「田んぼのイロハ」タグアーカイブ

山里の秋の自然と食を満喫〜田んぼのイロハ・収穫祭編

実際の田んぼを前に笛木晶さんから稲作の1年などの話を聞きました。
実際の田んぼを前に笛木晶さんから稲作の1年などの話を聞きました。

今年最後の休日農業講座「田んぼのイロハ」を11月5-6日に行い、首都圏などから集まった学生や会社員など14人が、農の姿を学びつつ、晩秋の自然と食を満喫しました。

2011年11月5−6日、新潟県南魚沼市栃窪集落で今年最後の休日農業講座「田んぼのイロハ」が行われました。参加したのは、東京や神奈川、埼玉、静岡などからの学生や会社員など14人。1日目は集落をめぐりながらの生きもの調べや、地元で農業を営む2人からの講座、2日目には村の収穫祭に参加しました。紅葉が鮮やかな晩秋の栃窪の自然にひたり、その自然を活かした豊かな食に触れました。

収穫祭での餅つき。返しの水を入れず、3本の杵を使ってつきあげました。
収穫祭での餅つき。返しの水を入れず、3本の杵を使ってつきあげました。

1日目の生きもの調べでは、集落内の休耕田や屋敷跡などを巡ってアカハライモリやシナイモツゴ、色とりどりのアマガエルなどを観察。参加者は子どもに戻ったように足下の生きものを探しました。「教科書でしかみたことがなかったプラナリアを見られて感動した」と話す学生もいました。

その後は、地元の集落営農会社「とちくぼパノラマ農産」社長の笛木晶さんから稲刈り後の作業や稲作の1年などを実際の田んぼを前に話を聞き、さらに集落センターの大広間で、計20ヘクタール以上の農地でコメや野菜を栽培する飯塚恭正さんから、これまでの取り組みと現在の農業の課題などについてなど話を聞きました。
参加者からは「直に農家の方から話を聞き、悩みを抱えつつも自信を持っておられる様子が印象に残った」との感想などがありました。

2日目の収穫祭では、三本の杵を使った地元独特のもちつきが行われ、返し水を使わない粘りの強いもちができました。野菜とキノコがたっぷり入ったケンチン汁も登場し、集落の人々と一緒に収穫を祝いました。

民宿での朝夕の食事も含め、地元で採れた食材をふんだんに使った料理と、マタタビやブナなどの木の実など「食べられるもの」を楽しみ、食と密接につながった山里の暮らしに触れる2日間となりました。

南魚沼市に自然学校

栃窪は標高500メートル前後の斜面に棚田が連続しています
栃窪は標高500メートル前後の斜面に棚田が連続しています

環境教育で地域社会を活性化—エコプラスは新潟県南魚沼市の山村を拠点にあらたな自然学校を始めることになりました。
とびっきりの自然体験活動や、世界各地をインターネットでつないだ地球規模の環境教育プログラムを展開する特定非営利活動法人ECOPLUS(高野孝子代表理事)は、2007年度、新潟県南魚沼市栃窪地区を拠点とする「南魚沼やまの自然学校」(仮称)を開設します。

村人が丹精をこめて稲の苗を育てています。
村人が丹精をこめて稲の苗を育てています。

「やまの自然学校」は、長年にわたって地域社会が自然環境と調和して存続してきた知恵と技を、持続可能な社会づくりという現代社会の課題解決に活かすことを目指します。特定の施設だけで実施するのではなく、地域全体が「学びの場」となるのが大きな特徴です。地元のお年寄りや子供たちも指導者となり、外部の人々とともに学び合う「地域まるごと自然学校」になる全国でもまれな形の運営となります。

舞台となる栃窪(とちくぼ)集落は、標高500メートル前後の山あいに、60戸弱200人ほどが暮らしています。過疎高齢化が進み、栃窪小学校は全校児童9人にまでなっています。自然学校は栃窪集落が取り組み始めた活性化プログラムにも全面的に協力します。ギフチョウが舞い、サンショウウオが流れのあちこちに卵を産むという恵まれた自然環境と、村人がなお身に付けている暮らしの知恵と技を、最高の財産として、南魚沼地域や首都圏からのみなさんを対象に、多彩な学びのプログラムを展開していきます。

この自然学校の運営に当たっては、セブン-イレブンみどりの基金(本部・東京)の「自立事業助成」として今年度唯一の案件として採択を受け、今後3年間に渡って運営支援を受けます。

具体的なプログラムとしては、5月中旬から年間5回の予定で始める「田んぼのイロハ」や、夏・秋・冬に行う連続キャンプなどを予定しています。また地域のみなさんや周辺からの参加者で地域の生態系を継続的に調査する活動も毎月展開していく予定です。

(南魚沼やまの自然学校の報道発表資料)

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