イロハ田んぼは7月末の大雨の影響もなく、イネは順調に育っています。
イロハ田んぼは、田植えから11週目となりました。
8月1日あたりから穂が出始め、花ざかりを迎えています。
7月末は栃窪でも大雨が降り、あぜや農道、水路が崩れたところが多くありました。幸いケガ人などは出ませんでしたが、田んぼや農道、水路などの完全な復旧には長く時間がかかりそうです。
2011年7月9−10日、首都圏在住の5人が参加し、新潟県南魚沼市栃窪集落で休日農業講座「田んぼのイロハ」草刈り編が開催されました。
7月9−10日、「田んぼのイロハ」草刈り編が行われ、無農薬・有機栽培の田んぼやあぜなどの整備をしました。参加者は首都圏からの社会人や家族連れなど5人。うち4人が今年度2度目の参加でした。2日間の活動は、自分でカマを研ぎ、あぜで草刈り、さらに田んぼの草取りや、ホタル鑑賞、村の夏祭り参加など盛りだくさんでした。
初日は雨が予想されたため、最初に草刈り作業を行いました。作業には地元の桑原一男さんらが講師として加わり、カマの研ぎ方や草の刈り方などを教えてくれました。参加者は最初にカマを研いでから、上下3メートル以上、奥行き約60メートルのあぜに挑戦しました。雑草は、背の高いものでは大人の腰ほどもありました。地元の桑原信子さんが無駄なくスムーズにカマを使う姿に、一同は目を丸くしていました。刈り始めて2,30分もすると「そろそろ研いだ方がいい」とアドバイスがあり、カマを研ぎ直すと、その切れ味の違いに、みんな驚いていました。
作業には地元の小学生たちも参加し、刈り取った草を抱えて田んぼの脇の一角に運んでくれました。縦90センチ、横180センチの木枠に積み上げてたい肥にします。
座学では、「とちくぼパノラマ農産」社長の笛木晶さんが、昔の村の暮らしの話を交えつつ、草刈りや草取りなどの田んぼのメンテナンスの大切さについて教えてくれました。
夕食後のホタル鑑賞では、田んぼの間を流れる小川沿いに何十匹ものホタルが舞い飛ぶ幻想的な光景を見ることができました。
2日目朝は、村の夏祭りの見学。神主が祝詞をよみ、高い階段の奥にある本殿の扉を開ける様子などを見ました。参加者からは「お祭りに村の歴史と暮らしが今も折り重なっている」という声が上がりました。
その後、再び田んぼで草取りを行いました。50センチ前後に育った稲の根元には、緑色のコナギなどがびっしり。高さ30センチを超え、立派に白い花を咲かせていたオモダカもあり、一つ一つを抜き取っていきました。
照りつける太陽の下、8名で約3時間の作業をした結果、1反3畝のうち4割ほどの草取りを終えられました。
最後のふりかえりでは、「ホタルが去年よりも増えていた」「作業の中で、だんだんと上手に覚えていくものだと感じた。収穫が楽しみです」「カマを使った草刈りや手作業での草取りは、自分の田舎でもできない。何十年ぶりかの貴重な体験ができました」などのコメントがありました。
自然の中で体を動かし、お祭りや手作業での田んぼの仕事など、日本古くから伝わる文化を体験した1泊2日となりました。
次回の「田んぼのイロハ」は稲刈り編です。10月1−2日に行われる予定です。
2011年6月11−12日、首都圏在住の5人が参加し、新潟県南魚沼市栃窪集落での休日農業講座「田んぼのイロハ」田んぼの草取り編が開催されました。
6月11−12日、「田んぼのイロハ」田んぼの草取り編が行われ、除草剤を使わない、昔ながらの手作業での田んぼの草取りなどを体験しました。参加したのは、首都圏から会社員などの5人。5人全員が前にも栃窪に来たことがある人で、その内3人は田植えからの連続参加者でした。
1日目は、「とちくぼパノラマ農産」社長の笛木晶さんから、昔の農作業の様子や草取りの重要さなどについての講義を受けた後、実際に田んぼに入って草取り作業をしました。
朝から強く降っていた雨は昼前に上がり、田んぼに入る頃には晴れ間が広がりました。5月22日に植えた苗は15センチほどに大きくなっており、その間を大小さまざまなオタマジャクシやアメンボがたくさん泳いでいました。参加者たちは素足で田んぼの中に入り、地元の人たちに教わりながら、稲の間に生える2~5センチほどの草を手作業で取っていきました。腰を曲げての作業は大変でしたが、参加者は泥の感触や生きものの動き、顔を上げると広がる田んぼからのパノラマな光景を楽しんでいました。総勢10人で約3時間をかけて、1反3畝の田んぼの草取りをひととおり終えることができました。
2日目の午前中は「とちくぼ生きものプロジェクト」に参加しました。地元の子どもたちと一緒に、清水が湧いている池でクロサンショウウオの幼生やアカハライモリ、4種類のカエルのほか、道端にいた50-60センチのシマヘビなどを観察しました。捕まえたシマヘビについて講師の深沢先生は、「このヘビは目がくすんでいるので、脱皮直前のものだ。ヘビは全身ウロコなので目の部分も一緒に脱皮する」と説明しました。
お昼は、地元の女性グループ「とちくぼかあちゃんず」によるランチをいただきました。栃窪の山で採れたワラビを使ったさまざまな料理や、自家製のサンチュとイタリアンパセリのサラダなどがずらりと食卓に並びました。
昼食後、再び1時間半ほど田んぼに入り、取り残しがあった部分をきれいにしました。
最後のふりかえりでは、「草取りがこんなに大変だとは思わなかった」との声が多くありました。 田植えからの連続参加者からは「田植えの時よりも生きものが増えていて楽しかった」との声がありました。
また、栃窪の人も「最近は田んぼにオタマジャクシがたくさんいる。でももしかしたら、生きものプロジェクトに参加するようになってよく目につくようになっただけで、前からたくさんいたのかもしれない」と話していました。
田んぼにあふれる命に触れ、自然に寄り添う暮らしを体験する1泊2日となりました。
次回の「田んぼのイロハ」は7月9-10日。テーマは「草刈り」です。
首都圏の会社員や学生、外国人家族ら20人が、南魚沼市栃窪地区で散策や田植えを楽しみました。
2011年度の休日農業講座「田んぼのイロハ」第1回田植え編が、5月21−22日に開催されました。
初日は、地元の笛木晶さんとともに、栃窪地域を散策。集落中心部から標高736mの樽山の頂上まで、旬の山菜や栃窪ならではの珍しい生きものを探しながら、歩いていきました。初夏を思わせる暑さにも負けず、頑張って歩いた頂上からの景色には、「ここから自分たちが歩いてきた道を見下ろすと、達成感が湧いてくる!」との声が聞かれました。
山から戻ったあとの座学では、今回使うポット苗とマット苗との違いや、無農薬・有機栽培における稲作の流れ、栃窪における米作りの歴史や今後の課題について学びました。
2日目は、早朝からバードウォッチングへ。あいにくの雨で視界が悪かったものの、講師の深沢和基さんの豊富な知識で、アカショウビンの「キョロロロー」という鳴き声を聞いたり、カエルやイモリ、ミズカマキリなどをその場で見つけ、それぞれの生態系や特徴について教えてもらうことができました。
降り続いた雨が落ち着くのを待ってから、田植えを開始。参加者は、地元の人から7、8本の稲の苗をワラでまとめる技を習いました。その後、苗の束を入れたカゴを腰につけて、田んぼに入っていきました。
昼食には、地元の方々が用意してくれた地域の山菜とニシンを使った具だくさんのおみそ汁が登場。その温かさが、冷えた体にはとてもうれしく感じられました。おいしいおみそ汁は次々とおかわりされていました。
昼食後にも、皆で田植えに取り組み、14時過ぎには1.3反の田んぼ全てに苗を植えることができました。地元の人からも、真っ直ぐに植えられている苗を見て、「年々、上手になっているね」とのおほめの言葉。
地元の人の知恵や技に支えられながら、今年も無事にイロハ田んぼはスタートを切ることができました。
2010年9月12日(日)の生きもの調べでは、清水が流れ込む池の周辺でプラナリアやヒバカリを発見。プラナリアは顕微鏡で細かく観察しました。
9月12日(日)に、南魚沼市栃窪集落で恒例の「栃窪生きものプロジェクト」が行われました。南魚沼市内には朝から大雨洪水警報が出されていましたが、栃窪は小降りだった雨が途中で上がりました。集落内外から8人が参加し、小出高校教諭の深沢和基さんを講師に、生きものの観察を行いました。
毎回観察しているスイレン田んぼや、清水が流れ込んでいる池などを観察しました。参加者は歩きながらそれぞれ生きものを探し、何か見つけては声をかけ合い観察しました。
スイレン田んぼでは、トンボが数種類飛んでいた他、前回少ししか確認できなかったタヌキモやミズオオバコなど水生植物の花の数が増えていました。
池では、手足の生えたクロサンショウウオの幼生を何匹も観察しました。ウーパールーパーのようなエラがしっかりついていました。
別の池には、お腹が大きくふくれた、トノサマガエルと思われるカエルがいました。深沢さんがお腹をなでて探ってみると不自然に角張った部分があり、何か大きなエサを食べた直後かもしれない、とのことでした。
同じ場所では、小型のヘビ「ヒバカリ」を2匹発見。互いにヘビを手で持って、その肌の色や筋肉の強さなどを感じました。
池からつながっている、幅20センチほどの緩やかな清水の流れでは、ヨコエビやプラナリアなどの、長さ0.5ミリから1センチ前後の小さな生きものが次々見つかりました。
持ち帰って顕微鏡でプラナリアを使うと、肉眼では見えにくかったプラナリアの目がよく見えました。マンガのキャラクターのようなひょうきんな表情で、参加者はおもしろく観察していました。
東京や千葉から来た参加者6人が、カマを使った草刈りやあぜ豆植えなどを体験しました。
2010年度の休日農業講座「田んぼのイロハ」草刈りの講座が、7月3−4日に開かれました。東京や千葉からの社会人、学生、家族連れなど6人が、カマを使ったあぜの草刈りを体験した他、集落内散策、ホタル鑑賞などを行いました。
初日は、地元の笛木晶さんを講師に、散策と座学を実施。棚田で田んぼの生きものを観察した後、昨年草刈りの際に作った堆肥を見学しました。参加者は、途中で道端の桑の実を食べ、モリアオガエルの卵やイトトンボを見るなどして、自然とふれあいながら散策していました。
座学では、堆肥やあぜ豆について、昔の暮らしの様子と合わせて説明がありました。あぜ豆の話から、手づくりみその仕込み方も話題になっていました。
夕食後、地元の笛木健作さんが案内をしてくれ、水路沿いや沢沿いの農道で、ホタルが飛ぶ様子を眺めました。多い場所で10匹ほどのホタルが飛んでいました。
2日目は、参加者は小雨の中でのあぜの草刈りに挑戦しました。
作業には地元の笛木晶さん、桑原一男さん・信子さん、笛木久稔さんが加わり、カマの研ぎ方、草の刈り方を教えてくれました。参加者は自分で研いだカマを持ち、カマでたたくようにしながら草を刈りました。草刈りの間中、一男さんはカマを研ぎ続け、刈りにくそうにしている参加者のカマと研いだカマを交換していました。一男さんからカマを受け取った参加者は、その切れ味の違いにおどろいていました。幅3メートルほど、長さ80メートルほどのあぜの草を、2時間足らずで刈り終えました。
刈った草は、堆肥にするために集め、縦180センチ横90センチの木枠につめ込み、ぎゅうぎゅうに踏み固めました。木枠から数センチはみ出て、60センチほどの高さになりました。
草を刈り終えたあぜには、大豆の苗を2本ずつ、30センチほどの間隔をあけて植えました。根元には、もみがらを炭にした「くん炭」をかけました。くん炭には微生物が集まりやすく、植物の生長をよくするのだそうです。この大豆は、11月に収穫を予定しています。
参加者のふりかえりでは、「あぜ豆から味噌を作った話などから、昔から自給してきた様子が分かった」「小さなカエルがたくさんいて、前回に大量にいたオタマジャクシがカエルになったことが想像できた」「始めはカマでの草刈りは大変だと思ったけれど、人数がいると楽しくできると思った」などのコメントがありました。
座学では、水源の場所や状態、田んぼの水管理などについて教わりました。
(栃窪の湧き水について)
*8カ所の水源に番号をふり、地図でそれぞれの場所を確認しながら説明を聞いた。
1、飲み水を取っている。
2、もこもこと湧き出ている。この水がなければ栃窪には住めなかったと思う。
3、散策で訪ねた場所。昔より水の量が減っているが、重要な水源のひとつ。
4、(特に説明なし)
5、樽山の下。若干、水が湧き出ている。
6、「天王さま」という、信仰を集める山の近くにある。
7、通称「かましみず」。多く水が出ている、重要な水源。
8、2軒の家が使っている。冬には消雪にも使っている。
(田んぼと水)
(高野)地図を見ると田んぼがたくさんあることがわかる。
(晶)栃窪には60町歩田んぼがある。
(岡田)1町歩が3千坪なので、60町歩18万坪くらい。
(高野)田んぼの水管理について教えてほしい。
(晶)田んぼは一番始めに荒起こしをし、水を張る。水を張っておくと草が生えるのを防ぐことができる。それから代掻きをして、田植えをする。代掻きする時に水が必要。
代掻きをして2、3日で田植えをしないと草だらけになる。明日田植えをする田んぼは、草がいっぱいになっていたので、今日代掻きをした。代掻きすると水草が水面に浮くので、すくって田んぼの外に出した。
田植えをする際にはいったん水を落とし、植え終わったら再び水を張り、張ったままにする。水を張っておかないと草だらけになる。今、晴れが続いて水が枯れそうなところがある。火曜日の予報が雨なので、待ち遠しい。田んぼによっては、何度水を張ってもザルのようになくなるところがある。
稲は分けつして大きくなる。あまり分けつさせるのも良くないので、適当に分けつ
したら水を抜く。これを「中干し」と呼び、20本くらいになったときに水を落とすと成長が止まる。中干しをして根が張るようにする。
稲刈り前に、田んぼを乾かすために田んぼに溝を作って水を落とす。昔は手で刈り取ったので、ぬかるんでいてもよかったが、今は機械で刈り取るので、地面が固くないといけない。
(ホタル)
(浅原)ホタルは見られるか
(晶)もう少し経たないとみられない。ホタルも少なくなった。カワニナがいなくなった。
(バケツ稲)
(江崎)バケツで稲を育てているが、梅雨の時期は室内にいれたほうがいいか。
(晶)外でいいと思う。
(江崎)バケツ稲も15-20本に分けつしたら中干しをしたほうがいいのか。
(晶)子どもたちにどこまで見せたいかだと思う。中干しせずにそのままにしておけば大きな株になると思う。