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青々とした苗代

OLYMPUS DIGITAL CAMERA苗代は大きく育った苗でうっそうとしています。

イネの年齢は、種籾から直接出た茎に生える葉の数で表します。これを葉齢といいます。

今日数えたところ、葉は4枚ありました。
一般的には植えてしまっている葉齢ですが、病気に強くするため、充分に生長させてから植えるのだそうです。

これは昔の苗作りのやり方で、この「苗のプール」も、「水苗代」という苗専用の田んぼをお手本にして作っているそうです。

稲の性質をよく知り、農薬を使わなくても元気に育てる工夫をしてきた昔の人の知恵は、本当にすごいなあと思います。

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(09年第1回報告)「昔は1人で植えた」約1反の田植え

5月16日−17日、南魚沼市栃窪集落にて2009年度第1回目の休日農業講座「田んぼのイロハ」が行われました。参加者は首都圏や県内から集まった会社員や大学生、4歳から60代まで17名。小雨の中1.2反の田植えを行いました。
5月16日−17日、南魚沼市栃窪集落にて2009年度第1回目の「田んぼのイロハ」が行われました。参加者は県内や首都圏から会社員や大学生が17名、4歳から60代まで。小雨の中1.2反の田植えを行いました。
テーマは「稲作概論と田植え」。苗代見学や座学で田んぼや苗の構造、育苗などについて学び、実際に田んぼに入って苗を植えることでさらに理解を深めました。

苗代で育苗についての説明を聞きました。
苗代で育苗についての説明を聞きました。

1日目は今にも雨が降り出しそうなくもり空の下、かさを片手に苗代見学に行きました。、地元の人と一緒に、車が発達する以前に使われていた棚田の中の細い道を歩き、田んぼの構造や植物について説明してもらいました。苗代では、苗の生長を見ながら育苗について教わりました。
その後の座学では、田んぼの構造、田植えまでの段取り、田植えの際の様々な作業のことなど、昔の様子を詳しく教わりました。

1列だけをひたすら植え続けた小学生。向いのあぜから植え始めた大学生のところまであっという間に着いてしまいました。
1列だけをひたすら植え続けた小学生。向いのあぜから植え始めた大学生のところまであっという間に着いてしまいました。

2日目は朝から小雨が降っていましたが、参加者は雨具を着て田植えに臨みました。素足で入った田んぼの泥の感触や、ときどき腰をのばして眺める景色を味わいながら、田植え作業は約1時間半で終了しました。
「昔は1人で1日1反植えて初めて1人前と言われた」という地元の人の話をふりかえり、「1人前にはほど遠いなあ」と話していました。

作業の後の昼食は、地元の人が用意してくれた昔ながらのヌカ釜炊きのご飯、ワラビとニシンのみそ汁や漬け物など。参加者は何杯もおかわりしていました。

参加者からは、「村の人の知識が素晴らしかった」「本来あるべき自然と人間の姿を垣間見た気がした」「参加している人たちとのつながりを感じた」などの感想が寄せられました。

苗のプール

枠で囲って作った苗代に水が張られ、苗がプールに入っています。
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今日は1日曇り空でした。寒くもなく暑くもない過ごしやすい気候で、寒さから苗を守るシートもはがされたままになっていました。

苗の1本1本の長さはあまり変わらないながらも、全体を見渡してみると緑色の印象が強くなって来ていました。

枠で囲った中には水が張られ、苗のプールになっていました。

水やり

苗代では、シートをはがして苗の水やり作業をしていました。

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今日は10時頃の気温が20度。気持ちのいい天気が続いています。
苗代では、霜などの対策としてかけてあるシートを全部はがして、水やりの作業をしていました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 水やり、と一言で言っても、長さが20メートル、幅が3メートルの苗の列に水をやるので、ジョウロを使っていたら半日かかってしまうかもしれません。
軽トラックの荷台にすっぽり入る大きな水のタンクを設置し、そこから20メートル以上の長さのホースで水を引き、1列ずつていねいにかけていました。

稲の芽はすっかり出そろい、長さもおおむね4−5センチになっていました。

あぜにはワラビが顔を出し、フキノトウはすっかり伸びて綿毛を飛ばしているものもありました。その横でフキが葉を広げていました。

苗が育っています

前回見たときはまだ数ミリの芽が出たばかりでしたが、今日見てみたところ、長いもので4センチに成長していました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 今日の正午の気温は7℃。この数日間はずっとこのような気候です。先に暖かな日が続いてしまったので、とても肌寒く感じられます。

そんな中でも、育苗中の苗代に行ってシートをめくってみると、シートの中は少し暖かい様な気がしました。
前回見たときは、まだ発芽もまばらで、出ているものでも数ミリでした。
今日は芽が出そろって、長さも伸びていました。長いものでは4センチもありました。

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芽が出ています。

苗代のシートの下でじっと息をひそめている種モミ。シートをはぐってみると、芽が出ていました。

 特殊な素材のシートが3重にかけられ、大事に育てられています。
特殊な素材のシートが3重にかけられ、大事に育てられています。

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大きいもので2−3ミリ程度。まだまだこれから芽が出て来るようです。青々とした立派な苗に育ってほしいものです。

前回の大豆の様子は?

前回大豆の苗を植えた見晴らし最高の畑に、今回もお邪魔しました。

 前回植えた大豆の苗が、いまはこんなに大きくなりました。
前回植えた大豆の苗が、いまはこんなに大きくなりました。

 

 新しい芽もしっかりついています。
新しい芽もしっかりついています。

周りには、土から20㎝くらいの高さにぐるりと糸が張ってあります。これはウサギよけで、この糸より内側にウサギが入ろうとすると、耳がちょうど糸に当たるので入って来られない…というしくみになのだそうです。

大豆の苗を植える

大豆の苗は祐子さんが畑の一画で豆から育てたもので、長さは10㎝くらい。小さい双葉と黄緑の本葉が広がっています。

 祐子さんが育てた大豆の苗。最初はこうして一画にかためて大豆をまき、芽が出るまでカラスから守る白いネットをかけておくそうです。芽がでてしまえば(豆でなくなれば)カラスは食べないとのこと。
祐子さんが育てた大豆の苗。最初はこうして一画にかためて大豆をまき、芽が出るまでカラスから守る白いネットをかけておくそうです。芽がでてしまえば(豆でなくなれば)カラスは食べないとのこと。

根を傷つけないように深めに鍬を入れ、少し苗を持ち上げます。根が絡み合ってかたまりになっている苗を、ほぐしながら1本ずつにします。
畝ができたところから苗を植えていくのですが、このとき2本1組にするのが上手に育てるポイントなのだそうです。1本では競争する相手がいないのでそれほど大きくならず、3本では多すぎて栄養が行き届かず、結局2本植えるのが一番いいそうです。一同「なるほど!」「何事も欲張ってはいけないのね」と納得。
1組植えたら、足ひとつ分間隔を空けて次の1組を植えていきます。足運びにも決まりがあって、交互に踏み出して重心を乗せる足で間隔を測り、空いている足は植えた大豆を踏まないように真後ろに置いておきます。
そうした作業の間も、大豆の根が持つ成分を活かして土壌を改良することや、秋に土の具合を見て次の年の作物を決めること、大きい実が実ったり長い期間実り続けたりする作物は畑を疲れさせることなど、祐子さんが栃窪に嫁いでからおじいさんおばあさんに教わったお話を伺いました。

すっかり苗は定着しました

棚田オーナーの田んぼ(手前)から、北東方向を望む。正面が八海山(1,778m)。
棚田オーナーの田んぼ(手前)から、北東方向を望む。正面が八海山(1,778m)。

田植えを終えたばかりの「オーナー田んぼ」、苗はすくすくと育っています
棚田オーナーのみなさんにご支援いただいた、栃窪地区の田んぼは、無事に田植えを終えて、稲がしっかりと育ち始めています。

田植えの後、その場所で根をしっかり張り始めることを「活着した」と農家の人は表現します。

今回使った、ポッド苗は、小さな植木鉢のようなくぼみに土と籾を入れて芽を出させ育てているので、そのまま抜き出すだけで、田んぼに植えることができます。

苗はポット式でしっかり育ててから植えたので、活着も早く風にも負けていません。
苗はポット式でしっかり育ててから植えたので、活着も早く風にも負けていません。

しかし効率がいい機械植えのためには、苗箱に籾を多数ばらまいて、根っこが絡み合った状態にした「マット苗」が使われます。

マット苗だと、機械がその根っこを引きちぎる形になるので、活着するまでには1週間から2週間もかかるのです。

なので、ポッド苗は植えたらすぐその場で育ち始めるので、勢いがいいのです。