高野孝子のグリーンランド報告会に35人

エコプラスの高野孝子代表理事による「グリーンランド衛生報告会」が09年11月30日に、東京都千代田区の神田公園区民会館で開かれ、35人の参加者のみなさんが、温暖化が進むグリーンランドの様子に見とれました。

 

集まった参加者を前に話すエコプラスの高野孝子代表理事
集まった参加者を前に話すエコプラスの高野孝子代表理事

高野孝子代表理事は、今年7月から8月にかけての6週間、英国の野外教育組織のリーダーの一人として、グリーンランドへの遠征隊に加わりました。この日の報告会では、その期間に出会ったグリーンランドの自然とそこで過ごした英国の青少年たちの野外活動の模様を報告しました。

滞在先となったのは、グリーンランド南端のタセルミユウトフィヨルド。氷河で削られた長く深い湾から、標高1,500メートルから2,000メートル以上の山が、並びそびえる場所です。写真で紹介された光景は、花にあふれ緑に覆われた海岸べりの斜面と、岩だらけの山肌、そしてその奥に見え隠れする巨大なアイスキャップと呼ばれるグリーンランド全体を多く分厚い氷の平原。参加者らは圧倒的な光景に、深く見入っていました。

グリーンランドでの撮影の模様などを語る映画「地球交響曲」の龍村仁監督
グリーンランドでの撮影の模様などを語る映画「地球交響曲」の龍村仁監督

高野代表が加わったのは、青少年の海外遠征を実施する教育組織としては世界で最も古い英国学校探検協会(British Schools Exploring Society)のプロジェクト。1932年(昭和7年)設立という伝統に裏打ちされ、毎年、複数の海外遠征を行っています。今回は48人の参加者に24人のスタッフが同行。12人ずつに分かれた参加者を率いる冒険担当のリーダーとして高野代表は活動しました。

グリーンランド報告続き

 

高野が実際に遠征の際に使った英国流の乾燥食品が、会場で試食用に提供された。
高野が実際に遠征の際に使った英国流の乾燥食品が、会場で試食用に提供された。

「参加者の中には、極度のアレルギーやぜんそく、足の障害などさまざまな病気を抱える女性や、学校に合わずに軍に入った若者ら、いろんな人が集まっている。問題はあるけれども、こういう冒険には参加したいというのが英国の伝統」「参加者は日本円で80万円前後という参加費を、いろんな活動をしながら集めてくる」「指導者は、中心の数名以外は全員ボランティア。しかも参加費まで払って5週間の休みを取って手伝いにやってくる」などと、日本とは違ったアプローチでの体験活動の組み立て方を高野代表が説明しました。

報告会には、エコプラスのヤップ島プログラムに参加した大学生らから、大学で野外教育を教える日本一流の指導者ら多様な顔ぶれが集まりました。実際に高野代表と一緒にグリーンランドに行って、映画「地球交響曲第7番」の撮影をした龍村仁監督も姿を見せ「実に光景がすばらしい。来年公開の第7番にはいろいろこのグリーンランドの光景が出てくることになる」と語りました。

神田公園区民会館は、定員いっぱいの参加者で埋まりました。
神田公園区民会館は、定員いっぱいの参加者で埋まりました。

冬支度

集落内のあちらこちらで、冬支度をする姿が見られます。

 

今日は日中気温が9度でした。陽が差して暖かく感じていたのですが、それでも10度までは上がりませんでした。

集落センターから見えた、今日の巻機山の様子。
集落センターから見えた、今日の巻機山の様子。

集落センターから向かいの巻機山を見ると、うっすらと雪化粧をしていました。栃窪のシンボルたる山も、頂上の方にほんの少しだけ雪が降ったようでしたが、昼にはとけていました。

集落内では、雪囲いをする人、ほだ木のキノコをとる人など、冬支度をする姿が見られました。冬に向かう寒さの中で、畑から野菜をとって来た野沢菜を、山からひいた冷たい水で洗っていたおばあさんもいました。「寒い」と口にするのが申し訳ない気持ちになりました。

「田んぼのイロハ」でお世話になっているパノラマ農産の作業所も、雪囲いをしていました。
「田んぼのイロハ」でお世話になっているパノラマ農産の作業所も、雪囲いをしていました。

清水のナメコ

11月15日、清水集落の小野塚忠一さんが自分で育てたナメコを事務所に届けてくださいました。

 

私の人指し指と比べるとその大きさがわかるでしょうか。
私の人指し指と比べるとその大きさがわかるでしょうか。

忠一さんの持って来てくださったカゴいっぱいのナメコは、スーパーなどではまず見かけないような立派な大きさで、つややかに光っていました。

「ナメコが出たらやるからって約束してたんだ。11月3日に清水に来るって言ってたから持って帰ってもらおうと思っていたけれど、雪で中止になっただろう。送ってやってくれ」と、朝採ったばかりのナメコを2キロほど持ってきれくれたのでした。9月末の清水での「やまざとワークショップ」の時の参加者と、夜の交流会の席で交わした約束でした。

これで約220gほどです。見事なつややかさ。標高の高いところで育ったナメコは、ヌメリがあって格別においしいそうです。
これで約220gほどです。見事なつややかさ。標高の高いところで育ったナメコは、ヌメリがあって格別においしいそうです。

「雪が降ってしまったからいまいちコリコリしないのだけど、約束したから。今年はあまり出が良くないな。自分より上のほうでやっている人は出てないと話していた。昨年の5月にみんなでコマを打ったところも細い木に少しでたばかりだ」と話しておられました。

受け取ったナメコは、9月のやまざとワークショップ参加者にお送りしました。

09いきものプロジェクト第6回報告

寒くなり、見つけられる生き物の数が減っていました。
2009年第6回目の「栃窪いきものプロジェクト」が、11月7日(土)に行われました。参加者は、地元や新潟県内からの人、首都圏からの「田んぼのイロハ」参加者など34人。集落を散策しながら、生き物の様子を観察した他、村はずれまでイノシシが田んぼを掘ったあとを見に行きました。
今回は、栃窪集落のイベント「とちくぼ秋のパノラマウォーク」の一環の「生態系観察会」としても行われました。

毎回観察している、スイレンの田んぼ。まわりの木々が色づき、スイレンの葉も黄色くなっていました。
毎回観察している、スイレンの田んぼ。まわりの木々が色づき、スイレンの葉も黄色くなっていました。

はじめに講師の深沢さんから栃窪の生態系について説明を受け、生き物調べへ出発しました。
小学校裏のスイレンの田んぼ、「清水端」のため池、定点観測をしている「桐木平」の田んぼ跡、の順番に移動しながら、生き物を観察しました。観察したのは、コオイムシ、ドジョウ、タニシ、オヤンマのヤゴ、アカハライモリ、トビケラの幼虫(筒状の葉)、ギンヤンマのヤゴ、ザトウグモ、オタマジャクシなど。

桐木平から集落センターへ戻りかけたところに地元の人がいて、「イノシシの掘った穴を見せに行こう」と誘ってくれました。村はずれの大狭間というところへ行ってみると、山すそからすぐ近くの田んぼの一画に、足あとや、鼻先で掘ったのではないかという、直径1メートルくらいの穴がありました。

観察したコオイムシ、ドジョウ、ヤゴ。
観察したコオイムシ、ドジョウ、ヤゴ。

深沢さんによると、「いい生態系」とは、たくさんの種類の生き物がいることと、大きいものがいること。栃窪は針葉樹・広葉樹の混交林で、多様な生き物が生きられる場所だとのことです。また、「イノシシは、今まで栃窪にはいなかった動物。生態系が変化してきているかもしれない」「寒くなり見つけられる生き物が減ってきていた」とも話していました。

(09年第6回報告)田起こしと豆腐づくりを体験

2009年11月7-8日に、南魚沼市栃窪地区で、クワを使った田起こしや豆腐づくりを体験しました。
休日農業講座「田んぼのイロハ」の今年度最後の回が、11月7-8日に開かれました。首都圏の親子連れや会社員、学生など15人が参加しました。

石うすを見て、地元の子どももやって来ました。交代しながら、にぎやかに石うすを回しました。
石うすを見て、地元の子どももやって来ました。交代しながら、にぎやかに石うすを回しました。

1日目は、地元の笛木晶さんに豆腐づくりを教わりました。
使った大豆は約3キロ。7月の草刈りの回にイロハ田んぼのあぜに苗を植え、10月の稲刈りの回に無事収穫した、「あぜ豆」です。
笛木さんの家でずっと使われてきた石うすで、一晩水に浸した大豆を、1時間半近くかけてひきました。できた大豆の汁を煮立たせ、熱いうちに木綿でしぼった液ににがりを入れ、固まってきたものを、木の箱に流し入れて重しをかけました。翌日、味の濃い、しっかりした豆腐ができていました。

2日目は、地元の桑原一男さんを講師に、昔ながらの「田起こし」を体験しました。稲を刈り取った後の株を土にかえし肥料にする、来年の米づくりに備える作業です。
「3本グワ」という刃が3本に分かれた田起こし専用のクワを、地元のみなさんに借りて使いました。クワの刃先は鋼(はがね)でできていて、どれも30−40年間使い込んでいるものだそうです。このクワで田起こしを行っていた頃は、集落に鍛冶屋がいて、修理や手入れをしてもらえたとのこと。中には5本グワもありましたが、それはあぜを作るためのクワだそうです。

ヨコ一列に並び、一人2,3列ずつを耕しました。
ヨコ一列に並び、一人2,3列ずつを耕しました。

参加者は黙々とクワを動かし、クワの刃を土に入れるザク、ザク、という音が辺りに響いていました。田んぼにはぬかるむ場所も多く、ところどころに水もたまっていました。参加者は足を取られそうになりながらも、クワにつかまってバランスをとっていました。
午前9時に始め、約2時間で一反近くの田んぼ全体を耕しました。

田起こしの後は、パノラマ農産が主催する、地元のみなさんの収穫祭に参加しました。
きねつきもち、ヌカ釜炊きのご飯、何種類もの漬け物など、地元食材のごちそうが並びました。参加者が前日から作ったあぜ豆の豆腐も、具だくさんのけんちん汁に仲間入りしました。
参加者は、田起こしの疲れも忘れ、談笑しながら味わっていました。

また、今回は1日目の始めに、栃窪集落の地域活性化のイベント「とちくぼ秋のパノラマウォーク」の一環として行われた生態系観察会にも参加し、集落内を散策しながら生き物を観察しました。1度雪が降ったからか、生き物の数は多くありませんでしたが、コオイムシやカエル、ヤゴ、オタマジャクシなどを観察しました。

とちくぼ秋のパノラマウォークについてはこちら
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=9&aid=801

ふりかえりでは、参加者から「景色がすばらしいので、また来たい」「手づくり豆腐やきねつきもち、どこにでもあるけれど、今日ここでしか食べられないもの」「食べ物から活力を受け取った」などの感想が聞かれました。

初雪が降りました

昨日11月2日、栃窪に初雪が降りました。昨年より15日早い初雪です。3日10時現在も降り続けています。

11月3日9時撮影。小学校の後に見えるはずの栃窪のシンボルである「たる山」が、降り続く雪でみえません。
11月3日9時撮影。小学校の後に見えるはずの栃窪のシンボルである「たる山」が、降り続く雪でみえません。

昨日11月2日の午後から降り始めたみぞれが、夕方近くには雪に変わり、今でもシンシンと降り続いています。辺りはすっかり銀世界に変わりました。

昨日の昼間から動かしていない車。15センチほどの雪が積もっています。
昨日の昼間から動かしていない車。15センチほどの雪が積もっています。

3日10時現在の気温は1度。昨日から動かしていない自動車の上には15センチほどの雪が積もっています。

雪が音を吸収してしまうためか、鳥の声や木々が揺れる音が聞こえず、集落が一気に静かになった感じがします。

昨年の初雪は11月19日でした。
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=6&aid=664