「文化」タグアーカイブ

「幸せ」とは何か、を石貨の島に探す・・・ヤップ島プログラム2017参加者募集

メンズハウスと宇賀神さんたち
 8月下旬の約2週間、高校生から大学生前後の若者たちを対象に、ミクロネシア連邦ヤップ島で、自然と深くつながった暮らしにお邪魔させてもらいます。人と自然、人と人、人と社会のつながりやかかわり方について考え、本当の豊かさを見つめ直すプログラム。
 スマホを置いて、旅に出ましょう!
 スイッチひとつで明かりがつき、指先だけで人とつきあう日々。そこからは見えない世界が広がります。
 自分の手で燃料を集め、乾かし、火を付け、調理し、目の前の人と真正面から向き合う。ひととしての基本に立ち返り、改めて生きる意味を感じ、考えます。

*プログラム概要
【日程】8月下旬の2週間程度(8月15日から27日を想定)
【対象】15~22歳程度の健康な男女。身体の障害、国籍は不問。新しいことに取り組み、自分の可能性にチャレンジする意欲を持つ人。
【参加費】26万円程度(渡航運賃、滞在費など。事前準備、個人装備、空港までの旅費、保険料を除く)
【定員】:12名程度(定員に達し次第締め切りとさせていただきます)
【プログラムの流れ】
 ・説明会 随時、エコプラス東京事務所(大阪、名古屋でも開催予定)
 ・顔見せ会 5月末…メンバーの顔合わせと準備などを説明します。
 ・事前キャンプ 6月初旬…神奈川県丹沢でヤップでの生活をイメージしながら1泊2日のキャンプを行います。
 ・ヤップ島へ出発!
 ・報告書の作成(9月)と報告会(11月頃)

【申し込み、問い合わせ】
 特定非営利活動法人ECOPLUS info@ecoclub.org
 03-5294-1441  03-5294-1442(fax)
 問い合わせをいただければ、これまでの報告書などをお送りします。

ヤップ島プログラム2017仮申込書

古民家再生のドイツ人建築家ベンクスさんに「ふるさとづくり大賞」

 1月の国際シンポジウムで基調講演をしていただいたドイツ人建築家のカール・ベンクスさんが、総務省が行う「ふるさとづくり大賞」の総理大臣賞に決まり、2月4日に表彰式が行われました。

ベンクスさんからいただいた受賞のお知らせ

 カールさんはクリスティーナ夫人とともに、新潟県十日町市の山里に暮らしながら、日本の古民家の再生に情熱を注いできました。1月の国際シンポジウムでも、「よみがえる古民家」という発表をしていただいたばかりです。

 総理大臣賞ということで、3月にも安倍総理大臣から直接賞状が手渡されるとのこと。地道に、ひたむきに、日本の伝統である木造建築に向き合っていただいたことは、逆にこの血に住むものとして恥ずかしい気持ちもします。

 すでに50軒の古民家を再生し、さらに現在5つのプロジェクトが進行中。「100歳まで長生きして100件を再生します」というコメントがいただいたお手紙に書いてありました。

栃窪の歴史と文化、自然を満喫

2010年8月15−16日、新潟県南魚沼市栃窪で「夏休み、緑あふれる山里体験プログラム」を開催し、参加した23名が栃窪の歴史と文化、自然を満喫しました。
新潟県南魚沼市栃窪で、2010年8月15−16日、「夏休み、緑あふれる山里体験プログラム」を開催しました。

参加したのは、中学校1年生から60代までの23人。東京、埼玉、千葉、大阪、京都など、普段は都市で生活しつつも、山里の昔ながらの暮らしや文化に関心を持っている人たちでした。

栃窪集落を一望できる樽山に登り、散策コースや絶景ポイントを見て回りました。
栃窪集落を一望できる樽山に登り、散策コースや絶景ポイントを見て回りました。

地元の郷土史家による歴史講演会や盆踊りに参加したほか、棚田の散策やパノラマウォークを楽しんだり、地元の女性たちが作った郷土食を堪能したりと、栃窪の歴史と文化、自然を満喫した1泊2日となりました。

このプログラムは、過疎高齢化が進む栃窪集落の地域づくりに向けて、集落内外の人が一緒になって、地域の資産を改めて見直す活動の一環として実施しました。

参加者からは、「栃窪集落周辺には意外と観光資源が多くあって、いくつかを組み合わせるとさらに充実した時間が過ごせると思った」「今持っている資源は地元にとって宝なので、これをどんな形で活かしていけるかにかかってくると思う」などの声が集まりました。

栃窪の盆踊りに参加して、地元の方々と交流を深めました。
栃窪の盆踊りに参加して、地元の方々と交流を深めました。

こうして集まった意見やアイデアを栃窪の活性化や地域づくりに活かしていきます。秋にも今回と同様のプログラムを実施する予定です。

【参加者の感想】
・すばらしい自然、人、料理・・・!最高です!
・地元の方々が温かく、気さくに受け入れてくださったことが印象に残った。
・当たり前ですが、それぞれの地域には、それぞれの深い歴史があるということを再認識した。
・歴史、自然、人々、暮らし、全て豊かでした。
・日常生活の中に「地に足をつけた」生活をできるだけ取り入れていきたいと思った。
・またくり返し訪れて、いろんな角度から見てみたい。

大雪の栃窪で子どもたちが「雪国暮らし体験」を楽しみました

1月16-17日、断続的に雪が降る雪国らしい天気の中、首都圏の小学生5人が、栃窪の子どもたちやお兄さんたちと一緒に雪国の遊びと暮らしを体験しました。
1月16-17日、新潟県南魚沼市栃窪集落で小学生を対象とした「雪国暮らし体験」が行なわれました。東京、埼玉、神奈川から集まった5人が、栃窪の子どもたちと一緒に、雪遊びや村の小正月のお祭りである「さいの神」、あんぼ作りなどを体験しました。

栃窪では今年に入ってから大雪が続き、道路の両側には2メートル以上の雪の壁ができていました。プログラムを行なった2日間も断続的に雪が降る雪国らしい天気となりました。

参加者が宿泊する集落センターに到着後、まず、栃窪の子どもたちやお兄さんたちと顔を合わせ、2日間の目標やルールの確認しました。その後着替えてさっそく雪遊びに出ました。
前日の晩には50センチ以上の雪が降っていたため、冬は誰も通らない小学校の校庭はふかふかの雪のプールのようになっていました。子どもたちは「これ校庭?」とびっくり。栃窪のこと、雪のことをよく知っている地元のお兄さんたちに、雪の危ないところや雪での遊び方を教わりながら、全身雪まみれになりながら体いっぱい遊びました。

正月飾りを集めて回っている様子。子どもたちが持っているビニル袋の中には、しめ縄やお札などがたくさん。
正月飾りを集めて回っている様子。子どもたちが持っているビニル袋の中には、しめ縄やお札などがたくさん。

午後は「さいの神」の準備です。「さいの神」は、「どんどやき」とも呼ばれる、正月飾りなどを燃やして「無病息災」「五穀豊穣」を祈る昔から続くお祭りです。今回は「さいの神」で燃やす正月飾り集めを、地元の子どもたちに交ぜてもらい参加しました。みんなで分担して栃窪全世帯の約60軒のお宅を回りました。玄関先で子どもたちが「飾りを集めに来ました」と声をかけると、家の人は「ありがとう」と言って、大きなしめ縄やだるま、お札などを出してきてくれました。はじめは恐る恐る声をかけていた子どもたちも、最後は大きな声を出していました。
飾りを集めた後は、栃窪の子どもたちと一緒に3,4人のチームに別れてかまくらを作りました。トンネルのようなものや、中にイスがついているものなど思い思いのかまくらができました。
飾り集めやかまくら作りなどを一緒に行い、参加者と栃窪の子どもたちはしだいに仲良くなっていきました。
夕食後、「さいの神」のお祭りに参加させてもらいました。ワラを積み上げて出来た塔には、昼間みんなが集めて来た飾りがつけられていました。ワラにつけた火でお餅やスルメを焼いて食べ、1年の健康を祈りました。

2日目の午前中は、地元のお母さん3人に教えてもらい「あんぼ作り」を体験しました。あんぼは、戦時中や戦後など良いお米が家では食べられなかった頃に、未熟米を粉にした「いるご」を使って作っていた昔ながらの食べものです。こねるのはなかなか力のいる作業でしたが、低学年も一生懸命にやっていました。自分たちで作ったあんぼは昼食に豚汁と一緒に食べました。中には大根菜がたっぷり入っています。野菜が嫌いという子も「おいしい」とパクパク食べていました。

2日目午後は消防小屋のまわりや消火栓の雪かきをしました。スノーダンプを持つ姿もなかなかさまになっていました。
2日目午後は消防小屋のまわりや消火栓の雪かきをしました。スノーダンプを持つ姿もなかなかさまになっていました。

午後は、雪かき作業と雪遊びの後、まとめのふりかえりと片づけをしてプログラムが終わりました。
ずっと雪が降り続いた2日間。長靴や服が濡れて寒い思いもたくさんしましたが、子どもたちからは笑顔がはちきれていました。

今回のプログラムは、地元の高校生から20代の若者たちが中心となり企画・運営し、エコプラスが協力して実施しました。
【参加者の感想】
・みんなで仲良く楽しく雪あそびをしたことが良かった
・かまくらを作ってこわしたことが楽しかった
・東京と違って雪がいっぱいあるからびっくりした
・栃窪の人たちは、近所の人同士、とても仲が良いと思った

厳しい冬も『住めば都』やまざとの食と暮らし講座最終回「冬の保存食講座」

厳しい冬の思い出を笑って話してくれたお母さん方の明るい笑顔。山里の暮らしの心の豊かさに触れました。
2010年1月16日、「冬の保存食講座」を新潟県南魚沼市栃窪集落で行いました。ドイツ人の一家を含む東京、長野、南魚沼市周辺からの11名が参加し、地元の笛木イミ子さん、笛木清子さん、桑原アヤ子さんを講師に栃窪の冬の食について学び、体験しました。

保存食材を紹介している様子。
保存食材を紹介している様子。

自己紹介の後、まず笛木さんたちが嫁いで来た頃の栃窪の冬の暮らしについて聞きました。簡単に車で行き来できる道はなく、当時の厳しい冬の思い出が語られました。食料品の買い出しにも簡単には行くことができなかったため、春から秋にかけて採集した山菜や畑で収穫したものを、干したり塩漬けにしたりして保存し、春まで過ごしたそうです。
今は自動車に乗り冬でも買い物に出かけることができますが、笛木さんたちは今でも山菜や野菜を保存し食材として利用しています。保存しているものを実際に見せてもらった参加者は、その種類の豊富さや色の鮮やかさに驚いている様子でした。

野菜をワラで編み込み、つるして干す保存方法を体験。
野菜をワラで編み込み、つるして干す保存方法を体験。

午後には、笛木清子さんのお宅を訪ね、車庫に保存してある野菜や漬けものを見せてもらったり、野菜をワラでつるして干す保存方法を教わったりしました。その後の質疑応答では、山菜の調理に関する具体的な方法やコツなどの質問がありました。「栃窪に住んでいて良かったことは」という質問があり、笛木さんたちは「空気がいい」「人付き合いが気楽」などと答えました。また、「嫁いでから数年は大変なところに来てしまったと思っていたが『住めば都』。今はいいところだと思う」と笑って話してくれました。

見せてもらった保存食材を使用した昼食は大好評で、近隣の町村からの参加者も「一度にこれだけの山菜料理を食べられる機会はない」「お店を出してほしい」と絶賛していました。

参加者のふり返りコメントでは、「これまでは食材を捨ててしまうことが多かったが、今日教わったことを活かして保存食を利用したい」「笛木さんたちの笑顔が印象的だった」「栃窪はものが少ない分人のつながりがあり豊かであると感じた」などの感想が聞かれました。

このところ続いている雪で在来線の運行は見合わせ、プログラムの開始は40分ほど遅れてしまいましたが、笛木さんたちは「雪がたくさんあって栃窪らしいところを見てもらえた」と笑い飛ばしていました。

「やまざとの食と暮らし講座」は今回で予定していた4回の講座を終えました。「山菜は暮らしそのもの」「住めば都」という集落の人の言葉から、栃窪という山里の「食と暮らし」には、自然に親しみ暮らしを楽しむ知恵がたくさんつまっているということをあらためて学びました。

しめ縄づくり

栃窪集落では12月30日の夜にしめ縄作りが行なわれました。
栃窪集落では12月30日の夜にしめ縄作りが行なわれました。集落センターには30代から70代までの20人ほどが集まり、2時間ほどで全長4メートル、太さ30センチほどあるしめ縄が完成しました。作られたしめ縄は、リュウの胴体とゾウの頭がかたどられているそうです。

太さ10センチ、長さ4メートルの縄を作っているところ。ワラの束を、叩いてキレイしたワラで締め上げていきます。
太さ10センチ、長さ4メートルの縄を作っているところ。ワラの束を、叩いてキレイしたワラで締め上げていきます。

しめ縄は、まず太さが10センチほどの縄を4メートル2本、5メートル1本作った後、この3本の縄をない最後に結んで完成します。最後の結びがゾウの頭となります。

縄の結び方は複雑で、「最近は年に1度しか作らなくなったので分からなくなってしまう」と、何人かのお年寄りが話し合いながら作られていきました。
昔,戦時中はお正月だけでなく、出兵する人たちの無事の帰還を祈って毎晩のように作っていたそうです。

3本の大きな縄をなっているところ。何人もの人が必要です。
3本の大きな縄をなっているところ。何人もの人が必要です。

「やまざとの食と暮らし講座」第3回 山のおやつを味わいました。

木の実を食べ、つるを編み、少し昔の秋の山の暮らしを体験しました。
10月4日に、「やまざとの食と暮らし講座」第3回目となる「秋の山のおやつ講座」が、南魚沼市栃窪集落で開かれました。南魚沼市周辺、東京都や群馬県から、幼児1人を含む12人が参加。地元の笛木信治さんを講師に、野山で食べられる木の実を探したり、自分で集めたつるで小さなかごやリースを作ったりしました。

 アケビがたくさん実っている場所に連れて行ってもらいました。アケビの実とり放題!
アケビがたくさん実っている場所に連れて行ってもらいました。アケビの実とり放題!

午前は、集落内の野原や山道を歩きながら、アケビ、ムカゴ、ヤマブドウの一種など、9種類の食べられる実を見つけました。70代の笛木さんが子どもの頃は春から秋まで、山でおやつを探して食べていたそうです。笛木さんは実を見つけるたびに、食べ方や、その実にまつわる思い出話をしてくれました。参加者は、実をじっと観察し、そっと口に入れ、「酸っぱい」「思ったより甘みがある」「スポーツ飲料みたいな味」などと話しながら、初めての味を確かめていました。

 参加者はつる細工を作るのが初めて。「自分にもつくれるかな」と作り方を見守っていました。
参加者はつる細工を作るのが初めて。「自分にもつくれるかな」と作り方を見守っていました。

午後は、実を探しながら集めたアケビなどの木のつるで、小さなかごやリースを作りました。笛木さんからはだいたいの作り方を教わり、大きさや形は参加者の自由。つるの形もいろいろのため、個性的な作品ができ上がっていました。

40年ほど前まで、山の柴を燃料として利用し、山すその草を家畜のエサとしてすべて刈り取っていたため、野山はとてもきれいだったそうです。大人も子どもも山のものを食べ、木のつるや草の葉を道具にし、山と一体になって暮らしていたと、笛木さんは、ふり返っていました。

そうした暮らしの中で培われた知恵は、生活の変化とともに必要とされなくなり、失われようとしています。ふり返りでは、参加者から「生活に必要がなくなったからいらなくするのではなく、こんなこともできると伝えたい」「子どもたちにはこういう体験は大事と思うので、連れて歩きたい」などの感想が聞かれました。

写真2

1日目の笹餅作りと2日目のおにぎり作りの様子です。

1日目の夕方の笹餅作りの様子。殺菌効果のある笹の葉に、つきたてのお餅を包んでいるところです。 笹餅は、2日目の夜に、クルミ味噌をつけたり、焼いてお汁にいれたりしていただきました。
1日目の夕方の笹餅作りの様子。殺菌効果のある笹の葉に、つきたてのお餅を包んでいるところです。
笹餅は、2日目の夜に、クルミ味噌をつけたり、焼いてお汁にいれたりしていただきました。

 

2日目朝のおにぎり作りの様子。おにぎりはホウ葉に包みました。
2日目朝のおにぎり作りの様子。おにぎりはホウ葉に包みました。