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イロハ田んぼの田植えから2週間が経ちました

5月22日の田植えから2週間が経ちました。あたたかな天候にも恵まれて順調に育っているようです。

イロハ田んぼの苗は15センチほどに大きくなり、根も10センチ以上になっていました。
イロハ田んぼの苗は15センチほどに大きくなり、根も10センチ以上になっていました。
6月6日撮影
6月6日撮影

田植えから2週間。苗は15センチほどとなり、しっかりしてきました。田んぼには緑色の藻や小さな草が目立つようになってきました。

低温被害でイロハ田んぼ育たず

5月中旬に田んぼのイロハで手植えした「イロハ田んぼ」は、低温被害でイネの生育がほとんど止まってしまいました。

田植えから4週間近くたったのに、田植え直後とほとんどみかけが変わらないイロハ田んぼ。
田植えから4週間近くたったのに、田植え直後とほとんどみかけが変わらないイロハ田んぼ。

低温被害がついに出ました。
今年は、3月が暖かく、4月に寒気が入り、5月の連休の後もまた寒さが続いて、新潟県には低温注意報がずっと出ていました。

このため、5月中旬に植えた苗が、ほとんど育たない状況でした。5月16日に、TAPPOの「休日農業講座、田んぼのイロハ」で田植えをした場所では、苗がほとんど育たないままです。

根元が茶色いままのイロハ田んぼの苗(右)と、元気な隣の田んぼの苗(左)。
根元が茶色いままのイロハ田んぼの苗(右)と、元気な隣の田んぼの苗(左)。

6月8日午前10時ごろに、苗のいくつかを抜いてみると根っこが茶色くからまったままになっています。本来なら白い元気な根が、どんどんと四方八方に伸びる時期なのですが、全然伸びていません。

一部の苗は倒れて水没しているもののあります。
6月に入って田植えをした隣の田んぼの苗は、しっかりして、白ヒゲのような太い根っこが飛び出していました。

「こうなったら、化学肥料の窒素をぶち込めば助かるのだか」と、通り掛かりの農機具屋さんはいいます。が、ここは完全有機無農薬田んぼです。

「もう一度植え直させてくんないかい」。管理をしているとちくぼパノラマ農産の笛木晶社長が、残念そうに話しました。

今週末には、この田んぼで草取りを予定していたのですが、それどころではにない状態です。田植えのやり直しになりそうです。植え直し田んぼはほかにもいくつもあるとのころです。

自然と向き合うのは、なかなか大変なことのようです。

(09年第5回報告)イネの刈り取りとはざかけを体験

2009年10月17日-18日に南魚沼市栃窪地区で、地元のベテランに教わりながらイネの刈り取りと天日乾燥の作業を体験しました。

 

天気に恵まれ、はりきって稲刈り開始。
天気に恵まれ、はりきって稲刈り開始。

休日農業講座「田んぼのイロハ」の第5回講座が、10月17日-18日に開かれました。
参加したのは首都圏の学生や社会人、親子連れなど29人。約半数が学生でした。

1日目は、地元の笛木晶さん、笛木健作さんを講師に座学を受けました。実物を観察しながら、その年によってイネの出来が異なることなどを教わりました。栃窪集落の概要や営農の現状、現代の農山村の課題などにも話題が及び、質疑応答も活発に交されました。
座学の前には、ほぼ毎月行われている生態系調査「栃窪いきものプロジェクト」にも参加。集落内を散策し、生き物を観察しました。ところどころで地元の人の暮らしも垣間見ながら、栃窪集落の生態系の豊かさを学びました。

地元の大ベテラン、笛木実さん。イネを刈るのも束ねるのも、あっという間です。
地元の大ベテラン、笛木実さん。イネを刈るのも束ねるのも、あっという間です。

前からの予報で誰もが雨を予想していた2日目は、朝から晴れ、青空の下でイネを刈り取ることができました。
いつも指導してくださるパノラマ農産のみなさんに加え、笛木実さん、日熊健吉さんが応援に駆けつけてくれました。70代後半の大ベテランの加勢に参加者は元気づけられ、1反以上のイネの刈り取りとはざかけ作業を、約2時間半で終えました。
当日まで雨が多く、至る所にぬかるみがあり、歩くことも大変な田んぼでしたが、刈り取ったイネの間から様々な植物、虫たちが姿を現し、特に子どもたちは喜んで、カエルやカナヘビを追いかけていました。もし機械を使っていたら、ぬかるんだ中での刈り取りも、子どもが生き物を追いかけることもできません。

参加者のふり返りアンケートでは、田んぼと田んぼを取り囲む集落の自然の豊かさを感じたり、地元の人とのふれあいに温かさを感じたりしたという感想が多く寄せられていました。また、くり返し参加している人は、季節ごとに異なる景色の美しさや、地元の人との交流の深まりを感じているようでした。

生育順調

イネが長さ約50㎝に成長しました。イロハ田んぼを挟む2本のあぜには、あぜ豆も育っています。
イロハ田んぼの稲が、長いもので50㎝を越えました。2週間前に測ったときから10㎝以上伸びています。クキの数も30本と、10本増えていました。

オモダカの花。葉の形が顔を高く上げたようすに似るので「面高」。花はかわいらしいけれど、イネを育てる田んぼにとっては雑草。
オモダカの花。葉の形が顔を高く上げたようすに似るので「面高」。花はかわいらしいけれど、イネを育てる田んぼにとっては雑草。

6月14日に「田んぼのイロハ」で草取りをし、片付いたかのように思われた雑草でしたが、その後どんどん生えてきました。
6月終わり頃にも、パノラマ農産で草取りをしたそうですが、それでも生き残ったコナギやオモダカなどの雑草が、元気を取り戻しています。

あぜにズラリと植えられた大豆の苗。根元の黒いものは「くんたん(燻炭)」で、モミガラを炭にしたもの。保水力や通気性にすぐれ、栄養分もあるということです。
あぜにズラリと植えられた大豆の苗。根元の黒いものは「くんたん(燻炭)」で、モミガラを炭にしたもの。保水力や通気性にすぐれ、栄養分もあるということです。

あぜには、4日−5日に行われた「田んぼのイロハ」で植えた「あぜ豆」が育っています。植えたのが暑い日でうまく根付かなかったものもありましたが、一緒に植えた桑原一男さん・信子さん、笛木久稔さんが、元気な苗と植え替えてくれました。
ちなみに「あぜ豆」とは、あぜで育てて収穫する豆のこと。各家庭でみそを手づくりしていたという30年以上前には、ほとんどのあぜに大豆の苗が植えられていたそうです。

豆の収穫にたどり着くまでには、天気に恵まれることと、芽を食べるウサギやサヤごと豆をかじるタヌキという強敵から豆を守ることが必要です。
無事成長し、タイミングが合えば、11月7日−8日の「田んぼのイロハ」にて大豆を収穫する予定です。

お米が実り始めました。

稲には穂が出始め、花の咲いたものもみられます。例年は、栃窪ではお盆を過ぎてから出るそうです。前回(7月12日)の日記ではくっきりと見えた溝切りの筋が、今ではわかりにくくなっています。
夏の作業は、主にあぜの草との闘いです。この闘いをむしろ楽しもうとする試み「棚田草刈りアート日本選手権」
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=9&aid=597
では、集落内のあちらこちらのあぜに草刈りアート作品が作り出されました。2週間後には跡形もなく草に埋もれてしまいましたが「お盆に帰省する家族に見せたい」と、選手は手入れをして作品をもとの状態に戻していました。

 早くも頭を垂れ始めた穂も見られます。
早くも頭を垂れ始めた穂も見られます。

そうした闘いの間、稲はすくすく育ち、くきの中に穂の赤ちゃんができます。穂が出る18日前に、穂肥え(=穂が実るための肥料)をあげるかどうかを判断しなくてはなりません。外からは見えないくきの中の穂を、どうやって確認すると思いますか?
農家のみなさんは、この時期田んぼに何度も通い、株の高さや根張り、葉の色を見て、
・穂肥えを施すべきか否か
・施すならどのくらい必要か
・いつ施すか
を判断するのです。特にコシヒカリは草丈がのびやすく、肥料をやり過ぎると倒れやすくなるため、注意が必要です。ちなみに今年のオーナー田んぼは、栄養状態がいいので穂肥えは施さないそうです。
穂が出る頃に田んぼに水をかけますが、このタイミングや量も、稲や天気との相談になります。
「稲は人の足音を聞いて育つ」
お米を作る人はそう言います。

穂が出てからは、気温も重要なポイントになってきます。低すぎるとせっかくの穂も中身のお米が実らなくなってしまいます。農村で、自然に感謝し五穀豊穣を祈る行事が大切にされてきたのも、お米が「自然の恵み」でできているということを表しているのでしょう。

 午前中にしか咲かない稲の花です。(8月22日撮影)
午前中にしか咲かない稲の花です。(8月22日撮影)

そんな稲の足下には、この肥料を喜んで取ってしまうコナギやオモダカなど、取りきれなかった「田の草」が生えていて、これから花盛りを迎えます。栄養を取られてしまうのは困りものですが、なかなか可愛らしい花です。

9月6−7日は「田んぼのイロハ」3回目、草刈りやあぜ管理について座学と実習を行います。そのあと4回目10月18−19日はいよいよ稲刈りです。ぜひご参加下さい。
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=2&aid=564

雨が足りません

オーナー田んぼは好天続きで、成長にはいいのですが、水が不足してきました。

 

ほとんど空っぽになったため池。今の時期は本当は梅雨のはず。
ほとんど空っぽになったため池。今の時期は本当は梅雨のはず。

今年は、梅雨になかなか入りません。
好天続きで気温が高いのは稲には都合がいいのですが、田植え直後のこの時期は、水を最も必要とする時期です。

水は、夜間の保温効果があるほか、雑草が茂るのを防いでくれます。水がないと畑のように雑草がわさわさとわき出てきて大変なことになります。

が、雨が降らないまま、ため池の水位はどんどん下がります。大きな川がない傾斜地である栃窪の田んぼは、昔から雨が頼りでした。雨をため池にためて、それを上から順番に下に流して、稲を育てたそうです。

「線香を、水の取り入れ口に立てて、それが消えたら、隣の田に水を入れた」「夜中にこっそり自分の田んぼに水を引きにいった」「それを互いに見回っていたものだ」など、田んぼの水争いに関してはお年寄りたちはいろんな話をしてくれます。

空っぽになったため池からの水に頼っていた田んぼには、ひびが入ってしまいました。
空っぽになったため池からの水に頼っていた田んぼには、ひびが入ってしまいました。

すっかり干上がったため池からの水が流れる田んぼでは、ひび割れも出てきました。

幸い、オーナー田んぼの上にあるため池はまだ少し水が残っていて、田んぼにも水が溜まっている状態です。
雨が欲しいところです。

すっかり苗は定着しました

棚田オーナーの田んぼ(手前)から、北東方向を望む。正面が八海山(1,778m)。
棚田オーナーの田んぼ(手前)から、北東方向を望む。正面が八海山(1,778m)。

田植えを終えたばかりの「オーナー田んぼ」、苗はすくすくと育っています
棚田オーナーのみなさんにご支援いただいた、栃窪地区の田んぼは、無事に田植えを終えて、稲がしっかりと育ち始めています。

田植えの後、その場所で根をしっかり張り始めることを「活着した」と農家の人は表現します。

今回使った、ポッド苗は、小さな植木鉢のようなくぼみに土と籾を入れて芽を出させ育てているので、そのまま抜き出すだけで、田んぼに植えることができます。

苗はポット式でしっかり育ててから植えたので、活着も早く風にも負けていません。
苗はポット式でしっかり育ててから植えたので、活着も早く風にも負けていません。

しかし効率がいい機械植えのためには、苗箱に籾を多数ばらまいて、根っこが絡み合った状態にした「マット苗」が使われます。

マット苗だと、機械がその根っこを引きちぎる形になるので、活着するまでには1週間から2週間もかかるのです。

なので、ポッド苗は植えたらすぐその場で育ち始めるので、勢いがいいのです。