散】(現地)10日午後3時予定  (東京駅)午後5時すぎ
  東京駅と現地の間はボランティアスタッフが同行します。
【参加費】1万8千円(1日目の夕食から6食、プログラム費、保険などを含む。現地までの交通費は別途)
【対象】小学5年生から中学生まで
【指導】エコプラス代表理事高野孝子(凍結した北極海横断、アマゾン川下りなど世界各地の自然の中で活動。早稲田大学教授)
【内容】テントまたはタープ下での寝袋泊、野外調理。自然ゲーム、沢歩き、アートづくり、星空散歩

申し込み

以下の項目を記入して、送信して下さい。事務局から折り返し健康調査票などを送らせていただきます。

緑鮮やかな山々を望みながら、田植えを楽しみました

雪が残る山々を見渡す棚田で、田植えをする。

 休日農業講座「田んぼのイロハ」の田植え編が、2017年5月20−21日の週末、新潟県南魚沼市栃窪集落で、首都圏からの学生や親子連れなど21人が参加して開かれました。夏を思わせる日差しの中、はだしで田んぼに入り、苗を一つづつ植えていきました。集落にはウグイスなどの小鳥たちの声が響き、食卓には採れたての山菜が次々と登場。季節を堪能する週末でした。

 今年の田植えでは、新しい試みをしたいと、集落営農組織「とちくぼパノラマ農産」の笛木晶さんが大きな道具を紹介してくれました。過去10年間の田んぼのイロハでは、6角形の枠を転がして田んぼに印を付けてきたのですが、今年は大きなクマデのような道具が出てきました。横に長い棒に10本のツメが出ています。間隔は1尺1寸(33センチ)。いつもの30センチ間隔より広くなりました。「除草作業が楽になると思うので、やってみようと」と晶さん。

1尺1寸(33センチ)幅の定規。

 応援にかけつけた集落の笛木良一さんが、縦方向に定規で線を引き、エコプラスの大前がもう一本の定規で横方法に線を引くと、33センチ角のマス目が出来。その線の交わる場所に、苗を植えていきました。

 遠くには、巻機山(1967m)や八海山(1778m)が見えます。山頂近くの沢にはまだ多くの雪が残り、ふもとは鮮やかな緑色。棚田が連続するイロハ田んぼ周辺は、タカの仲間のサシバが悠々と舞い、小鳥たちが鳴いています。車などの音もまったくないので、参加者同士も田んぼのあっちとこっちで話を交わしながら、田植えを進めました。

 例年よりわずか1割広げただけですが、1坪(3.3平方m)当たり30株しか植えないこともあって、作業はどんどん進み。休憩をはさんで2時間ほどで、およそ1反4畝(1,400平方m)の田植えを終えました。

木陰での軽トラ食堂。吹き抜ける風がさわやかでした。

 昼食は、田んぼの脇にある木陰で、軽トラで運ばれてきたおにぎり。ネマガリタケや山ウドなどが入った汁、山ウドのきんぴら、ワラビのおひたし、キュウリとニンジンのかす漬けなど、地域ならではの料理も並んで、さわやかな風に吹かれてゆっくりした時間を過ごしました。

 田植えに先立って、20日には集落散策をしたり、稲づくりの座学をしたり、夜には地面に寝転がっての星空観察をしたりと、山里の暮らしを五感で体験しました。散策時には、上杉謙信が関東出兵の際に軍馬とともに行き来した「古道」も探索。林の中の古道の一部には雪が残っていて、その上を歩きながら空を覆う明るい新緑を見上げるというぜいたくな時間を持つこともできました。

スライドショーには JavaScript が必要です。

 参加者の多くは、自然との関係の素晴らしさや農山村の厳しい現状を肌で感じたという感想を多く残してくれました。
大学進学の前の1年を使って、英国から日本にボランティア活動で来ていた若者の一人は、「こうやって日本人は日本の文化を覚える。私は英国に戻ったら英国の農場でボランティアをしてみたい」とコメントしてくれました。

 イロハ田んぼは、無農薬栽培なので、これから稲が生長する8月までの間に、3回は手作業での除草作業が必要です。6月には田んぼのイロハの除草編が実施されます。

しっとりとした新緑の中、雪国の山菜を堪能

 雪がまだ残る新潟県南魚沼市栃窪集落で、2017年5月6日、山菜講座を開きました。首都圏から大学生や社会人9人が参加し、地元のベテランと一緒に小雨模様の中、集落周辺の野山を散策。次々と別の山菜を紹介してもらいながら一部を採取しました。昼食には手作りの地元山菜料理10数皿。山里の暮らしを堪能しました。

 

急な斜面を登りながら、次々に新しい種類の山菜が登場しました。

 この日は、寒冷前線の通過を伴った冷たい天気になり、時折雨がぱらつく展開となりました。
 講師は地元のベテラン笛木健作さん。最初に、毒草を教わりました。「マムシグサ」とも呼ばれるテンナンショウは、鉢植えにした状態で見せてもらいました。ニラと間違うことがあるスイセンは、道端のあちこちに生えていました。「まず、食べられない、危ないものを覚えるように」と健作さん。

様々な色の若い芽で、木々はそれぞれ微妙に違った緑色に包まれていました。
 標高500mの集落の背後は、急な斜面の間に棚田が連なっています。残っている雪のへりには、出て来たばかりの淡い黄色のフキノトウがびっしり。雌花雄花の違いも教わりました。林の中では、トリアシショウマやミツバアケビ。陽当たりのいい斜面にはコゴミ、ヤブカンゾウ、アザミ、オオイタドリ、アサツキ、池の中にはクレソン。次々に初めて聞く名前が出てきて、特に大学生たちはこんなにいっぱい食べれるものがあるなんて、とびっくりしていました。

 今年は雪どけが遅く、地元で珍重されるヤマウドはまだ芽がわずかに地面に出た状態。健作さんは「天候が悪くて残念だね」とつぶやいていましたが、参加者はコゴミなどでいっぱいになったレジ袋をぶら下げて、山歩きを続けました。雪面からは白いもやがわき上がり、ゆっくりと流れていきます。山の斜面は、淡い赤、黄、緑の若葉が萌え始め、所々にはヤマザクラが満開になっています。見事な光景の中で、散策はいつしか2時間にもなっていました。

豪華絢爛な山菜づくしの昼食
 昼食は、笛木くらさん手作りの山菜料理。ウドのきんぴら、ゴマあえ、ウドのハカマの酢漬け、キノメ(ミツバアケビ)の生卵かけ、コゴミのシーチキンきんぴら、フキノトウの酢漬けなど13皿。さらにウド、コゴミ、ウワミズザクラ、フキノトウなどの揚げたての天ぷらが、8回以上、大皿で登場。山菜を味わいつくしました。

 最後に、取ってきた山菜を大テーブルに広げて、毒草が混じっていないか、どれがおいしいか、などを健作さんに話してもらいました。

 参加したみなさんは、「最初はまったく見分けがつかなかったけれど、段々にどれが食べられるものかが見えるようになってきた」「お金を使わずに、こんなにおいしいものが食べられるなんて」「冬の雪は大変だけど、雪があるからおいしいものが食べられるんだなあ」「自分で採って自分で食べる。これが人間らしい暮らしなんだと思った」などと話していました。