清水の秋空にルリボシヤンマが舞いおどる 生物多様性保全・教育プロジェクト〜清水いきもの復活大作戦・秋の巻〜

新潟県南魚沼市清水で、今年度3度目の保全活動を9月18-20日実施しました。首都圏からの6名の参加者と地元の人たちが一緒に草刈りや木道作りに汗を流しました。
今回は、生物多様性保全活動に加えて、専門家と一緒の調査やナメコ栽培現場の草刈り、山登りを実施。秋の清水の自然の豊かさをじっくり味わう3日間となりました。

木道作りの様子。板を運ぶ人、木を切る人、打ち付ける人と役割を分けてスムーズに進みました。
木道作りの様子。板を運ぶ人、木を切る人、打ち付ける人と役割を分けてスムーズに進みました。

初日の夕方と2日目の午後に保全地域の草刈りと木道作りを行いました。7月の夏の巻の時にも、アシやススキなど乾燥化を好む草を刈り取りましたが、2ヶ月間でぐんぐん伸びていました。それをカマや草刈り機でばっさばっさと刈り取り、きれいになった畔に木道を設置しました。
参加者と地元の人たちが畔に一列に並び、バケツリレーのように木を運び、着いた先でどんどんと道を作っていきました。ほんの1時間ほどで約100mの木道が完成。「やはり人の手が多いのは強い!」と清水の人が言っていました。

2日目の午前は、プロジェクトのアドバイザーである新潟県立小出高校の深沢和基さんと共に、現在の保全地域の環境の様子や生息する生き物について調べました。池の上を飛び交う多くのルリボシヤンマや巨大なヒキガエル、細長いヒモのような不思議な生き物のハリガネムシなどに、みんな引きつけられていました。
大人たち10数人が虫取り網を持って、生き物を追いかけ、ところどころで歓声が上がっていました。

最終日は朝早くから、地域の共同事業として行っているナメコ栽培の現場に向かい、原木周りの草刈りをしました。3日目にもなると都心からの参加者も慣れたもの。手際良くカマを使って草を刈っていき、予想以上の早さで終わりました。

巨大なヒキガエルを握りしめる参加者。
巨大なヒキガエルを握りしめる参加者。

今年度の生物多様性保全・教育プロジェクトの交流イベントは今回で最後。年内にまとめの調査と次年度の計画作りを行います。

5月に休耕田に穴を掘って水を引いてから約半年で、様々な種類のトンボやカエルが姿を見せるようになりました。一冬を越えて、来年はどんな姿を見せてくれるでしょうか。プロジェクトはこれからも継続します。

 

【参加者の感想】
・想像していたより3倍も楽しかった。人と話しても楽しかったし、山に登ったのも楽しかった。また来たいです。
・2泊3日、心も体も充実した時間だった。ナメコの原木を初めてみた。ナメコがどうやって作られるのかを知れてよかった。
・2泊3日で清水を堪能できて楽しかった。ナメコ現場の沢が素敵だといつも思うが、その上にあんな山があるなんて知りませんでした。とっても爽快でした。山の山頂からの景色はなにものにも代え難い。
・「人間が生き延びるため」ではなくただ生き物、自然が好きだから保全したいというのは美しいことだと思います。僕もただ画一化されていくこと自体がよくないという動機で生物多様性は守られなければならないと思います。

【清水の人たちからのコメント】
・いままでは注意してみていなかったが、何か興味のあるものをひとつ見つけると見方が変わってくる。私が白いカタクリの花を見つけて以来、カタクリの花をよーく見るようになった。
・名前の分からない生きものがまだまだたくさんいる。楽しみが増える。カエルの顔が種類などによって違うのを見たいと思って、ルーペを買った。
★プロジェクト専用ウェブサイトが出来ました!
http://ikimono.ecoplus.jp/top.php?lang=ja

保全地域の変化の様子や、清水の人たちからのコメントなどを掲載しています。