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無農薬田んぼ2枚をきれいにしました・・・緊急実施の「田の草取り」

真夏のような日差し。さわやかな風の中で草取りをしました。
 休日農業講座「田んぼのイロハ」の草取り追加編が、2018年6月23−24日の両日、南魚沼市栃窪集落で開かれました。無農薬田んぼの雑草が一気に生えてきたことに対応する緊急実施。集まっていただいた首都圏からの7人の力で、2枚の田んぼがとてもきれいになりました。

 北陸地方は6月10日に梅雨入りしたことになっていますが、これまでほとんど雨らしい雨が降っておらず、暖かで日差しがある中で、田んぼの中では雑草もどんどん成長中。とりわけ無農薬田んぼでは、ヒエ類が一斉に伸びて、イネの苗を追い越す勢いになってきています。

手押し式の除草機の使い方を、地元のベテランに教わります。
 朝から草取り作業となった23日は、手押し式の除草機で稲株の間の草を押しつぶし、その上で手で草を抜き取る作業をしました。広い田んぼの中でわずかに高くて水のかかりが悪い場所は、特にヒエがびっしりと育っています。両手を泥の中に突っ込んでかき回すようにしながら、根っこから草を引き抜き、あぜ道に投げる作業を繰り返しました。

 真夏を思わせる青い空。カッコウの鳴き声。無農薬田んぼには、大きなトノサマガエルから無数のおたまじゃくし、背中に卵を背負った「コオイムシ」などたくさんの生きものでいっぱい。八海山や巻機山、越後駒ヶ岳など2,000m級の山々が見渡せる絶景の中で、作業が続きました。

 前日には、集落を散策している途中で、農作業中の村の人に、クワの実を食べさせてもらったり、ミョウガの若い茎のにおいをかがせてもらったりしました。夜にはホタルが舞う光景も。山里の暮らしの息吹を感じさせてもらった週末でした。

プラナリアやヒバカリ(小型のヘビ)を観察。9月のいきものプロジェクト

2010年9月12日(日)の生きもの調べでは、清水が流れ込む池の周辺でプラナリアやヒバカリを発見。プラナリアは顕微鏡で細かく観察しました。
9月12日(日)に、南魚沼市栃窪集落で恒例の「栃窪生きものプロジェクト」が行われました。南魚沼市内には朝から大雨洪水警報が出されていましたが、栃窪は小降りだった雨が途中で上がりました。集落内外から8人が参加し、小出高校教諭の深沢和基さんを講師に、生きものの観察を行いました。

毎回観察しているスイレン田んぼや、清水が流れ込んでいる池などを観察しました。参加者は歩きながらそれぞれ生きものを探し、何か見つけては声をかけ合い観察しました。

スイレン田んぼでは、トンボが数種類飛んでいた他、前回少ししか確認できなかったタヌキモやミズオオバコなど水生植物の花の数が増えていました。

濡れた草の上を移動していた小型のヘビ「ヒバカリ」。小さな頭と紫がかった茶色の肌が印象的。無毒。
濡れた草の上を移動していた小型のヘビ「ヒバカリ」。小さな頭と紫がかった茶色の肌が印象的。無毒。

池では、手足の生えたクロサンショウウオの幼生を何匹も観察しました。ウーパールーパーのようなエラがしっかりついていました。

別の池には、お腹が大きくふくれた、トノサマガエルと思われるカエルがいました。深沢さんがお腹をなでて探ってみると不自然に角張った部分があり、何か大きなエサを食べた直後かもしれない、とのことでした。

同じ場所では、小型のヘビ「ヒバカリ」を2匹発見。互いにヘビを手で持って、その肌の色や筋肉の強さなどを感じました。

池からつながっている、幅20センチほどの緩やかな清水の流れでは、ヨコエビやプラナリアなどの、長さ0.5ミリから1センチ前後の小さな生きものが次々見つかりました。

顕微鏡で見たプラナリアの頭部。平べったい頭に丸い2つの目が見えます。
顕微鏡で見たプラナリアの頭部。平べったい頭に丸い2つの目が見えます。

持ち帰って顕微鏡でプラナリアを使うと、肉眼では見えにくかったプラナリアの目がよく見えました。マンガのキャラクターのようなひょうきんな表情で、参加者はおもしろく観察していました。

貴重な生き物が続々、、生物多様性保全・教育プロジェクト〜清水いきもの復活大作戦・夏の巻〜開催

7 月10-11日に実施した今年2回目の活動には、首都圏の大学生や社会人を中心に13名が参加し、専門家や地元の人たちと一緒に調査と保全作業を行いました。
新潟県南魚沼市清水で2回目の生き物復活大作戦が7 月10-11日に行われました。今回は保全活動だけではなく、専門家と一緒に調査をし、今後の方向性についても検討しました。

このプロジェクトには、アドバザーとして3人の専門家の方たちに関わっていただいています。(社)日本環境教育フォーラム理事の北野日出男さん、(財)日本自然保護協会常勤理事の横山隆一さん、新潟県立小出高校教諭の深沢和基さんです。
初日の午後は、3人全員が集まって、清水の人や参加者と一緒に調査をするという貴重な機会となりました。
保全地域の「西谷後」「大明神」、それぞれの観察池に行くと、5月に実施した前回の活動で作った木道は、すっかりなじんでいました。池の周囲には草が伸び、前回の参加者からは「前と様子が全然違う!」という声があがっていました。

「詳しく知るとかわいく見えてくる!」とガの幼虫を腕にのせる参加者。
「詳しく知るとかわいく見えてくる!」とガの幼虫を腕にのせる参加者。

調査が始まるとすぐに、専門家の方たちのまわりには人が集まり、観察会が始まりました。ネキトンボ、繭の中にいるコマユバチの幼虫、プラナリア、センチコガネ、コオイムシなど様々な生き物が姿を現しました。
どの生き物についても、専門家の方々が丁寧に解説をしてくれるので、地元の人も参加者もぐいぐいと生き物の世界に引き付けられていくようでした。大きな毛虫を「かわいく見えてきた」と言って腕に乗せる参加者もいました。

西谷後の作業の様子。背の高いアシやススキを刈っていきました。
西谷後の作業の様子。背の高いアシやススキを刈っていきました。

2日目は午前中に保全作業を行いました。陸地化(乾燥化)を防ぎ、湿地の生き物が生息できるように、イグサを残し、ススキやヨシなど背の高い草をカマで刈っていきました。
池のまわりにびっしりと草が生えていましたが、15人ほどが一気に作業を始めると、短時間のうちに背の高い草がすっかりなくなり、別の場所のようになっていきました。時々、地元の方からカマの使い方指導がはいっていました。

新潟県の絶滅危惧2類に指定されているサワギキョウがいたるところに生えていたり、背の高い草を刈っていくと、ショウブの群生地が現れたりと、貴重な植物があることがわかり、清水の人たちも驚いていました。

作業をしながらも、羽化したてのオニヤンマやミズグモ、モリアオガエル、鳥の巣と卵など様々な生き物を見つけ、観察しました。アカショウビンやクロツグミなど鳥の声も聞くことができました。

2日間の活動で、参加者からは、多様な生き物がいる環境を守ることや、人間が手を入れることがなぜ必要なのかわかったという声が多く聞かれました。同時に、生き物に対する好奇心にあふれた専門家の方々の生き方にも、刺激を受けた人が多かったようです。

参加者の感想(アンケートより)
・どの生物にも役割があって、それで自然が成立していることに気づいた。

・「害虫、益虫、ただの虫」全部必要で、害虫だから全て殺す、益虫だから全て残すというわけではないという横山さんの話で、自分は「益」なものばかり集めようとして、バランスを悪くしているのかなーと思った。

・自分の五感が研ぎすまされた。都会にはない人の温かさをもらった。

・ 自然も必要なものだけが重要なのではなく多様であることが大切。同様に人間も多様な考え、やり方の人が共存しつつ多様で豊かな世の中になっていくと良いのかもしれない。

・ 清水の皆さんの姿をみて、私も郷里の旧友や親せきのことを思い出した。清水には古き良きコミュニティが残っているように思う。

セミがセミになるまで

集落のおじいさんが、セミになる前のセミ(幼虫)を持ってきてくれました。

 

 朝までカラのままかと思っていたら、夜9時頃にはもうカラから出てきていました。
朝までカラのままかと思っていたら、夜9時頃にはもうカラから出てきていました。

7月25日、ちょっと遅くまで事務所にいて、そのあと集落のみなさんとお盆祭りの出し物の練習をしていました。
そこへ、よく知っているおじいさんが来て、「こんなものがいたぞ」と手を差し出します。見てみると、手の中でセミの幼虫がもぞもぞしていました。足にはまだ土のかたまりがついていて、土から出て間もないようでした。
「はい」と渡されて受け取ったまではよかったけれど、よく考えたらどうしていいかわかりません。とにかく抜けがらを思い出して、幼虫がぶら下がれる植物を探しに外へ行きました。しかし暗くてちょうどいいものが見つけられず、仕方なく割り箸と生けてあったあじさいを虫かごに入れて、いったんその中に入れました。

しばらく動きまくっていた幼虫は、40分後くらいにはだんだん動かなくなってきました。「これじゃあ飛び立てないかもしれない」と無理矢理かごのそとに出し直しました。そして何の根拠もなく「セミになるのは朝早くだ」と思っていたので、練習に戻りました。
1時間後、練習を終えて帰ろうと事務所に行ってみると!もう幼虫の背中が割れて、セミが出てきているではありませんか。白い、まだセミとは似ても似つかない状態です。白い体全体がカラから出ていて、頭が下向きになっています。

 夜11時頃、頭が下向きだったのにいつの間にか上向きになっていました。羽も広がってきて、すっかりセミらしくなりました。
夜11時頃、頭が下向きだったのにいつの間にか上向きになっていました。羽も広がってきて、すっかりセミらしくなりました。

どうしても過程を見たかったので、持ち帰って観察することにしました。そのままおそるおそる、普通なら3分くらいでつく道を8分くらいかけて帰りました。
羽は薄いきれいな緑色に広がっていました。目も黒目がちでツブラです。その目がとてもかわいくて、しばらく見ていました。
翌朝、セミは茶色くなっていましたが、じっとして動かなかったので、かごごと外の木や草がある近くにおいておくことにしました。
ここまでで約12時間かかりました。大人になったあのセミは、精一杯生きてくれていることでしょう。せみが

バイカモやダルマガエルがいる「清水端」

7月3日、前回の生き物プロジェクトでもたくさんの生き物を観察できた「清水端」へ行ってみると、バイカモが花を咲かせていました。

 

 バイカモ(梅花藻)。梅の花のようなかわいらしい白い花が、濃い緑の葉に美しく映えます。
バイカモ(梅花藻)。梅の花のようなかわいらしい白い花が、濃い緑の葉に美しく映えます。

バイカモはキンポウゲ科の多年草で、冷たい流れのある川の中などで群生しています。
イメージでは富士山麓の湧水が流れる川のようなところで咲いている感じですが、栃窪では民家のすぐ裏(1年前雪の重さでつぶれてしまった古民家の跡地)に、当たり前というように咲いています。集落の人も、特に気にして「あそこに咲いているぞ!!」というふうでもありません。

そんなバイカモは、実は植物レッドデータブックに登録され(http://www.rdbplants.jp/)、日本の各地で絶滅に瀕しているとされている植物なのです。

日本自然保護協会常勤理事の横山氏は、栃窪の自然の素晴らしさとは、こうした貴重な動植物が特別扱いされることなく、あるがままにある、ということではないかとおっしゃいました。

 トウキョウダルマガエル。正面から見ると、ご覧のように背中が三角に盛り上がっており、おむすびみたいな形をしているのが特徴です。
トウキョウダルマガエル。正面から見ると、ご覧のように背中が三角に盛り上がっており、おむすびみたいな形をしているのが特徴です。

バイカモが咲いている場所の近くにいくつか溜め池があり、同じく絶滅する恐れがあるとされているトウキョウダルマガエルがいました。彼もまた、特別な意味など持たずに、普通にそこで暮らしているようでした。
そんな景色が、何気ないままにずっと続いていくことが、「持続可能な社会」というものなのだろうなぁ、と思いました。

いきものプロジェクト第2回報告

6月15日(日)、夏の訪れを告げるホトトギスもピョピョピョ ピョピョピョ と鳴く、初夏の気持ちいい快晴の日の午後、2008年度栃窪いきものプロジェクト第2回が新潟県南魚沼市栃窪集落で行われました。
参加したのは、22人(子ども11人、大人11人)。集落の方17人に同じ南魚沼市内からや東京からの参加者も加わりました。今回は、清水が流れ込む空き地「清水端」と第1回でも行った山「天王さま」にいきました。

イモリ イモリは、井(井戸)を守るので、水に住む両生類 ヤモリは、屋を守るので、陸に住むは虫類
イモリ
イモリは、井(井戸)を守るので、水に住む両生類
ヤモリは、屋を守るので、陸に住むは虫類

清水端は、上杉謙信も通ったという栃窪峠に続く古道沿いにある空き地です。冷たい清水が流れ込んでおり、いくつが深い水たまりができています。ここでは、4種類のカエル、イモリ、サンショウウオの両生類や、レッドリストに載っているシナイモツゴという魚、他にもコオイムシやイトトンボのヤゴなど虫も多く確認されました。
地元の小学生の「身近なところにたくさんの生き物がいるんだな」との感想に「弱い生き物である両生類がたくさんいるということは、とても良い環境があるということ。それが人の家のすぐ近くにあることは素晴らしい。」と講師の深沢先生。
去年から継続して参加している地元の小学生は「秋に見た時より生き物が減った。季節の違いを感じた。 」とコメントしました。継続的に観察するとより多角的な視点をもつことができるだと気づかされました。

コオイムシのオス メスは、オスの背中に卵を産みつける。子を背負う虫で子負虫(コオイムシ)
コオイムシのオス
メスは、オスの背中に卵を産みつける。子を背負う虫で子負虫(コオイムシ)

「天王さまの森が涼しくて幸せだった」
天王さまは、針葉樹と広葉樹が交じりあった森で、森に一歩足を踏み入れると、冷んやり気持ちいい。「森の中は温度が一定で乾燥もしない。そして、ここは特に針葉樹と広葉樹が交じりあった森なので、生息する生き物の種類も多い。」と深沢先生は教えてくれました。早速のセミの鳴き声を聞いたり、クスサンというガの繭やホウの実、リスがかじった後のクルミ、キツツキが開けた穴のある木、大きなブナの木と足下に広がるブナの子どもたち。たくさんの生き物がこの森にいることを感じました。
また、前回見つけたタヌキの穴は今回も健在でしたが、新しい糞の形跡がなかったり、タヌキの皮膚のついた毛が落ちていたりしたので、何者かに襲われた可能性が考えられるということでした。

「とにかく気持ち良かった。癒された。」「昔はこんな風に遊んでいたが、今は仕事場と家との行き帰りなので、久しぶりに童心にかえった。カワニナやドジョウが昔に比べて少なくなっていた。」と参加者の感想がありました。

定点観測では、前回よりも多く、オタマジャクシ2種、マルタムシ、イトトンボのヤゴと幼虫、コオイムシ、アメンボ、ゲンゴロウの幼虫が観察されました。

モリアオガエル3

6月3日。ざっと数えたオタマジャクシの数は50匹にもなりました。

 以前比較用に入れた事務クリップの大きさに近づきました。色も黒々しています。
以前比較用に入れた事務クリップの大きさに近づきました。色も黒々しています。
 数匹、壁に張り付くようにしているオタマジャクシもいました。よく見るとおなかには渦巻き模様があり、何とには無しにポケモンの「ニョロモ」を思い出しました。
数匹、壁に張り付くようにしているオタマジャクシもいました。よく見るとおなかには渦巻き模様があり、何とには無しにポケモンの「ニョロモ」を思い出しました。

3回にわたってお送りしました「モリアオガエル」の特集も今回で最後です。
アワアワがすっかり消え、卵も見えなくなり、水も濁ってきたことから、この後もとの場所へ帰ってもらいました。

農業の大型機械化に伴い、カエルの数は減っています。コンバインを田んぼに入れるためには田んぼをカチカチに乾かさなければならず、オタマジャクシがカエルにならないうちに水が抜かれてしまうのです。そうなると田んぼの生態系もこわれて、特定の生き物が増えたり減ったりする訳です。
身近に貴重な自然があふれている栃窪集落での生態系調査「とちくぼ生き物プロジェクト」では、こんなふうにすてきな生き物との出会いがあります。これからも乞うご期待!

モリアオガエルその2

すっかり間があいてしまいましたが、モリアオガエルの卵のその後をご報告します。

 事務用クリップよりももっともっと小さいオタマジャクシ。
事務用クリップよりももっともっと小さいオタマジャクシ。
 見ていてあまり気持ちのいいものではないことは確かです…。
見ていてあまり気持ちのいいものではないことは確かです…。

5月25日の「とちくぼ生き物プロジェクト」の定点観測でTAPPO事務局に連れて来られたモリアオガエルの卵。
なんと4日後の29日の朝事務局に来てみると、もう4〜5匹かえっていました。事務用クリップ(2.5cmくらいの一般的なもの)と比較してみてもわかるように、とても小さいオタマジャクシでした。

日に日にオタマジャクシは増え続け、3日後の今月1日には30匹ほどになりました。白いアワアワがぺしゃっとつぶれて、中で生まれたオタマジャクシたちが水の中に出るために必死でもがいていました。ところどころに見えるクリーム色の小さな玉は卵です。卵が見えるということはまだまだ生まれるということか……と言う訳で、観察は続きます。

モリアオガエルその1

5月25日の「とちくぼ生き物プロジェクト」定点観測の際に、モリアオガエルの卵を発見しました。

 真っ白いモコモコの卵。
真っ白いモコモコの卵。
 右がモリアオガエル、左はシュレーゲルアオガエルです。あなたはどちらがお好みですか?
右がモリアオガエル、左はシュレーゲルアオガエルです。あなたはどちらがお好みですか?

モリアオガエルは、この白いアワアワの卵を木の枝に産みます。それも、枝の下に池がある木を選んで。卵がかえるとオタマジャクシは下の池に落ちて、ちゃんと暮らせるようになっている訳です。
この日は元は田んぼだった溜め池の上の枝先に1つ、畦に3つかたまりを見つけました。うちひとつをお借りして、かえるまで観察することにしました。

いきものプロジェクト第1回報告!

2008年度第1回目のいきものプロジェクトが行われました。
6月1日早朝、2008年度第1回目となる「栃窪いきものプロジェクト」が行われました。今回はバードウォッチングに挑戦。
単眼鏡を担いで、栃窪の自然の中へいざ出発!

何が見えるんでしょう? レンズの先の世界に、みんな思わず微笑んでしまいます。
何が見えるんでしょう?
レンズの先の世界に、みんな思わず微笑んでしまいます。

昨晩から降り続いていた雨が止むと、鳥の鳴く声がさかんに聞こえてきました。地元高校の理科の先生であり、いきものプロジェクトの講師をしてくれている深沢さんと、今回バードウォッチングのスペシャリストとして深沢さんのサポートに来てくれた高校生が、瞬時に単眼鏡のレンズに鳥の姿をとらえます。

「よくそんなにはやく鳥を見つけられますね。私には声は聞こえても、どこにいるかちっとも分からないのに・・・」と参加者。
「今の声はホオジロの鳴声なんです。ホオジロは木のてっぺんや電柱の先のように高い場所にとまって鳴くんです。むやみやたらに探しているのではなくて、そういう知識があるからだいたいの見当がつくんですよ」と深沢さん。
生き物を知り尽くしている人が一緒だと楽しみが倍増する。

ピントを合わせてもらったレンズをのぞくと、思わず笑ってしまった。本当にすぐ目の前に可愛らしい鳥が見えるのだ。ホオジロは胸を反らせて天を見上げて鳴いていた。「俺がホオジロだ!」と辺り一面にいばっているよう。

ホオジロの他にも、オオルリ、キビタキ、サンショウクイ、キセキレイ、サシバ、コゲラ、カワラヒワ、イカル・・・などなど、約1時間の散策で23種類もの鳥が確認できた。どの鳥も人里離れた森の中で観察されたのではなく、栃窪集落の中、またはそのすぐ近くで確認された。栃窪集落が豊かな生態系に組み込まれて位置することがよく分かる。
バードウォッチングをよくすると話す参加者も、「他の場所に負けないくらいたくさんの鳥がいることに驚いた」と話した。
今年の「いきものプロジェクト」は、毎回違ったフィールドで生き物を観察する他に、決まった場所を季節を変えて継続的に観察する定点観測も行う。
定点観測のフィールドは元は田んぼだった集落内の桐木平という沼地。この沼地の5カ所を網ですくい、そこに生息している生き物を記録する。

モリアオガエル。交尾中のモリアオガエルも発見しました。
モリアオガエル。交尾中のモリアオガエルも発見しました。

今回見つかったのはオタマジャクシ、タニシ、アメンボ。沼の周辺ではイモリ、イトトンボのヤゴ、モリアオガエル、ツチガエルも観察することができた。
モリアオガエルの卵も発見。3つは畦の際に、1つは木の上にあった。TAPPO事務局では畦の際にあった卵の一つを持ち帰り観察中。

次回のいきものプロジェクトでは一体なにが観察されるでしょうか?そしてモリアオガエルの卵はどうなる?
こうご期待です!