東京都心で、エコプラスの活動のトークとパネルで紹介

2011年10月26日、東京・日比谷で、エコプラスの田中博子事務

参加者が展示された写真パネルを眺めている様子。
参加者が展示された写真パネルを眺めている様子。

局次長が「奥山のビオトープに集う生きものと人々」をテーマに、過疎高齢化が進む日本の農山村の現状と可能性などを語りました。

10月17日より、「生物多様性の視点から見る日本の農山村の現状と可能性」と題して、清水集落での生物多様性保全の取組みを中心としたエコプラスの活動紹介パネル展示を、日比谷の世界銀行情報センターにて開催しています。

26日の夜には「『奥山のビオトープ』に集う生きものと人々」というテーマで、トークイベントを実施。事務局の田中が、活動のスライドやビデオを見せながら、プロジェクトの実施による生物相と地域の人たちの変化等を紹介しました。過去にプロジェクトに参加してくれた人たち7人を含め、20名が集まりました。

資料を見ながら、20人がトークイベントに参加。
資料を見ながら、20人がトークイベントに参加。

参加者はハッチョウトンボの赤、モリアオガエルの緑、ルリボシヤンマの黄色と水色の縞模様など、色鮮やかな自然の生きものたちの写真パネルをじっくりと眺めた後、活動についての話に真剣に耳を傾けていました。
会場からは「清水集落の取り組みから、周囲の集落にはどのような広がりがあるのか」という質問や「自分もビオトープを作る活動をしているが、参考になった」などの声があがっていました。プロジェクトに数回参加してくれているご夫妻からは「身近なところにも、探せば生物多様性が見つかることに気づいた」というコメントも。

東京のビルの中で山里の生きもののパネルに囲まれながら、生物多様性について考えてもらう機会となりました。

パネル展示は、10月28日(金)まで行われています。
パネル展の詳細はこちら
http://go.worldbank.org/8S8XOZD240

共催:経団連自然保護協議会(KNCF)
世界銀行情報センター(PIC東京)

エコプラスの活動を題材した研修会が開かれました

2011年10月16日、「生物多様性保全活動促進法」の施行に伴う環境省主催の研修会が、エコプラスの活動を題材に新潟県南魚沼市で行われました。
2011年10月16日、「生物多様性保全活動促進法」の施行に伴う研修会が、エコプラスの「TAPPO南魚沼やまとくらしの学校」の活動を題材に新潟県南魚沼市で行われました。環境省が主催し、全国10カ所で行われる研修会の始めの会でした。
参加者は、報告者を含めて33人。南魚沼市や十日町市などから、県職員、市職員、教員、地域支援員、生協職員、環境教育の専門家、高校生など様々な立場の人たちが集まりました。

午前中は、上越国際スキー場ホテルグリーンプラザ上越のホールを会場に様々な立場の7人からの講義や事例報告がありました。
日本テレビの「DASH村」で「里山博士」として出演している社団法人地域環境資源センターの守山拓弥さんの講義では、豊かな生態系を取り戻すためには、例えば用水路上にふたをすることで生き物が落ちてしまわないようにするなど、水田を中心にした環境で、生きものが移動できる工夫が重要であることなどが話されました。
その後の事例報告では、エコプラス代表理事の高野、清水地区活性化委員長の阿部和義さん、栃窪区長の笛木晶さんから、TAPPOの取り組みの概要や成果と課題などが報告され、NECフィールディングCSR経営推進部長の櫛部健文さんからは、企業が行っている森林整備ボランティア活動の様子などが、新潟県農地部農村環境課の土屋恒久さんからは、新潟県では災害に強い地域づくりを進めていくことなどが紹介されました。

午後は、栃窪集落に移動して、栃窪の女性グループ「栃窪かあちゃんず」特製ランチをいただいた後、栃窪集落で毎月1回実施している「生きもの調べ」に参加し、環境保全につながる取り組みの現場の視察を行いました。
かあちゃんずランチでは、ゼンマイや車麩の煮物、糸ウリのカラシナマスなどの栃窪の昔からの「ごっつお」が振る舞われました。十日町市松之山の食堂でスタッフをされている方は「糸ウリをカラシ和えにするのは初めてだ」と話していました。
生きもの調べでは、観察を続けている池から栃窪の子どもたちがアカハライモリなどを次々にすくいあげてくる様子に、参加者は驚いていました。

視察後は栃窪を例とした「生物多様性保全活動促進法」の活用の仕方などが、里なび研修会の事務局を務める里地ネットワークの竹田純一さんから説明されました。多くの参加者から「さらに連携を深めて地域づくり活動を進めていきたい」という声がありました。

里なび研修会の詳細はこちらをご覧ください。
http://www.satonavi.go.jp/

水害田んぼの稲刈りボランティアに260人

高さ20m前後の杉の木が何本もなだれ込んだ田んぼでの稲刈り。地元の中学生がやってきた。
高さ20m前後の杉の木が何本もなだれ込んだ田んぼでの稲刈り。地元の中学生がやってきた。

山からの木々や土砂が流れ込んだ、新潟県南魚沼市の水害田んぼでの稲刈りボランティアに、9月中旬からのべ260人のみなさんが参加しました。

7月末の新潟・福島水害で多くの田んぼが崩れた新潟県南魚沼市での稲刈りボランティア活動に、遠くは大阪、京都、愛知、首都圏、山形などから多くのみなさんに支援に来ていただきました。

9月23日から10月10日までの15日間で、同市栃窪、樺野沢、天野沢の3地区で合計約50枚の被災田んぼの稲刈りが出来ました。

泥が入ってひざ近くまでうまる田んぼ。長靴がすっぽ抜ける事態が相次ぎました。
泥が入ってひざ近くまでうまる田んぼ。長靴がすっぽ抜ける事態が相次ぎました。

中には、40アール前後ある大きな田んぼの半分以上に厚い泥や樹木が流れ込んで一部ではひざまで埋まる中で手刈りをしなければならないところもあり、支援を受けた農家の方からは、本当に助かったとの声が相次ぎました。

同時に、生まれて初めて稲刈りをしたという人がシルバー世代でも珍しくなく、食を支える農の現場に触れる貴重な機会にもなったようです。

水害にあった田んぼで、ボランティアが稲刈り支援。10月1-2日の2日間 に計46人が参加。

水害にあった田んぼでの作業風景。背景には山崩れの跡が見えます。
水害にあった田んぼでの作業風景。背景には山崩れの跡が見えます。

7月末の豪雨により大きな被害を受けた新潟県南魚沼市で、10月1日、2日の週末に、首都圏や地元からのボランティアが手刈りで稲の収穫を手伝いました。

2011年10月1日から2日にかけて、7月末に起きた新潟・福島豪雨によって土砂崩れなどの被害を受けた新潟県南魚沼市栃窪集落の田んぼで、ボランティアが手刈りで稲の収穫作業を行いました。

水害で土砂と一緒に石や木が流れ込んでしまった田んぼでは、コンバインによる刈り取りができません。そのため、稲の刈り取りは、手作業で進める必要があります。栃窪では50枚以上の田んぼが被害を受けたとの報告があり、高齢化が進む集落では、人手が不足している状況でした。

刈り取った稲は、こうして力を合わせて引っ張って運びました。
刈り取った稲は、こうして力を合わせて引っ張って運びました。

10月1日-2日の活動に集まった参加者は、エコプラスやボランティア関係のネットワークからの呼びかけで集まった首都圏の学生や社会人ら18人。1日には地元新潟の公務員チームと合わせて45名の活動となりました。

大人数となった1日目には、棚田が崩れ落ちて土砂が流れ込んだ田んぼ6枚で作業、2日目には、コンバインが入れる部分とそうでない部分がある田んぼの3枚で、地元の農家の方とともに手刈りをしました。

田んぼの持ち主からは「何十年も農家をやってきたが、こんな水害は初めて。山の上に住んでいて、水害にあうとは思わなかった。みなさんに収穫を手伝っていただいて、助かりました。本当にありがとうございました」という言葉がありました。

参加者からは、以下のようなコメントがありました。
・大雨から2カ月以上が経ち、もう平気になっているかと思っていたが、全然そうではなかった。
・自然の災いと恵みの両方を見ることができた。
・災害にも負けないコメの姿、人の姿に感動した。

稲刈りボランティアは、10月の中旬まで栃窪で展開する予定です。10月9日—10日には、東京から再びチャーターバスが出ます。参加希望の方は、TAPPO南魚沼やまとくらしの学校(tappo@ecoplus.jp、025-782-5103)までご連絡ください。

http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=9&aid=999