ブナの原生林などで、秋の自然と味覚を堪能

明るいブナ林をみんなで散策。途中にはアケビの実が成り、足下にはいろんなキノコが顔を出していました。
明るいブナ林をみんなで散策。途中にはアケビの実が成り、足下にはいろんなキノコが顔を出していました。

2014年9月27-28日の週末、新潟県南魚沼市の清水集落を舞台に「清水生きもの復活大作戦秋の巻」を行い、ブナ林や棚田跡で自然を観察。季節を迎えた原木ナメコたっぷりの食事を楽しみました。

2014年9月27-28日の週末、新潟県南魚沼市の清水集落を舞台に「清水生きもの復活大作戦秋の巻」を行いました。首都圏や地元からの幼稚園生から82歳の専門家までが一緒になって、ブナ林や棚田跡で自然を観察。季節を迎えた原木ナメコたっぷりの食事を楽しみました。

保全地域での観察。以前は乾燥してカヤなどが密生していた棚田跡は、水を引き込んだために次々と生きもの姿が戻ってきています。
保全地域での観察。以前は乾燥してカヤなどが密生していた棚田跡は、水を引き込んだために次々と生きもの姿が戻ってきています。

2日間とも透き通った青空が広がる絶好の日和。標高1,700m以上の稜線付近は、鮮やかな赤、オレンジ、黄色に色づいていました。

初日は、集落からさらに奥に入った標高1,000m前後で、清水集落が地域活性化のために展開している原木ナメコの栽培現地を訪問しました。一部が黄色くなり始めたブナ林は、真上からの強い日差しを通してきらきらとした明るさ。落ち葉に半分埋もれた直径50センチもある原木からは、所々、ナメコが発生し始めていました。

集落では、2008年から毎年、10本前後のブナなどの払い下げを受けて、ナメコ菌を打ち込んできました。菌打ち後、2年ほどしてやっと出てくるナメコは、500円玉を超す大きさに育ちます。今回は出始めの小さなものも含め、計7キロが収穫できました。

ブナの巨木には、クマがよじ登ったつめ跡があちこちに。村人から「春先、冬眠明けのクマが木に登って新芽を食べた跡だ」との説明を受け、参加者一同が、高さ20m近いブナを見上げ続けました。

2日目は、4年目に入った棚田跡の環境保全地域の観察と保全活動。水を入れた棚田跡を網ですくうと、動くものが次々と見つかりました。大小さまざまなヤゴ、長さ数ミリの昆虫の幼生、コオイムシ、ゲンゴロウの仲間。長さ数センチ、首にえらが出ていた四つ足の生きものは、アカハライモリの幼生だろうと専門家の一人、深沢和基さんが説明してくれました。

今回は巻機山への登山客が殺到して清水地区の民宿が混雑したため、活動の拠点は、昭和初期に建てられた古民家を使わせてもらいました。食事は、地元の一番のお勧め、原木ナメコをゆでてそのままという「ナメコじょっき」のほか、汁には最高といわれる「アマンダレ(クリタケ)」と呼ばれるキノコも入ったけんちん汁、無農薬天日乾燥の最高級コシヒカリのご飯など。クマ肉の差し入れもあり、村人も参加した懇談会では、村の暮らしについての話があふれました。

快晴とあって、夜には星空観察も。明りのない道にみんなで寝転がって、天の川がくっきり浮かぶ星空も楽しみました。

参加者からは「すべてが初めての体験でした」「ナメコがおいしかった」などというコメントが続きました。