ついに脱穀

オーナー田んぼの報告をみなさんに順次書こうとしていたら、突然栃窪事務所の入り口で声がした。「オーナー田んぼの脱穀、いまからしていいか」と。
オーナーのみなさんにコメの様子を報告しようと、ひさしぶりに栃窪にある「TAPPO 南魚沼やまとくらしの学校」の事務所でパソコンに向かっていたら、玄関から突然大きな声がした。

「おーまえさん、いまからオーナー田んぼ、脱穀していいかね」。
声の主はパノラマ農産社長の笛木晶さん。あちこちの田んぼの刈り取りをしながら、ちょうど余った時間で脱穀できるのではないかと考えたそうだ。

もう午後4時前。今日は快晴だったが明日は小雨の模様。濡れる前に取り入れようということか。

はざかけを10日間した稲の前にコンバインを止める。稲からもみを外す機能だけを使う。下にひいたシートは、落ち穂を泥まみれにしないため。
はざかけを10日間した稲の前にコンバインを止める。稲からもみを外す機能だけを使う。下にひいたシートは、落ち穂を泥まみれにしないため。

2枚あるオーナー田んぼのうちの1枚はまだ稲穂がすっくとたっていて、まだまだ実りが進みそうだ。雨で倒伏しそうだったもう一枚のオーナー田んぼは、雨の間の好天を突いて9月24日に刈り取りをしてある。長さ約30メートルの鉄パイプ製の枠に、上下4段にかけて干してきた。

そばにコンバインを横付けにして、その横腹にあるベルトコンベアのように動く脱穀装置に稲の束を送り込んでモミを外していく。

簡単そうだが、高さ2メートル近いさおにかけてある稲束を外して、コンバインの投入口に入れるのはかなり大変だ。稲束を外す人、それをコンバインに投入する人、吐き出されたわらを再度束にしばる人、それをあぜまで次々と運び出す人、流れ作業で進める。

私も気がつけばコンバインに投入する係となって、渡された稲束を脱穀のベルトコンベアに載せる。稲束によって長さが違い、穂の付き具合が違う。それに稲穂はとても重い。うまく投入口に並べるのは大変だった。

どんどんとモミになっていく。コンバインのタンクが2度、いっぱいになって、軽トラックに積んだ積載装置に移す。
どんどんとモミになっていく。コンバインのタンクが2度、いっぱいになって、軽トラックに積んだ積載装置に移す。

途中でコンバインのタンクがもみで一杯になったので、その中味を軽トラに移すこと2回。最後の束を突っ込んだ時にはあたりは真っ暗。午後6時すぎだった。

細かな稲ワラが腕や顔、服についてちくちくする。

「これは水では落ちないのよ。お湯で洗わないとね」とタオルを巻いて重装備だった信子さんが話す。

明日、モミに何パーセント水分が含まれているかなどを調べて、その後にもみ殻を外す作業に映るそうだ。

「けっこう収量があるかもしれない」
晶さんがつぶやいた。

完全無農薬なので、収量はもとより期待できなかったのだが、どのくらいの玄米になるのか。楽しみだ。

ブラックバス駆除作戦

 この大きな容器には水ごと汲み上げられた生き物たちが入っていました。写真はブラックバスとそれ以外の生き物に分けているところです。
この大きな容器には水ごと汲み上げられた生き物たちが入っていました。写真はブラックバスとそれ以外の生き物に分けているところです。

10月3日、午前中から夕方まで、栃窪集落の5カ所の溜め池で、南魚沼の行政や自然保護団体のみなさんによる「ブラックバス駆除大会」が行われました。

お昼近くにそのうちの1カ所に行ってみると、水を抜いたため池から捕獲された生き物たちが、ブラックバスとそれ以外とに仕分けされている最中でした。
その池では、ブラックバスが23匹捕まった他に、フナやトウヨシノボリ、ドジョウなどの魚たち、貝の仲間たち、カニ、イモリ、カエル、ミズカマキリにゲンゴロウなどなど、いろんな生き物が暮らしていました。

 左の写真のような容器の他に水槽が3つほど用意され、こうした小さな生き物たちが分けて入れられていました。写真は、泳ぎが得意でないガムシがミズカマキリに必死でつかまっているところではないかと思われます。
左の写真のような容器の他に水槽が3つほど用意され、こうした小さな生き物たちが分けて入れられていました。写真は、泳ぎが得意でないガムシがミズカマキリに必死でつかまっているところではないかと思われます。

はざかけの天日乾燥進む

9月24日に刈り取ったオーナー田んぼの1枚では、はざかけによる天日乾燥が進んでいます。すっかり茶色くなった稲は、あとしばらくで脱穀できそうです。

9月30日のはざかけの様子。まだ青みを帯びている茎やはっぱがあり、はざ全体もふっくらしている。
9月30日のはざかけの様子。まだ青みを帯びている茎やはっぱがあり、はざ全体もふっくらしている。
10月4日のはざの様子。ほとんど全体が乾燥して茶色くなった。はざの厚みも薄くなった感じ。
10月4日のはざの様子。ほとんど全体が乾燥して茶色くなった。はざの厚みも薄くなった感じ。

雨続きの9月が終わり、心配された台風15号も日本列島の南を進んでくれたので、収穫期を迎えた南魚沼の農家のみなさんもほっとした様子です。

晴れた日には、あちこちで刈り取り機(コンバイン)が動く音がします。一面、黄金色の田んぼが連続する光景の中に、赤い昆虫のように見えるコンバインが動いています。

9月24日に早めに刈り取ったオーナー田んぼの一つでは、どんどんと乾燥が進んでいます。

赤とんぼが青空を背景に、はざかけの上を飛び回っています。