ひと、自然、異文化をテーマに持続可能な社会を目指す
エコプラスは、自然と調和した平和な社会を目指しています。自然を「消費」の対象として使い捨てていく20世紀型の経済発展は明らかに限界を迎えました。プラスチックゴミは世界中の海を覆いながら循環し、排出した温暖化ガスは荒々しい気候を生み出してしまいました。自然と調和し、豊かさを分かち合う、おだやかな社会を、どう切り開いていけばいいか。そのためには、自然の中で、自らの命を実感する体験が大きな意味を持つと考えます。
エコプラスは、それぞれの場所にある自然の中で、人々が長年にわたって築き上げてきた暮らしを出発点に、もう一度、あるべき社会を作り直す、その作業をともに進める仲間を増やしたいと思っています。
キーワードは、「ひと」「自然」「異文化」です。自分と他人、家族と隣人、集落、そして地域。ひとへの関心を高め、コミュニケーションを深めて、ともに生きていく。その土台にあるのは自然。海沿い、あるいは山奥、そして都市、農山漁村、さまざまな場に自然があり、その中で、私たちは呼吸し、食べ、排せつし、暮らしています。
さらには、性別や世代別、あるいは出生地別という異なる文化を個人は背負い、さらに家族や集落、地域も独自の文化を持っているはずです。その異なる文化が調和し支え合う関係をどう作ればいいのか。分断の時代、と呼ばれる今、どのように調和する社会を作れるかは、大きなチャレンジだと思います。
新型コロナウィルスで、自然に触れ合うことも、他人と交流することもままならない昨今ですが、エコプラスは、「ひと、自然、異文化」を旗頭に、地に足を着けて歩んでいきます。
エコプラスのミッションステートメント
環境と異文化に対する理解を深めることを目的として、地域に根ざした体験と国内外をつなぐ学びを提供し、地球的視野に立って社会作りに貢献します。
主な活動
1992年の活動開始当初からのプログラム。ミクロネシア連邦ヤップ島の集落にお邪魔させていただき、自然に密着した暮らしを体験させていただきます。開始当初は、水道も電気もガスもない、自然そのままの世界でしたが、昨今はスマホが入り、車も往来する近代化の波が押し寄せています。その中でも、まだ自然の中で生きる技と知恵を維持する人々の力強さを学ばせてもらいます。
新潟県南魚沼市の栃窪集落の絶景の棚田で、無農薬天日乾燥米を育てます。標高500m、冬には4m前後の雪に包まれる地域です。最上流部の清らかな雪どけ水、ニホンカモシカがそこここに姿を現す、自然豊かな環境です。地元の農家が、できるだけ環境に負荷をかけないようにと努力して始めた無農薬栽培を、来訪者も一緒になって支え、学びます。
新潟県南魚沼市の清水集落を舞台に、雪が落ち着いた3月に雪の中でのキャンプをします。寝るのも、食事するのも、トイレも、雪の中。豪雪の中で暮らしを重ねてきた地元のみなさんの技を学び、自然を体感します。標高差50mの長大なスロープを滑り下りる、超豪快尻滑りがクライマックスです。
ヤップ島支援事業
長年お世話になってきたミクロネシア連邦ヤップ島に対して、環境保全や地域開発で、お手伝いをさせてもらう各種取り組みを実施中です。経団連自然保護基金やJICA、りそなアジアオセアニア財団などからの支援を得て、ヤップ島タミル地区を中心に、水産資源の保護や排水の浄化プロジェクト、天然石けんの製造、エコツアーなどを試みています。