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(終了しました)田んぼのイロハ「稲刈り」を10月10−11日に行います

緑一色だった田んぼが、一気に明るい色に変わってきました。
緑一色だった田んぼが、一気に明るい色に変わってきました。

休日農業講座「田んぼのイロハ」の稲刈りを、10月10−11日に行います。8月中旬までの猛暑と、その後の一転した低温、さらに9月に入っての秋雨と日照不足。稲にとっても試練の気候でした。それでも稲穂は日に日に黄色く、重たくなっています。

頭を垂れ始めた稲の穂。これからどんどんと実がしっかりしてくるはずです。
頭を垂れ始めた稲の穂。これからどんどんと実がしっかりしてくるはずです。

【趣旨】
完全有機無農薬天日乾燥という、もっとも手間がかかった極上のコシヒカリ。いよいよ刈り取りです。手で刈り、束ね、はざにかける。モミの重さをずっしり感じる作業と、秋の絶景を楽しみます。

【場所】
新潟県南魚沼市栃窪集落
集落開発センター

【日程】
10月10日(土)12時半 現地集落開発センター集合 午後1時開始
11日(日)午後3時解散
車の場合は、関越自動車道塩沢・石打インターから国道17号線経由で約20分。
列車の方には塩沢駅到着にあわせて迎えの車を調整します。末尾に参考列車情報あり。

【内容】1日目、オリエンテーションと今年の稲作についての説明(座学)、集落と周辺の秋の様子の散策。集落のみなさんも交えた懇親会。2日目は、朝から稲刈りとはざかけ。田んぼでの昼食。終了後温泉で汗を流して、ふりかえりをして解散。天候による変更があります。

【定員】15人程度
【費用】参加費:10,000円(プログラム費、2日目昼食、保険料)
※参加された方には収穫したコメを後日おひとり2kg贈呈します
※学生半額、エコプラス会員2割引。
※小学生以下、棚田オーナーのみなさんは保険料、昼食の実費のみいただきます。
※宿泊費(1泊2食、温泉付き)は各自お支払いください。地元の温泉民宿泊は大人7,000円、公民館での寝袋持参泊は3,500円です。

【お申し込み・お問い合せ】
特定非営利活動法人ECOPLUS
TAPPO南魚沼やまとくらしの学校
新潟県南魚沼市栃窪1120
電話:025-782-5103
tappo@ecoplus.jp

(参考列車:往路)
*東京駅8時52分発 MAxたにがわ309号
越後湯沢駅10時23分着 同27分発 上越線普通列車
塩沢駅10時45分着

*東京駅9時28分発 Maxとき313号
越後湯沢駅10時57分着 同11時21分発 上越線普通列車
塩沢駅11時39分着

*上野駅午前6時26分発 JR高崎線普通列車
高崎、水上で乗り換え 10時45分塩沢駅着

(参考列車:帰路)
*塩沢駅15時33分発 上越線普通列車
越後湯沢駅15時50分着 同56分発 Maxとき330号
東京駅17時20分着

*塩沢駅17時31分発 上越線普通列車
水上、高崎で乗り換え 21時35分上野駅着

山菜講座を開催しました

地元の講師から教えてもらいます
地元の講師から教えてもらいます

2015年5月16日、曇り空の下でしたが、毎年恒例の山菜講座を開催しました。

3mもあった雪が消えた新潟県南魚沼市栃窪で、山菜講座を開きました。

首都圏や地元から約20人が集まり、地元のベテランから直接教わりながら集落周辺を散策。
ワラビ、山ウド、シオデ、ツリガネニンジン、トリアシ、ウコギ、タラの芽、コゴミ、ミツバアケビなどを次々に見つけました。

豪華絢爛、山菜尽くしランチ
豪華絢爛、山菜尽くしランチ

お昼は、地元の女性陣による多彩な山菜料理がどっさり。
コゴミのゴマ風味、ゼンマイの煮物、チシマザサの素焼きとみそ汁などの伝統料理から、ウドを入れた春巻き、ミツバアケビの新芽が入ったチャーハンなど、斬新なメニューも出て、みんなお腹いっぱいでした。

今年は雪が多かった後、急速に暖かくなったので、雪が早く消えた場所は初夏に近く、林の中などで雪が残っている場所はまだ早春という、季節が同居している状態。おかげでさまざまな種類の山菜を楽しめる珍しい年となりました。

参加者の一人は、自分が食べられるものを自分で採ってこられるなんてなんて豊かなんだと驚いていました。

(終了しました)雪国の春を楽しむ山菜講座2015

地元のプロから見分け方を教わります
地元のプロから見分け方を教わります

豪雪地南魚沼の5月は、新緑と花々で彩られます。山菜名人の話を聞きながら野山を散策し、昼食には地元の特製「山菜ランチ」。毎回大好評です。

豪雪地南魚沼の5月は、新緑と花々で彩られます。雪が消えた直後に急速に成長する雪国の山菜は、えぐみが少ない最高のごちそうです。山菜名人の話を聞きながら野山を散策し、昼食には地元の特製「山菜ランチ」。毎回大好評です。

お昼は山菜尽くし!
お昼は山菜尽くし!

【日時】2015年5月16日(土)午前10時から午後3時まで
【場所】新潟県南魚沼市栃窪集落(現地集合・解散)

【内容】集落近くの野山を地元の講師の案内で散策し、山菜を採取。処理と調理方法を学びます。地元女性陣の山菜ランチ付き。

【参加費】5,000円(地元食材の昼食、実習費等込み)
*中学生以下の子どもは1,000円(保険料など)

【定員】15名程度(子ども同伴可)
*子ども同行の場合、講座中の子供の安全管理は保護者の方にお願いします。

【宿泊】希望者は地元の温泉民宿に前泊、後泊できます(1泊大人7,000円)。部屋数に限りがありますので、お早めにお問い合わせください。

【申込】下のフォーマットで、エコプラス「TAPPO南魚沼やまとくらしの学校」までお送りください。
025-782-5103 tappo@ecoplus.jp

(終了しました)休日農業講座 田んぼのイロハ2015 受付開始です

春の田植えから
春の田植えから

コシヒカリの本場、新潟県南魚沼市で有機無農薬天日乾燥という伝統的な稲作を通年で学びます。田植えから収穫祭までの全4回。1回ごとの参加も可能です。

命あふれる無農薬田んぼで、自分の手で自分の食べるお米を育ててみませんか?学生、家族連れ、海外からのみなさんなど、どなたでも大歓迎です!

 

【スケジュール】
田植え 5月30日(土)〜31日(日)
田の草取り&あぜの草刈り 6月13日(土)〜14日(日)
稲刈り 10月10日(土)〜11日(日)
収穫祭 10月31日(土)〜11月1日(日)

【内容】1日目の昼過ぎに集合、2日目の夕方3時頃解散です。実地作業に加え、米作りについての座学、集落の自然や生活を知る散策、集落のみなさんとの懇親会などを予定しています。
【場所】新潟県南魚沼市栃窪集落
※集合時間に合わせて最寄りのJR塩沢駅まで送迎いたします。

【定員】15人程度

【費用】参加費:10,000円(プログラム費、2日目昼食、保険料)
※参加された方には秋に収穫したコメをおひとり2kg贈呈します
※学生半額、エコプラス会員2割引。
※小学生以下、棚田オーナーのみなさんは保険料、昼食の実費のみいただきます。
※宿泊費(1泊2食、温泉付き)は各自お支払いください。地元の温泉民宿泊は大人7,000円、公民館での寝袋持参泊は3,500円です。

黄金色の田んぼでの稲刈りまで
黄金色の田んぼでの稲刈りまで

【お申し込み・お問い合せ】
特定非営利活動法人ECOPLUS
TAPPO南魚沼やまとくらしの学校
新潟県南魚沼市栃窪1120
電話:025-782-5103
tappo@ecoplus.jp

(終了しました)清水いきもの復活大作戦・早春の巻(2月28日-3月1日)参加者募集

晴れた朝、雪の上には動物たちのさまざまな跡が残っています。
晴れた朝、雪の上には動物たちのさまざまな跡が残っています。

雪の季節に初めて開催します。雪上の足跡などから生きものの冬の姿を追います。集落の除雪作業も手伝います。

耕作放棄された田んぼに再び水を入れ、かつての生物多様性を復活させて、地域の財産として、地域の活性化、環境学習に活かしていく「大作戦」。雪の中で生きものたちはどう過ごしているのか。春の気配が漂う雪の世界で、自然と暮らしを考えます。

かんじきをはいて、雪に覆われたブナ林を進みます。
かんじきをはいて、雪に覆われたブナ林を進みます。

【日時】2月28日(土)〜3月1日(日)
【場所】新潟県南魚沼市清水地区
【費用】民宿泊 10,800円
(宿泊費・2日目の昼食・保険料・交流会費)
民家での寝袋泊の場合 6,800円
【集合】越後湯沢駅に11時20分(迎えに行きます)か現地に正午集合。
上野発6時26分発の高崎線に乗ると高崎と水上で乗り換えて、10時21分に越後湯沢駅につきます。
帰りは14時46分塩沢発で水上、高崎乗換で18時50分に上野着。片道3,350円です。
【定員】20名程度
【内容】かんじきハイク、植物ごとに異なる冬芽の観察、雪の上の足跡を見るアニマルトラッキング、地域の除雪活動への手伝い、冬の保存食講座など
【対象】自然保護、環境に興味のある方どなたでも
【申込】エコプラス「TAPPO南魚沼やまとくらしの学校」
025-782-5103 tappo@ecoplus.jp

清里ミーティングで「地域に根ざした教育」を議論

環境教育の関係者が集まる清里フォーラムで、エコプラスは「地域に根ざした教育」に関して、発表とワークショップを行い、各地からの関係者と、地域と学びと持続可能性の重要性について意見を交わしました。

 

環境教育の関係者が集まる清里フォーラム(2014年11月15−17日、山梨県)で、エコプラスは「地域に根ざした教育(Place-Based education, PBE)」に関して、発表とワークショップを行い、全国各地からの関係者と、地域と学びと持続可能性の重要性について意見を交わしました。

PBEに関する発表を聞く参加者
PBEに関する発表を聞く参加者

日本の環境教育関係者が30年近くにわたって毎年意見を交換してきた清里フォーラムは、今年も約200人が参加。大学生や20代の若者たちを中心に、80歳近い高齢者までの幅広い関係者が北海道や鹿児島からも集まりました。

エコプラスは、15日夕に開かれた発表の場で、これまで3年間にわたって行ってきた調査・研究活動を約40人に報告。担当してきた水村賢治スタッフが、「学べば学ぶほどに若者は土地から離れていく」というインドの活動家オルデンドゥー・チャタジーさんの言葉などを紹介。人々が暮らしている「生活圏」を一つの地域として、その場と暮らし、人と人との関係性を学ぶ必要があるのではないかと発表しました。

ワークショップでのグループ討論
ワークショップでのグループ討論

16日のワークショップには、若者を中心に約30人が参加し、より深く意見を交換しました。

佐々木豊志・くりこま高原自然学校代表は、「学べば学ぶほどにその地域が好きになる学びが必要」と発言。

これを受けて、一旦は都会に出ても再び地域に戻ってくることが必要。そのためには、屋根とごはんが保障される必要がある。雇用・経済との関係が出てくる。都会の人が地域の人々と学びあう「農都交流」が大切になる、などの意見が活発に出されました。

今回は、「PBE地域に根ざした教育」が刊行された直後だったため、関係者の注目も高く、ほかのワークショップの中でも「地域に根ざす」という言葉が飛び交い、本も20冊以上が販売されました。

会場内でも、エコプラスの関係者を呼び止めてPBEについての疑問や意見が寄せられる貴重な機会となりました。

秋晴れのもと、8カ国の仲間たちと稲刈り

午後2時前。最後に残った稲を前に。
午後2時前。最後に残った稲を前に。

オーストラリアからカナダ、ボスニアなど日本を含めると8カ国の家族、会社員、学生らが、2014年10月11-12日に新潟県南魚沼市栃窪集落で開かれた休日農業講座「田んぼのイロハ」の稲刈り編に参加しました。

オーストラリアからカナダ、ボスニアなど日本を含めると8カ国の家族、会社員、学生らが、2014年10月11-12日に新潟県南魚沼市栃窪集落で開かれた休日農業講座「田んぼのイロハ」の稲刈り編に参加。秋晴れのもと、絶景を眺めながらの稲刈りを楽しみました。

稲刈り前に、地元の笛木さんから刈取り方を習う。
稲刈り前に、地元の笛木さんから刈取り方を習う。

一行は、11日午後1時に集落センターに集合。地域の指導者の一人である笛木晶さんから、戦国時代にまでさかのぼる村の歴史を聞きました。
集落歩きでは、神社の脇にある石造りの小さなほこらを確認。江戸時代に山争いで幕府に直訴して罪に問われ、そのまま亡くなった3人がひっそりとまつり続けられていることにびっくりしていました。

座学では、笛木さんが稲作の経済面から説明。今年の農協への引き渡し価格が60キロ1万5千円であること、通常1反のたんぼから9俵が取れるので、1反からの収入は13万5千円。1世帯は平均1町(10反)を持っているので、世帯当たりでは稲作から135万円が入ること。しかし、そのためにはトラクターや田植え機、コンバインなど100万円単位の機械が必要になることなどを学びました。
参加者からは、「インドでは年に2回、場所によっては年に3回の収穫が出来る」「外国に売るのはどうか」など多くの意見が出されました。

12日朝は、雲ひとつない青空が広がりました。全員が長靴をはき、手にはカマを持って、稲穂が黄色に輝いている田んぼに。笛木さんの指導のもとで、稲束を刈り、X字の形に積み上げていきます。一番難しいのは、その後にわらで束ねる作業でした。

昼食は田んぼわきの木陰。地元の女性たちが用意した新米のおにぎりと野菜がいっぱい入ったけんちん汁を楽しみました。

参加者からは「明日からはお米をもっと感謝して食べるようになると思う」「お酒と地元の人との語り合いがよかった」「また来ます」などのコメントが寄せられました。

次回は、11月1-2日の収穫祭編。来年に備えての田起こしをし、集落の収穫祭に参加させてもらいます。

ブナの原生林などで、秋の自然と味覚を堪能

明るいブナ林をみんなで散策。途中にはアケビの実が成り、足下にはいろんなキノコが顔を出していました。
明るいブナ林をみんなで散策。途中にはアケビの実が成り、足下にはいろんなキノコが顔を出していました。

2014年9月27-28日の週末、新潟県南魚沼市の清水集落を舞台に「清水生きもの復活大作戦秋の巻」を行い、ブナ林や棚田跡で自然を観察。季節を迎えた原木ナメコたっぷりの食事を楽しみました。

2014年9月27-28日の週末、新潟県南魚沼市の清水集落を舞台に「清水生きもの復活大作戦秋の巻」を行いました。首都圏や地元からの幼稚園生から82歳の専門家までが一緒になって、ブナ林や棚田跡で自然を観察。季節を迎えた原木ナメコたっぷりの食事を楽しみました。

保全地域での観察。以前は乾燥してカヤなどが密生していた棚田跡は、水を引き込んだために次々と生きもの姿が戻ってきています。
保全地域での観察。以前は乾燥してカヤなどが密生していた棚田跡は、水を引き込んだために次々と生きもの姿が戻ってきています。

2日間とも透き通った青空が広がる絶好の日和。標高1,700m以上の稜線付近は、鮮やかな赤、オレンジ、黄色に色づいていました。

初日は、集落からさらに奥に入った標高1,000m前後で、清水集落が地域活性化のために展開している原木ナメコの栽培現地を訪問しました。一部が黄色くなり始めたブナ林は、真上からの強い日差しを通してきらきらとした明るさ。落ち葉に半分埋もれた直径50センチもある原木からは、所々、ナメコが発生し始めていました。

集落では、2008年から毎年、10本前後のブナなどの払い下げを受けて、ナメコ菌を打ち込んできました。菌打ち後、2年ほどしてやっと出てくるナメコは、500円玉を超す大きさに育ちます。今回は出始めの小さなものも含め、計7キロが収穫できました。

ブナの巨木には、クマがよじ登ったつめ跡があちこちに。村人から「春先、冬眠明けのクマが木に登って新芽を食べた跡だ」との説明を受け、参加者一同が、高さ20m近いブナを見上げ続けました。

2日目は、4年目に入った棚田跡の環境保全地域の観察と保全活動。水を入れた棚田跡を網ですくうと、動くものが次々と見つかりました。大小さまざまなヤゴ、長さ数ミリの昆虫の幼生、コオイムシ、ゲンゴロウの仲間。長さ数センチ、首にえらが出ていた四つ足の生きものは、アカハライモリの幼生だろうと専門家の一人、深沢和基さんが説明してくれました。

今回は巻機山への登山客が殺到して清水地区の民宿が混雑したため、活動の拠点は、昭和初期に建てられた古民家を使わせてもらいました。食事は、地元の一番のお勧め、原木ナメコをゆでてそのままという「ナメコじょっき」のほか、汁には最高といわれる「アマンダレ(クリタケ)」と呼ばれるキノコも入ったけんちん汁、無農薬天日乾燥の最高級コシヒカリのご飯など。クマ肉の差し入れもあり、村人も参加した懇談会では、村の暮らしについての話があふれました。

快晴とあって、夜には星空観察も。明りのない道にみんなで寝転がって、天の川がくっきり浮かぶ星空も楽しみました。

参加者からは「すべてが初めての体験でした」「ナメコがおいしかった」などというコメントが続きました。

海外留学生も加わって田んぼで草取り

初めて手にしたカマを使った草刈り。地元のベテランに指導してもらいました。
初めて手にしたカマを使った草刈り。地元のベテランに指導してもらいました。

7月5-6日の田んぼのイロハには、早稲田大学の夏季プログラムで来日中の外国人留学生12人らも加わり、総勢20人であぜの草を刈り、田んぼの雑草取りをしました。

2014年7月5−6日、休日農業講座「田んぼのイロハ」の草刈り・草取り編が、新潟県南魚沼市栃窪集落で開かれました。今回は、日本の文化と社会を学ぶ早稲田大学の夏季プログラムの実習の一つとして、オランダ、オーストラリア、中国、香港など7つの国や地域の学生12人も特別に参加。何度も参加しているベテランのアドバイスを受けながら、田んぼの中で泥まみれになって作業を続けました。

「クルマ」と呼ばれる除草機を押したり、手で田んぼの中の雑草を引っこ抜いたり、すべてが新しい体験でした。
「クルマ」と呼ばれる除草機を押したり、手で田んぼの中の雑草を引っこ抜いたり、すべてが新しい体験でした。

初日の5日は、長老の案内で集落を散策。山の神様をまつる十二神社では、本殿脇にある小さなほこらについて、江戸時代に山の境界争いで命を落とした3人の先人をいまもまつり続けている説明を受け、何百年にもわたって受け継がれている村の暮らしを実感しました。

午後8時すぎには、集落の奥にある田んぼに向かい、近くの流れから飛び出してくるホタルを鑑賞。ほのかな明りを点滅させながら飛び交うホタルに歓声が上がりました。

6日は、田んぼへ。カマの使い方を教わっていっせいにあぜに向かい、草刈り。一部ではひざがうもれるぐらいにまで成長した草を、刈り払いました。長さ50m以上ある長いあぜも、20人以上が入るとあっという間にきれいになりました。

田んぼの草取りでは、はだしになって田んぼに。背丈30センチ前後になった稲の根元を埋める草を、引き抜いては丸めて土の中に押し込む動作を繰り返しました。完全無農薬の田んぼなので、草の勢いはすごく、一部は稲と同じぐらいの大きさのヒエがびっしりと生えている場所もあり、「無農薬は本当に大変」と学生たちは話していました。

昼食は、田んぼの脇で、はるか先に連続する標高2000m級の山々をみながら、おにぎりをいただきました。地元の女性達が作った具だくさんのお汁や山菜の煮物、長いままのキュウリの漬物など。
まぶしい日差しの中、水が流れるU字溝に足を下ろして、棚田が連続する絶景を堪能しました。

初日の座学などを通じて、農村部の過疎高齢化などの課題についても学んだ留学生たちには、日本の素顔にふれる場となったようです。

来訪者と住民がいっしょに生態系保全活動

集落の中で見つかった大きなモリアオガエル。産卵直後でお腹がへこんでいる。
集落の中で見つかった大きなモリアオガエル。産卵直後でお腹がへこんでいる。

「清水生きもの復活大作戦・初夏の巻」が、2014年6月14-15日に新潟県南魚沼市清水集落で開かれました。首都圏や海外からの参加者9人に、地元住民5人が加わり、集落散策や、保全地域の木道整備などをしました。

奥山の棚田跡に、稲作をしていた当時の生態系を呼び戻す「清水生きもの復活大作戦・初夏の巻」が、2014年6月14-15日に新潟県南魚沼市清水集落で開かれました。首都圏や海外からの参加者9人に、地元住民5人が加わり、一緒に集落を散策し、保全地域の木道整備を実施。夜は地酒をくみ交わしながら、少子高齢化が進む集落のあり方などを語り合いました。

大きくなったショウブの群落。カヤなどを刈る保全活動で群落が大きくなった。
大きくなったショウブの群落。カヤなどを刈る保全活動で群落が大きくなった。

初日は、雨が残る中での集落散策から始まりました。村人が「地域ガイド」となって自然と暮らしについて語りながら20戸弱となった集落を回ります。
昭和の初めの大火災で村の半分の家が焼けた際に、幹を焦がしながらも残りの家を守ったと伝えられるスギの木や、山の神様をまつる神社などを巡りました。
民家の脇には、雪消しのための池が必ずあり、そのへりの草にふわふわした白い固まりが見つかりました。「これはモリアオガエルの卵のかたまりで、あわの中にうもれている卵からかえったオタマジャクシは水面にポトンと落ちていく」と住民が説明。そばの草の間に卵をうんだばかりでお腹がへっ込んだモリアオガエルのお母さんも見つかりました。

青空が広がった午後の後半。棚田跡に水を引き入れた保全地域を訪ねました。水の中には無数のオタマジャクシがあふれ、水面の上をシオカラトンボやイトトンボが飛び交っていました。そばにある杉林を巡る散策路を進むと、倒木に陸にすむ巻貝のキセルガイの一種が見つかりました。数メートルおきに珍しい生きものが登場し、住民や専門家の話を聞いていると、あっという間に時間が過ぎました。

2日目は、朝から保全地域の整備作業。4年前の活動開始時から設置してきた杉の端材を使った木道を補修し、湿地に進出してくるカヤなどを抜き切りしました。数百メートル四方に広がる棚田跡と杉林からなる保全地域は、これまでの活動で自然観察がしやすくなり、棚田部分で進んでいた乾燥化を押さえることが出来てきています。
最初に見つかった際には珍しいと専門家から注目されたショウブの自生種は、ごく一部にしかなかったのが、今回は棚田地区の中央部分に広範囲に確認できました。

米国から参加した研究者は「24時間の間にこれだけのことを体験出来てびっくりしました」と話していました。
地域住民も「一緒になって活動出来てよかった」「何十年後かには日本中の集落がうちのような限界集落になるはずで、一緒に課題を考えたい」などと話していました。

次回は、8月2-3日の週末に「夏の巻」を行います。2日には、集落の神社で行われる山伏たちによる火渡り神事にも参加させてもらいます。