木漏れ日のなかを山登り。ヒヨドリ、シジュウカラなどいろいろな鳥の声が聞こえてきました。
すばらしい秋晴れのもと、28人の参加者が里山で生き物観察、山登りなど楽しみました。
11月23日、紅葉まっさかりのあきる野市横沢入(よこさわいり)で、今年最後の里山体験を実施しました。受入れてくれたのは横沢入で保全活動をしている「あきる野さとやま自然塾」のみなさんです。参加者は、森林整備をするグループと、自然観察・山登りをするグループに分かれて活動しました。
小学生の女の子も森林整備に挑戦しました。
今回の森林整備はスギやヒノキの間伐作業です。指導してくれる水野さんが、間伐をすることで光を入れて太い木を育てることなど、手入れの意味を説明してくれました。整備の経験のある参加者も多く、順調に手入れが進みました。参加した小学生の女の子2人は、最初ははじめてつかうノコギリにおそるおそるでしたが、スタッフに手を貸してもらいながら、一緒に1本の木を切ってとても満足そうでした。
山登りは、横沢入での里山体験ではじめてのルートでした。最初のロープを使って登る急斜面を過ぎると、コナラとクヌギなどの雑木林で、木漏れ日に囲まれた気持ちのいい登山道が続きます。今年はドングリの当たり年だそうで、いたるところドングリが落ちていました。案内をしてくれた自然塾のスタッフのみなさんは鳥にくわしく、鳴き声だけでメジロ、シジュウカラ、ヒヨドリ、コゲラ、ウグイスなどを教えてくれて、参加者からは驚きの声があがっていました。途中、山の片側に住宅街が広がる所があり、開発と里山保全について考える場面もありました。
自然観察は、ゆっくりと歩きながら生き物を探したり、野生のクレソンを味わったりと思い思いに楽しみました。小川のそばにある小さな水たまりを観察してみると、ホトケドジョウやいろいろなヤゴ、アメリカザリガニなどたくさんの生き物が見つかりました。生き物に詳しい小学生の男の子が大人に教えてくれたり、生き物を囲んで和やかなひとときとなりました。
今回の里山体験はすばらしい天気に恵まれて、里山の生態系の豊かさをたっぷり味わえる機会となりました。この体験を今後どのようにつなげていくかなど、最後にグループごとに振り返りをして終わりました。
【参加者の感想から】
・落ち葉を踏んで歩くなんて普段はない。楽しかった。自然があって人があって、人がある程度暮らさないとなくなるのではと思った。港区がやっていることをもっと宣伝すべき。
・解放感があった楽しい一日。子供らが勉強だけでなく、自然とふれあい人間性を豊かにする機会が必要。
・小さな水たまりにあれだけたくさんの生き物がいるとは驚いた。今人が入ってくると、山から見た団地のような入り方になってしまうけれど、今回のプログラムのような入り方を大事にしたい。
・水たまりの豊かな生態系は、実際にはもっと大きな生態系の縮図のようで、ちいさな宇宙のよう。自然が少なくなったというけれど、都会にもまだ沢山の自然が合って、捨てたもんじゃない。
作業を始めるまえに竹の種類の見分け方を教えてもらいました。雨が降っているので、全員雨着を着用して準備万端です。
10月27日(土)、あきる野市菅生地区で、里山自然体験を実施しました。
10月27日(土)、東京都あきる野市菅生地区で今年2回目の里山自然体験を行いました。季節外れの台風の影響で雨となったため数名のキャンセルがありましたが、19名の参加者が竹林整備を中心に里山の秋を体験しました。
今回、菅生で受けいれてくれたのは「自然の学校」の校長浅原さんたちリーダー4人です。「自然の学校」は菅生を中心に17年前から小中学生を対象とした自然体験プログラムを実施しているボランティア団体です。リーダーと呼ばれるスタッフの人たちは、普段仕事をしながら週末を中心に活動を続けています。
ほとんどの人が竹林整備は初めてでしたが、とても楽しんでいました。
菅生での里山体験は昨年度の冬にも実施し、山登りや自然観察を行いました。今回は楽しい体験で終わるだけではなく、より里山について知ってもらいたいと、「竹林の整備」作業がメインのプログラムとなりました。
菅生でも過疎高齢化が進んでいて、地主さんが手入れをやりきれない竹林が何カ所かあるそうです。その一つで自然の学校の畑の近くの竹林が今回のフィールドです。
最初に浅原さんから竹の種類や整備の意味の説明と、田中さんからノコギリの使い方や枝払いの仕方の指導がありました。今回の竹林にはマダケ、ハチク、モウソウチクの3種類の竹が生えており、太さや節の長さによって簡単に見分けることができます。竹は成長がとても早いためどんどん増えていくけれど、森林と同じようにある程度は間伐をして光が届くようにすることが大事だそうです。日本人にとってはとても身近な竹ですが、ほとんどの人は初めて知ったようでした。また、杉など木の間伐作業などの経験がある参加者は何人かいましたが、竹を切った経験がある人は誰もいなかったため、多少緊張気味に説明を聞いていました。
2人一組になって作業を開始しました。切り方によっては竹が早く倒れて切れ目の逆側が跳ね上がってしまうここともあり、注意が必要ですが、みなさん果敢に挑戦していました。「普通の木よりも早く切れて気持ちがいい!」と笑顔で楽しむ人や、「子どもの頃にやっていたことを思い出した」と黙々と作業を進める人もいました。
雨が強くなって来たため1時間ほどで早めに作業を切り上げ、屋根のあるところに移動してお昼ご飯になりました。菅生の食材を使ってトン汁や、浅原さん自家製の梅干し、柿などたくさんの差し入れをもらい、雨の中でしたがゆっくりと昼食を楽しみました。
食後も雨は降り止まず当初予定していた花炭作りは残念ながらできなかったのですが、事前に用意してくれた花炭の素材(木の実や葉っぱなど)を配って家で作れる方法を教えてもらいました。また、「光・たくさんの生き物が生息する環境・地産地消」をキーワードとして里山の生態系を考えるワークシートをもとに、浅原さんが里山や自然との関わり方について具体的に話をしてくれました。たまに里山に来てリフレッシュしたり楽しんだり、ということだけではない継続的な関わりをひとりひとり考えてもらいたいという思いを参加者の皆さんに熱く伝えてくれました。
最後には参加者ひとりひとりから感想をもらいました。竹林の作業は早めに切り上げたため、切った竹を片付けるところまでできなかったので、それが「とても残念だった。最後までやりたかった」という声や「今朝までは実はすこし面倒くさいと思っていたが、いざやってみると体が自然に動き出して楽しめた」という声、企業の社会貢献を担当している参加者からは、「企業としてもこのような活動に関わる社員を増やしていきたい」という声がありました。
雨の影響で当初の予定よりは少なく短いプログラムになってしまったのですが、参加者のみなさんは雨ならではの里山を積極的に楽しんでいました。
For the sustainable and peaceful future