「棚田」タグアーカイブ

コメ作りの奥の深さを実感ーー「田んぼのイロハ」のフルプログラム復活

Understood the detailed process of rice growing through 2-day workshop, the first time since the beginning of the pandemic.

 エコプラスは、5月21日~22日の週末、新潟県南魚沼市栃窪集落で、休日農業講座「田んぼのイロハ」の田植え編を行いました。新型コロナウイルスのため中止していた1泊2日の企画が3年ぶりに復活しました。小学生からシルバー層までの約30人が、地域を散策し、無農薬田んぼでの田植え作業を体験しました。

ECOPLUS conducted the rice planting workshop on the weekend of May 21-22 in Tochikubo village in Minami-Uonuma, Niigata. The workshop had been shrunk as one day trip because of the COVID-19 and this was the first time to organize as the full-program since 2019. For the rice planting workshop, from elementary school kids to retired person, in total of around 30 were joined.

 初日の土曜日は、今回の宿泊地となったホテル・シャトーテル一本杉に集合、自己紹介をしたあと、栃窪集落上の高台、通称「観音様」に移動しました。標高700mの場所から眼下に広がる魚沼盆地を展望。「魚沼コシヒカリ」が栽培される田んぼ群を見渡しました。この高台がある魚沼丘陵は隆起海底で、そこからしみ出るミネラル分がコメをおいしくしていると言われています。

On Saturday, we gathered at the “Chateau Hotel Ipponsugi“ near the village. We moved up to the top of the mountain ridge by cars and observed the view of the Uonuma basin which is the home of the famous “Koshihikari” rice. The mountain area was once a bottom of ancient ocean. According to the locals, the minerals once accumulated in the bottom of the ocean is still seeping out, then provides rich nutrition to the rice.

 付近には、戦国時代に上杉謙信が関東出兵にも使った道が残っており、この「古道」にも立ち寄りました。木々の間を通る幅2mほどの道には、まだ雪がたっぷりと残り、その周辺には山菜類が頭を出していました。

Through the mountain ridge, parts of ancient path since the medieval tome were remained. We strolled along the small part of the path which was still covered by snow. Edible mountain vegetables were also identified in the forest near the path.

座学の黒板

 栃窪集落に下りた後は、地元のベテラン笛木晶さんによる座学。田植えの前に行う、肥料まきや耕うん、代かきの作業、さらには苗を育てる前に行うモミの選別のための塩水を使った「塩水選」など、次々に話題は広がりました。「米作り」の奥深さ、先人の知恵や工夫に今さらながら驚かされました。座学の後には、温室で苗を育てている現場も見せてもらいました。

In the Tochikubo village, Mr. FUEKI Akira gave us a lecture on rice growing focusing on rice planting period. Many works needed before the rice planting, like spreading organic fertilizer, tilling, fine tilling with water, selection of well grown seeds with salt water, making seed bed, and others. Participants were impressed by so many steps with well experienced skills and knowledges were hidden in daily life in rice farming.

 夕食には、地元の山菜をふんだんにつかった料理が並び、テーブルに咲き始めた藤づるや、ヤマウドやウルイといった山菜をアレンジしたデコレーションが並びました。夕食後には、スラウドショー。3mの雪に包まれる冬から燃えるような紅葉に包まれる秋の光景、さらには季節をおった田んぼの様子などを楽しんでもらいました。

At the dinner, local edible vegetable were offered in different dishes. Surprisingly, the long dinner table which was decorated with local vines with purple flower and arrangements of edible vegetables provided the atmosphere close to the nature. The dinner was followed b the slide show of different seasons of the area.

 22日朝は雨。午前8時半に田んぼに着いたころには、雨も収まってきました。笛木さんが用意した苗の状況などを説明。最初に、「六角(ろっかく)」と呼ばれる長さ3mほどの六角形をした木枠を転がして田んぼに筋を付ける作業が行われました。最初にエコプラスの大前が一往復、その後数名が挑戦。真っ直ぐに進むのが意外と難しい。小学生や高校生も加わっての枠転がしに、周囲からそのまま真っ直ぐ、などと応援の声が飛びました。

On Sunday, it was still raining in the breakfast time but when we arrived to the rice paddy, rain was almost stoped. At the begging, we used an hexagon wood frame with 3 miters wide to mark on the soil to identify where the seedlings should be sit. First, OHMAE of ECOPLUS made one round trip, then other participant followed. It was not easy to go straight. Elementary school kids and high school student also tried to roll the frame with the supporting calls.

Surrounded by the beautiful nature, we enjoyed traditional planting works in this non-chemical rice paddy.
ウグイスの鳴き声などに包まれて、無農薬田んぼで伝統の技を体験しました。

 田んぼは、思ったより冷たくなく、土のやわらかさが足に心地よいです。実は、田植え体験には「はだし」が一番。長靴だと大きな足跡で、植えた苗を倒したりしてしまいます。また、同じ田んぼでも、場所によってもぐる深さが違い、そこにある砂や小石も異なることが、足の裏からよく分かります。

Rice paddy was not so cold and we could feel the softness of the soil. In fact, bear feet would be the best to experience the rice planting. Big rubber boots would make big foot prints which might lay down planted seedlings. With bear feet, we could feel the difference of depth of the mud and difference of the quality of the soil.

 青空も見るようになり、田んぼの水が心地よく、田植えはみるみる進みました。予定の2時間前、午前11時半にはこの田んぼの田植えは完了。昼食は、田んぼの脇の木陰にブルーシートを敷いて、地元の民宿に作ってもらったおにぎり、山菜の煮物、根曲がり竹とワラビのみそ汁をいただきました。

Time by time, we had blue sky with beautiful sunshine. Participants accustomed to plant seedlings gradually then, all the rice paddy were filled with young seedling in order by the noon. The lunch was prepared by a local inn; rice balls, cooked mountain vegetables and miso-soup with different mountain vegetables.

 最後は、ホテルに戻って振り返り。今回は、笛木さんの座学を経ての作業だったので、コメ作り全体の流れを理解した上で作業ができた、という声が少なくありませんでした。1泊2日のフルプログラムが実施出来たことで、農山村の自然、伝統など幅広い背景を元に、稲作作業の一部を体験するという深く広い学びの場になったようです。

 次回の「草取り編」は、6月11-12日です。

Coming back the hotel, we had the reflection session. As a full program for two days, we had lecture and other activities in advance of the actual works in the rice paddy. Many participants said, with the enough background understandings, actual rice planting work was more meaningful experience. ECOPLUS also confirmed that the full program could offer deeper learning on rice, history, tradition. and sustainability.

Next workshop is scheduled on the weekend of June 11-12 with the theme of “weeding.”

今年も「草刈りアート」ーー7月22日に南魚沼市栃窪集落で

鎌を使った手刈りで「アート」を制作する早稲田大学の学生たち(17年7月撮影)
 棚田のあぜをアートに変える「棚田草刈りアート日本選手権大会」が、2018年7月22日(日)に、新潟県南魚沼市栃窪地区で開催されます。今年で11年目。エコプラスはこの大会を事務局として支援します。

 標高500m前後の南東向き斜面に500枚以上の棚田が広がる、栃窪地区。斜面が急なため、田んぼの面積以上のあぜが広がると言われます。このあぜの草刈りが夏場の大作業。その「苦行」をアートに変えて、楽しもうと、草刈りアートが始まりました。

 集落内のベテランに加え、県内や首都圏からの参加者が集まるのが特徴。今年も、長岡造形大学や早稲田大学、立教大学の学生のほか、首都圏のビジネスマンやデザイナーの連合チームなどが駆けつけます。

6月初めに行われたキャンバス用の下刈り(18年6月2日撮影)
 集落の中堅で組織する実行委員会では、6月初めに「キャンバス」となるあぜの下刈りをして、同じ高さに草が成長するように準備もしてきています。本番1週間前には、一部の作品の制作も始まります。ぜひ観覧にお越しください。

ーーー第11回棚田草刈りアート日本選手権大会企画案ーーー

【趣旨】
 夏の苦役であるあぜの草刈りをアートに変えて、栃窪集落の素晴らしい景観と内外の人の輪をアピールします。

【日程】2017年7月22日(日)
 午前8時 開会式、正午 制作終了、午後 審査、午後6時 表彰パーティ

【場所】新潟県南魚沼市栃窪地区
【内容】
 エントリーした集落内外の選手たちが、田んぼの畔(縦3m、横20m程度)に、自由に草文字・草絵を、草刈り機やカマを使って作成します。絵でも字でも自由なフリースタイル。
 村で採れた野菜を販売する野菜市も同時開催。
【審査】
 栃窪地区内外の人たちからなる審査員のほか、当日訪れた一般の人々も鑑賞後投票し、入賞作品が決まります。特別審査員に長岡造形大学教授の渡辺誠介さんが参加予定です。
【観覧】無料(ご自由に)

【大会長】栃窪区長 笛木正則
【主催】棚田草刈りアート日本選手権大会実行委員会
【協賛】しおざわ農業協同組合
【協力】金沢屋酒店、銀峰閣、シャトー塩沢、上越国際プレイランド、すし道楽、とちくぼパノラマ農産、ナミデン、ハリカ六日町店(50音順)
【問い合せ窓口】
 事務局:NPO法人エコプラス「TAPPO南魚沼やまとくらしの学校」
 tappo@ecoplus.jp

夏空のもと、第6回棚田草刈りアート大会 開催されました

優勝したチーム街道の作品「鷹とウサギ」
優勝したチーム街道の作品「鷹とウサギ」

新潟県南魚沼市栃窪集落で、7月21日に第6回棚田草刈りアート日本選手権大会が開かれ、第1回大会の覇者「チーム街道」が通算2回目の優勝となりました。

2013年7月21日に第6回目となる棚田草刈りアート日本選手権大会が開催されました。

アーティストとして参加したのは、19組34人。集落内はもちろん、大阪や東京、地元南魚沼市など、今年もたくさんのアーティストが集まりました。

開会式の選手宣誓ではチーム「祥子と千夏」の片桐祥子さんと宮本千夏さんにより、たくさんの笑顔を生むアートを作ることが宣言されました
開会式の選手宣誓ではチーム「祥子と千夏」の片桐祥子さんと宮本千夏さんにより、たくさんの笑顔を生むアートを作ることが宣言されました

開会式後、午前8時半頃から各チーム制作に取り掛かりました。地元代表者6名と長岡造形大 渡辺誠介さんからなる審査員と、一般観覧者のうちすべての作品を見たギャラリー審査員の得点合計で、優勝は地元の「チーム街道」が選ばれました。

チーム街道の笛木幸治さんと娘さんの柚花さんは、鷹が空中からうさぎを狩る瞬間を棚田の畔に表現し、躍動感溢れる作品で優勝勝ち取りました。
チーム街道は第1回大会の優勝チームで、これで通算2回目の優勝となります。

2位になった笛木亨さんの作品「太陽が好きだ」は、晴天を願う気持ちとご自身のお子さんへの愛情が表現された作品です。背景に見える栃窪の山々と相まってとてもスケール感ある作品となりました。

3位になった「まさおー」の笛木政雄さんは、ネコバスならぬブタバスを畔に表現し、繊細な構成とユーモア溢れる作品を作りました。

今大会と同時開催のカフェと野菜市では、集落内外からたくさんのお客さんで賑わい、とちくぼかあちゃんずが腕を奮った特製カレーや新鮮な高原野菜を販売することができました。

今回制作された作品はお盆前後まで鑑賞していただけます。作品が展示されている場所がわかるアートマップもございます。マップの欲しい方はTAPPO事務局 025-782-5103までお願い致します。

雲海

11月21日午前9時半くらいまで、雲海を眺めることができました。

栃窪峠からの眺めです。
栃窪峠からの眺めです。

栃窪の棚田の一画。
栃窪の棚田の一画。

11月21日栃窪集落から一望できる南魚沼市の上空に、雲海が広がりました。
今の時期、2週間に1度くらいの割合で見ることができる現象です。よく晴れて風がなく、気温が下がるときに見られるようです。
7日、「田んぼのイロハ」で田起こしをした際にも見られました。