講師が前日の下見で見つけた生き物を観察をしたり、集落内で生き物を調べたりしました。
2009年度「栃窪いきものプロジェクト」の第4回が、9月13日(日)に行われました。集落や南魚沼市内、東京から大人や子どもが21人参加しました。
今回は特別ゲストとして日本環境教育フォーラムの北野日出男さんが参加し、講師の深沢和基さんの説明と合わせて、多角的な生き物解説が展開されました。

はじめに、深沢さんが前日に下見した際につかまえた生き物を観察しました。観察したのは、ゲンゴロウ、クロゲンゴロウ、ガムシ、サンショウウオ(幼生)、アカハライモリ、コオイムシ、ヤゴなど。
色・形・大きさもよく似たゲンゴロウとガムシの泳ぎ方を見比べ、生態の違いを学んだり、背中と羽の間に空気を貯めて水中に潜っている様子を観察したりしました。
深沢さんがつかまえた生き物の中にはハリガネムシもいたそうですが、肉食のゲンゴロウに食べられたのか、いなくなっていました。参加していた栃窪の子どもたちの中には、カマキリの腹に寄生していたハリガネムシが出てくる様子を見たことがあると言う人もいました。
その後、小学校裏のハス田んぼ、集落内の家のため池、定点観測をしている田んぼ跡などで生き物を観察しました。

小学校裏のハス田んぼへ移動してすぐに、北野さんがハチをつかまえ、みんなで観察しました。ハチの体には花粉を集めるための毛が生えていました。北野さんはおそらくクロマルハナバチではないかと話していました。こうしたハチの性格は温厚で、よく見かけるクマバチも、大きいけれど素手でもつかまえられるとのこと。深沢さんは「来年の生き物調べではクマバチを素手でつかまえてみよう」と、来年の生き物調べの目標をたてていました。
ハス田んぼの中の、生き物の逃げ場として作られた穴には、タヌキモやミズオオバコの花が咲いていました。前回同様、他のハスで埋め尽くされた場所には花は見られず、穴を掘って環境を変化させたことによって得られた結果であると深沢さんが話しました。
同じ目的でビオトープを作った一般的な例では、5年以上時間をかけても、同じ結果がえられるかどうかは難しいそうです。北野さんは「栃窪の自然の底力」と話していました。
参加者からは、「楽しかった。ゲンゴロウを初めて見た」「季節が変わり、生き物の様子の違いが面白かった」「子どもたちが生き物を見つける力はすごいと思った」などの感想が聞かれました。