1月の国際シンポジウムで基調講演をしていただいたドイツ人建築家のカール・ベンクスさんが、総務省が行う「ふるさとづくり大賞」の総理大臣賞に決まり、2月4日に表彰式が行われました。
カールさんはクリスティーナ夫人とともに、新潟県十日町市の山里に暮らしながら、日本の古民家の再生に情熱を注いできました。1月の国際シンポジウムでも、「よみがえる古民家」という発表をしていただいたばかりです。
総理大臣賞ということで、3月にも安倍総理大臣から直接賞状が手渡されるとのこと。地道に、ひたむきに、日本の伝統である木造建築に向き合っていただいたことは、逆にこの血に住むものとして恥ずかしい気持ちもします。
すでに50軒の古民家を再生し、さらに現在5つのプロジェクトが進行中。「100歳まで長生きして100件を再生します」というコメントがいただいたお手紙に書いてありました。
秋の草花を見かけるようになりました。
標高500メートルの栃窪集落でも、連日30度を超える暑さが続いています。
暑いことは暑いのですが、夕方に近づくと、セミの鳴き声がコオロギなどの虫の音に変わり、気温も下がり始めます。夜になるとスズムシも鳴いています。道路沿いでは、ススキやハギ、黄緑色のいがぐりをつけたクリの木などを見かけるようになりました。
集落内のところどころで見かけるナシの木には、たくさんの実がなっています。今年は特に実が多いようです。
お年寄りの話では、昔はどの家にもナシの木があって、子どもたちは実がなるのを楽しみにしたそうです。それが今の時期のおやつだったのですね。子どもたちはどの家のナシが甘い、という情報を共有していて、甘い実がなる木はみんなにねらわれた、とのことです。
ごま和えや天ぷらなど、春の味覚として知名度の高い「ウド」ですが、春先に難を逃れたウドたちは今、白い小さな花を咲かせています。
栃窪では山まで採りに行かなくてもいいように、田んぼの大きなあぜや庭に移植している場合が多く、集落内のそこここでウドの花が見られます。
8月中旬くらいから見られるようになり、後から後から咲いています。
ちなみに慣用句で「ウドの大木」と言うだけあって、大きいものは2メートル近くにもなっていますが、実際は「木」ではなくクキです。
趣のある庭や、手入れの行き届いた公園などにある藤棚も素敵ですが…
今の時期、山の様々な木に寄生して見事に咲き誇る藤の花。特に杉の木に寄生している場合が多いようです(スキなんでしょうか)。そうなるともうその木は立派な「藤の木」に見えてしまいます。寄生される木にとってはいい迷惑なのでしょうね。
7月28日(土)港区立エコプラザで、港区の家具職人の方々を講師に、親子向けの木工塾が開催されました。
毎年行っているリサイクル木工塾は今年も盛り上がりました。
港区に事務所を持つ工藤木工所の講師の方々3人に指導してもらい、11組の親子(子どもは小学校3年生から6年生)が小物づくりに挑戦しました。
作るものは小物入れ、貯金箱、小さな棚の3種類から子どもたちが作りたいものを選びました。
今年の素材は合板ではなく、あきる野市の森で出た間伐材。講座のはじめに、講師の工藤さんが、間伐とは何か、どうやって材木に仕上げていくのか丁寧に説明してくれました。ほとんどの子どもたちは、「リサイクル」よりも「物づくり」に興味を持って、今回参加をしたようでしたが、場合によっては捨ててしまう間伐材の活用について、すこしは関心を持ってくれたようです。
作業が開始すると、エコプラザ中にトンカントンカン金づちの音でいっぱいになりました。ほとんどの子どもたちは、なれない釘打ちにとまどいつつも、集中して取り組みました。じょじょに慣れて来て、親には手を出させずにすべて自分で作りあげる子どももいました。
あちこちで呼ばれて講師のみなさんは大忙し。打ち間違えたり、曲がったりで調整をしてもらいながら、2時間後には全員、完成させました。
最後は前に出て自分の作品を紹介し、終了。みんなできあがったばかりの大事にかかえて帰っていきました。
子どもたちに書いてもらったアンケートには、「電動ドリルを使ったことや、自分で組み立てたことが面白かった」というコメントや「リサイクルには色々な種類があり木を使うことがリサイクルになるなんて驚きました」というものもありました。
For the sustainable and peaceful future