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山里の秋の自然と味覚を堪能

2010年10月16-17日、新潟県南魚沼市栃窪集落で「山里の秋のパノラマウォークと食と暮らしの講座」を開催し、参加した12名が栃窪の自然の豊かさを体感し、ツル細工や秋野菜の収穫、郷土食を楽しみました。
今回参加したのは、山里の生活や農業に関心があるという大学生など、12名。

2日間とも好天に恵まれ、初日は地元の笛木信治さんの案内で、杉林や稲刈りが終わった田んぼの脇を散策しました。

色づき始めた標高500メートル前後の斜面には、ムカゴやアケビ、マタタビなど食べられるものがいっぱい。
色づき始めた標高500メートル前後の斜面には、ムカゴやアケビ、マタタビなど食べられるものがいっぱい。

うっそうとしたヤブの中に立ち入ると、そこはアケビやムカゴの実など、山のおやつの宝庫。恐る恐る食べてみたところ、意外とおいしいと好評でした。

昔はもっと田んぼや畑が広がっていて、アケビの実などは難なく取れて子どもたちのおやつになっていた話や、草刈りが行われなくなった結果、山が荒れ、クマも出没するようになったなど、地元の人からでないと聞けないお話を伺いました。

畑の講座で、新潟特産の食用菊を摘む。花びらが細長い袋のようになっているので内部にダシが入っておいしくなる。
畑の講座で、新潟特産の食用菊を摘む。花びらが細長い袋のようになっているので内部にダシが入っておいしくなる。

2日目は、秋野菜の収穫と郷土食の試食。地元の笛木則子さんの畑に案内いただき、ダイコンやゴボウ、ニンジン、サトイモなどを、交代で収穫しました。新潟特産の食用菊も栽培されており、直径10センチ近い見事な黄色い花を摘む作業もしました。

初めて野菜を自分の手で収穫した人も多く、野菜がどのように作られているのか、直接学ぶ貴重な機会となったようです。

収穫した野菜類は、地元の女性たちで構成された“かあちゃんず”の人たちの手で、けんちん汁となりました。参加者も野菜の天ぷら揚げや、盛りつけ作業などに入り、10種以上の料理を作り上げました。

菊の黄色、ニンジンの赤、手作り豆腐の白など、色鮮やかで盛りだくさんの昼食ができ上がり、参加者は、食感や味の良さに驚きながら、山の秋を楽しみました。

アンケートでは、「自然にあるものを取ってそのまま食べたのは新鮮な感覚だった」「交流会で農業や林業の現状について話を聞き、農山村で生活していくことの厳しさを痛感した」などの声が寄せられました。

ついに大根が見えた!大根生長の記録2

8月23日の講座で種をまいてから39日目。とうとううねから大根の白い肌が見えました。

 大きく葉が広がり、しっかりとしています。小さな種だったことが信じられないほどです。
大きく葉が広がり、しっかりとしています。小さな種だったことが信じられないほどです。
 真上から見たところ。観葉植物にも引けを取りません。
真上から見たところ。観葉植物にも引けを取りません。

講師の桑原祐子さんに指導してもらって種をまいた方を観察しました。
外側の1番長い葉を測ってみると、約40㎝にもなっていました。葉はところどころ虫に食われていますが、とても元気です。

この調子で大きくなれば、11月には立派な大根を収穫することができるでしょう。

参加者のみなさんの大根報告/浅井さん、宮部さん編

「私がまいた大根はどうなったの?」
参加者のみなさんの大根の様子を報告します。

 参加者のみなさんがどうやってた根をまくか相談した場所に、大根が育っていました。種を袋から出して分けたときの「こぼれ種」です。
参加者のみなさんがどうやってた根をまくか相談した場所に、大根が育っていました。種を袋から出して分けたときの「こぼれ種」です。

いつも報告されている写真は「講師の桑原祐子さん指導後のうね」。
講座では、祐子さんに指導してもらう前に、まず参加者のみなさんで相談して、何も教わらずに種をまいてもらいました。初めて大根の種を見た人もいた中で、みなさん考えに考えて種をまいてもらいました。
さてどうなっているでしょう?指導後の写真と比べてみると、それぞれ違いがあるようです。

大根受難

大根の葉に黒い虫がついていました。

 青々と茂った大根の葉に、黒い点々が見えました。
青々と茂った大根の葉に、黒い点々が見えました。
 葉を裏返してみると、犯人がいました。
葉を裏返してみると、犯人がいました。

この虫はダイコンシンクロムシというそうです。ざっと見ただけで4匹見つけました。彼らに罪はありませんが、大根のため畑の外側に移動してもらいました。

ちなみに、これまでに1度だけ虫除けの薬をかけたそうです。葉が育たなければ土の中の大根も育ちません。祐子さんは小さいうちに最小限の薬を使って赤ちゃんのような葉を守り、大きくなってからは絶対に使わないようにするそうです。それでもこうして虫が来ている訳ですから、全くの無農薬で野菜を育てるのは大変なことですね。

2回目の間引きを終えました。

9月18日朝8時、畑へ行きました。大根の葉は大きいもので20㎝近くに育っています。

 

 おろのいだ(=間引いた)大根菜。
おろのいだ(=間引いた)大根菜。

「ちょうどおろのごう(=おろのぐ=間引く)と思ってたから」と、講師の桑原祐子さんは大根を間引き始めました。間引くのは、3本ずつに残してあった株の中の、パッと見て1番小さいもの1本です。雪が降るまでにある程度の大きさにしなければならないので、大きいものを残していきます。
この作業、春なら大きい方を抜くそうです。「せっかく大きくなったのにどうして?」と思うかもしれませんが、春は今と違ってどんどん暖かくなるので、大きくなるのを待つことができるとのこと。「大きい間引き菜を2回食べられるよ」と祐子さんが笑って言いました。自給自足の知恵ですね。

この大根の収穫は次回11月1日(土)ー2日(日)、大収穫祭です。他にも秋野菜の収穫やその調理、第2回で取った笹を使った笹団子作りなど、お料理も盛りだくさんです。作るのも食べるのも好きな方、ぜひご参加下さい!

 一段と生長した大根。
一段と生長した大根。

うねから作る大根!初めてくわを持った参加者の挑戦。

教わりながら作った2本のうね。1本は、大根の種を見るのも初めての参加者が、何も教わらずにまいてみました。無事大根を収穫できるのでしょうか?…それ以前に、芽は出るのでしょうか??収穫は次回です。
2008年8月23日、新潟県南魚沼市栃窪集落で、今年度から始まった休日農業講座「山の上のかあちゃんの畑と料理」の3限目が行われました。
今にも雨が降り出しそうな曇り空、秋の気配も漂う涼しさの中、東京から30代ー40代の大人6人、4歳ー8歳の子どもたち6人、市内からも20代1人が参加し、うね作りや大根の種まき、夏野菜の収穫を体験しました。

 「どうやってまこうか?」穴を掘っては埋めまた掘って。穴に入れた種をまたとり出してみたり…おいしい大根を収穫する姿だけを思い描きながら、種をまきます。
「どうやってまこうか?」穴を掘っては埋めまた掘って。穴に入れた種をまたとり出してみたり…おいしい大根を収穫する姿だけを思い描きながら、種をまきます。

栃窪集落センターで行われた開講式では、前回も参加した人も多く、とても和やかに始まりました。
畑では、耕して平らにならされた一画が参加者を待っていました。講師の桑原祐子さんに教わりながら、6メートルほどのうねを2本作りました。端と端に棒を立て、ひもを張って目印にしながら、なんとかまっすぐにしようとがんばりました。一緒に来た子どもたちもくわをにぎってみました。
うねができると、まず1本目は何も教わらずに参加者だけで種をまきます。「何でも教わってやっていたら覚えられないから」という桑原さんの教育方針のもと、参加者は種を目の前に話し合いました。そして、うねをそれぞれに割り当てて、思い思いにまいてみることにしました。種をまく位置、土を掘る深さ、1つの穴に何個まくかなど、慎重に作業を進めていました。みんながまき終わった後、2本目のうねで桑原さんが模範解答をしました。その仕組みと知恵に思わず「なるほどー!」と納得する参加者でした。
種まきが終わってから、同じ畑で育ったナスとカボチャを収穫させてもらい、集落センターに戻りました。

 「目を皿にして」ごちそうを見比べます。「どれを食べようかな〜!?」
「目を皿にして」ごちそうを見比べます。「どれを食べようかな〜!?」

この後は調理実習を行う予定でしたが、時間の都合で野菜から調理まで桑原さん作となりました。ズラリと並んだ計18品のおかずの原材料のうち、自家製でないのは肉、豆腐、牛乳、卵、みそ以外の調味料、だけだそうです。今回は集落の笛木くらさん作のおかずも並び、参加者は目移りしながらおかずを盛りつけていました。

午後は、午前とは別の場所にある桑原さんの畑へ歩いて行き、ピーマンやナス、トウモロコシなどの収穫を体験しました。野菜は桑原さんの家の車庫に集め、みんなで山分けさせてもらいました。前の日に祐子さんが収穫したユウガオやメロン(甘いウリ)も追加され、新鮮な有機栽培の野菜で袋いっぱいのおみやげができました。

[参加者のふりかえりコメントから]
・実際に土にさわって畑の作業をして、食べ物が長い間手をかけられて自分たちの食卓まで来ているんだということがわかった。(30代女性/東京/2回目)
・今日まいた種を今度収穫できるのも楽しみ。食物に対する考え方が変わってきたと感じた。(40代女性/東京/初参加)
・何と言ってもやっぱりお昼がおいしかった。こういう地域の料理は、東京にいたら到底味わえない。(40代男性/東京/3回目)

次回はいよいよ最終回!4限11月1日(土)ー2日(日)です。
1日目…1限で植えた大豆や今回種まきした大根の収穫、笹団子やみそ豆作り。
2日目…栃窪集落の大収穫祭に参加。

お申し込みをお待ちしています。

お待ちかねの栃窪ランチ、今回は「夏ビュッフェ」。

ごはんを入れて全部で18種類のおかず。野菜は全部桑原さんの畑でとれたものです。

 参加者がフライを揚げている横で、桑原さんが汁物を温めています。鍋の中が気になる参加者。
参加者がフライを揚げている横で、桑原さんが汁物を温めています。鍋の中が気になる参加者。

時間の都合で、予定されていた夏野菜調理実習は、ズッキーニにバラ肉の薄切りをまいたものをフライにするところだけとなってしまい、あとは切って並べたり配膳したりして終了しました。

さてメニューは…
*ズッキーニの肉まきフライ
*卵のタルタルディップ
*ナスとネギの炒め物
*ユウガオのピリ辛炒め
*ユウガオのきんぴら
*ゴボウと人参のきんぴら
*ゴーヤの梅おかか和え
*ゆでモロヘイヤ×しょうゆ
*ぬか漬け(キュウリとナス)
*冷やしトマト
*蒸しかぼちゃ×ツナマヨソース
*夏野菜けんちん汁(ネギまたはミョウガの薬味付き)
*シソみそ
*えご
*枝豆
*ハムとズッキーニの炒め物
*カスピ海ヨーグルト×自家製イチゴジャム
*ごはん

自家製ではない食材は肉、豆腐、牛乳、卵、調味料のみです。

 少しずつ取ったのに、お皿からはみ出しそうです
少しずつ取ったのに、お皿からはみ出しそうです

大皿に盛りつけられてズラリと並んだおかずたち。参加者は好きな分だけ取ることができましたが、それぞれを少しずつ取っただけでもお腹がいっぱいになってしまいました。

これだけ多彩なメニューが自分の畑で採れる野菜でまかなわれる、桑原さんのお宅の食卓の豊かさが垣間見える「栃窪ランチ」でした。