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棚田草刈りアート日本選手権大会を開催しました

第2回棚田草刈りアート日本選手権大会が、2009年7月18-19日に、新潟県南魚沼市栃窪集落で開催され、24チーム53人がさまざまな文字やデザインを棚田のあぜに描き上げました。
第2回棚田草刈りアート日本選手権大会が、2009年7月18-19日に、新潟県南魚沼市栃窪集落で行われ、24チーム53人がさまざまな文字やデザインを棚田のあぜに描き上げました。

地元の南魚沼を担当する県職員らで作る「地球泉隊のーりんジャー」や栃窪小学校、それに高校生を含む若者チームなど、多様な人々が参加しました。

栃窪小学校の学校創立130周年を記念する作品。
栃窪小学校の学校創立130周年を記念する作品。

制作時間は、18日と19日午前中。傾斜が30度前後で高さ3メートル前後もある急で高いあぜが舞台です。
18日は終日雨で、足下が不安定な急な斜面に張りついての制作となりました。
19日は雨も上がり、時折晴れ間が広がる中で、作業が進みました。12時には、オープン参加チームも含め25作品が栃窪のあちこちに浮き上がりました。
栃窪小学校チームは、全校児童12人が考えた小学校の創立130周年を祝うデザインを、先生たちがカマと草刈り機で描き出しました。

同時開催した野菜市では、集落の人たちから寄せられたジャガイモ、キュウリ、ズッキーニ、ミニトマトなどの様々な野菜が並び、大会をにぎやかにしました。

「どこに銭まで払って草刈りするバカがいるかと思っていたが、やってみると面白かった」と、知人に誘われて大会に参加した男性。

審査員として参加した、長岡造形大学准教授の渡邉誠介さんからは、「とても面白い!まずは10年を目標に続けていってほしい」とのメッセージがありました。
同じく審査員として参加した、新潟お笑い集団NAMARA代表の江口歩さんは、「世の中からは限界集落と呼ばれているような地域が財産になる。ここ栃窪の在り方が日本を変える」と話しました。

優勝したのは、地元の大工さん。家の真正面のあぜに、万代橋を思わせる石組みの橋を描き出しました。
優勝したのは、地元の大工さん。家の真正面のあぜに、万代橋を思わせる石組みの橋を描き出しました。

【受賞作品】
優勝
チーム同級生「ブリッチ(橋)」
準優勝
チーム街道「皆さんに感謝」
第3位
笛木久稔「今年もやってるの〜」
銀峰閣賞
栃窪消防団「火の〜用心1−10」
シャトー塩沢賞
チーム徳右衛門「トッキッキ!? VS ハヤブサ」
上越国際スキー場賞
栃窪小学校「おめでとう130 栃窪小学校」
すし道楽賞
チームTAPPO「栃窪の仲間たち−クロサンショウウオ−」
とちくぼパノラマ農産賞
北里大学保健衛生専門学院「米(マイ)ホームタウン」
ホテルグリーンプラザ上越賞
宮部浩司「越後三山に日食が昇るなり」
栃窪集落は、全世帯数約60の小さな集落で、町の中心部から5キロほど離れた山あいにあり、路線バスもないことから過疎高齢化が大きな課題になっています。今回の日本選手権大会は、栃窪集落の若手が中心となった実行委員会が主催し、エコプラス TAPPO南魚沼やまとくらしの学校が事務局を務めました。

作品は8月中旬頃までご覧くいただくことができます。作品マップを栃窪集落センター内の「TAPPO南魚沼やまとくらしの学校」で配布しています。

【お問い合せ先】
特定非営利活動法人ECOPLUS
「TAPPO 南魚沼やまとくらしの学校」
〒949-6401 新潟県南魚沼市栃窪1120
TEL : 025-782-5103
FAX : 025-782-5104
E-mail : tappo@ecoplus.jp

元気なへき地ネットワーク全国大会が開かれました

過疎高齢化が迫る地方の集落をどのように活性化するのかを話し合う「元気なへき地ネットワーク」の第1回大会が開かれました。
全国各地で地域に根ざした試みを展開する仲間たちが集る「元気なへき地ネットワーク」第1回全国大会が、2008年7月24、25の両日、新潟県南魚沼市栃窪集落で開かれ、北海道から沖縄までの7団体のほか、地元住民ら計のべ約50人が参加して、地方の元気をどう取り戻していくかを語り合いました。

会議に参加したのは、北海道の霧多布湿原センターの阪野真人さんや沖縄県のやんばるエコツーリズム研究所の中根忍さんら同ネットワークの設立メンバーである6団体のほか、東京や群馬、新潟などで活動する団体や個人。いずれも、小さな地方集落を舞台にその活性化に取り組んでいるみなさん。

岩手宮城内陸地震の被害と復興状況を説明するくりこま高原自然学校の佐々木豊志さん(中央右)
岩手宮城内陸地震の被害と復興状況を説明するくりこま高原自然学校の佐々木豊志さん(中央右)

さらに今回は、特別ゲストとして岩手宮城内陸地震で大きな被害を受けた栗原市耕英地区で自然学校を運営している「くりこま高原自然学校」の佐々木豊志さんも参加し、避難指示が出たまま地域に戻れない中での、地域が一体となった取り組みを報告しました。

一行は、60世帯、人口約200人の栃窪集落を散策して視察したあと、それぞれの活動内容を紹介しあいました。地域の区長さんらが理事としてNPO法人を構成し、外部からの若者らがそのスタッフとなって支えている構造が、あちこちで始まっていることが浮き上がってきました。

夕食後は、山形県で長年有機農法に取り組んできた「たかはた共生塾」の中川信行さんが、有機農業を通じて外部の人々も呼び込んだ形で地域が発展している例を紹介。「農業をやりたいという人が80人くらい集まっている。都市で働いている人が、地域でいかに定住してもらうか。人的交流をいかに盛んにするかが大事。人的交流のできる地域であるかが発展できる地域のカギになるのではないか」と外部との交流の大切さを指摘しました。

2日間の議論を通じて、「集落にある当たり前のものが持つ価値の再評価」や「村内外の協働」が大切であるという声が多く聞かれました。

内外の交流のあり方については、集落にあるものやサービスを、外部社会と金でやりとりするのではなく、その価値観を共有した上での関係構築こそが、グローバル経済とは違った、地域と信頼に根ざした地域経済を作れるのではないかと議論は深まっていきました。

集った参加者のみなさん。背景は栃窪集落のシンボルになっている樽山(736m)
集った参加者のみなさん。背景は栃窪集落のシンボルになっている樽山(736m)

熊本県の「きらり水源村」の小林和彦さんは、「へき地の取り組みは、今後日本中で少子高齢化が進んでいく中で重要になってくる。ある意味、へき地は全国の最先端を走っている。この場での情報交換は大変貴重な価値を持つことになるのではないか」とへき地ネットの存在意義を語ってくれました。