あきる野市の里山を訪ねる体験プログラムが1月20日に、小学生から79歳までの27人の参加で行われました。
港区の2006年度里山体験ツアーの第3回目が、1月20日に行われ、小学生から79歳のお年寄りまで27人が、東京都西部に広がるあきる野市の菅生地区の里山を楽しみました。
これまで2回の里山ツアーは同じあきる野市の横沢入地区でした。横沢入地区が人家がほとんどない独立した自然空間だったのに対して、菅生地区は人家と里山が密着しているのが大きな違いです。
今回は、体験活動のコーディネータづくりを手がけている森良さんが現地で17年前から里山を舞台にした体験活動を展開している市民団体「自然の学校」が協力。「校長」を務める浅原さんご夫妻や、「トンボ」と呼ばれる田中さん、宿谷さんらが案内役となりました。
午前8時に港区役所をバスで出発し、9時半には現地に着いた一行は、入り口にある雑木林をまず散策。浅原さんが、身振りいっぱいで、流れの中にいるカワニナを示したり、小鳥の糞を見つけたりして説明するのに、どんどんと引き込まれていきました。
一帯の雑木林を巡りながら、小高い丘のりょう線に出て、頂上でお昼。雲が厚く、気温も低い中でしたが、一面に落ち葉が散り敷き、見通しの効く冬の里山をたっぷりと味わいました。
途中、太いつたが垂れ下がった場所では、つたにしがみついた「ターザンごっこ」に大人も子どもも夢中になって遊ぶ場面もありました。
午後は、自然の学校がいつも利用させてもらっている畑の一角で、大きなたき火を起して、金属の缶に密封した松ぼっくりなどを炭にする「花炭」作りをしました。スギの葉、クリのいが、クルミの殻など、歩きながら拾ったものを、もみがらと一緒に缶に入れて火の中に投じます。針金でしっかりとふたをしばるのですが、中の圧力でボンとフタが飛び跳ねることも。
花炭はお茶の世界で重宝されるとのこと。黒く焦げた缶を開けてみるたびに、何人もが「どんな出来栄え」とのぞき込む人の輪が出来ました。
「本で読むのと、実際に見るのとでは全然違う」「里山を守って活動している自然の学校のみなさんの情熱は素晴らしい」など、参加者からは里山とそれを取り巻く人々の素晴らしさをたたえる声が多く聞かれました。