「田んぼのイロハ」田植え編を実施しました。

地元の農家の方による田植えのレクチャー。
地元の農家の方による田植えのレクチャー。

2016年5月21日から22日の2日間、南魚沼市栃窪集落で「田んぼのイロハ」田植え編が行われました。強い日差しの青空の下、13名の参加者が苗をひとつひとつ手で植えて、汗を流しました。

参加したのは、学生を含めて、関東から来た13名。2日間とも見事な快晴で、夏が近づく強い日差しの下、絶好の田植え日和となりました。

はだしで田んぼの土を感じながら、一つひとつ手で植えていきます。
はだしで田んぼの土を感じながら、一つひとつ手で植えていきます。

1日目、まずは栃窪集落を散策に出かけました。田植えを行う田んぼを見学し、網を使って生き物探し。ドジョウやメダカ、ヤゴなど、たくさんの生き物が見つかり、無農薬で作られる田んぼの豊かな生態系を実感しました。

散策から戻ると、「とちくぼパノラマ農産」の代表で、今回お世話になる笛木晶さんによる稲作のレクチャー。田植え前の苗づくりや肥料のことなどを聞きました。米作りの試行錯誤と、それがどう収量や味に影響してくるか具体的にお話しいただきました。その日の夕食には、実際に栃窪産のお米を味わうことができました。

2日目も晴天。絶好の田植え日和となりました。昔ながらの方法で、枠(わく)と呼ばれる木製の道具で田んぼにマス目をつけて、等間隔に手で植えていきます。はだしになって、土の感触を確かめながら、ひとつひとつの苗を丁寧に植えていく作業です。皆真剣な表情そのもので、3時間ほどですべて植えることができました。

田植えの後のお昼ごはんは、地元の女性達が作ったおにぎり、豚汁、山菜の煮物など。遠く越後の山々と、栃窪の棚田の絶景を眺めながらの昼食となりました。

参加者たちは、
「農家の方たちの大変さがよくわかった。」
「魚沼産のコシヒカリは本当においしく、実際にこだわって作っている姿を見ることができて勉強になった。」
http://tabinaw.jp/ecoplus/wp-admin/admin.php?page=sharing などと話していました。

清水集落でコマ打ち

急斜面での作業。ブナの葉を通してもれてくる日光がみずみずしい。
急斜面での作業。ブナの葉を通してもれてくる日光がみずみずしい。

エコプラスがお付き合いさせていただいている新潟県南魚沼市の清水集落。活性化事業で取り組む標高1,000mのブナ林での原木ナメコ栽培で、2016年5月22日午前、ナメコのコマ打ちが行われました。

エコプラスがお付き合いさせていただいている新潟県南魚沼市の清水集落。活性化事業で取り組む標高1,000mのブナ林での原木ナメコ栽培で、5月22日午前、ナメコのコマ打ちが行われました。

ナメコのコマ。長さ2センチほどの木の栓に、ナメコ菌が含まれています。
ナメコのコマ。長さ2センチほどの木の栓に、ナメコ菌が含まれています。

別集落での田植えプログラムと日程が重なったため、代表理事の高野と、林野庁職員をしている高野のいとこが応援に参加しました。

空気が緑色に染まる林の中で、担ぎ上げた発電機からの電気でドリルを回し、明けた穴にナメコ菌が入ったコマを金槌で打ち込んでいきます。全部で12,000コマ。

後は、自然の中でじっと待って、2年半。ホンモノのナメコが出てきます。国有林の払い下げを受け、毎年10本前後の原木を使う、持続可能なスモールビジネスへの取り組みです。

2008年に、清水集落で首都圏の社会人や大学生、さらに地域開発の専門家など多くのみなさんに加わっていただいて、地域のみなさんと一緒に行ったワークショップが出発点になりました。それから9年目。毎年、原木の払い下げを受け、晩秋から残雪期に倒し、初夏にコマ打ちをし、秋の収穫前に刈り払いを行って、収穫を重ねてきました。

今年も順調に行けば10月にはナメコが出てくるはずです。ご希望の方はinfo@yumeshimizu.jpまでご連絡下さい。今年の販売価格、配送料など具体的な販売計画が決まりましたらお知らせを差し上げます。

春の恵みを味わい楽しむ山菜講座

地元のベテランの案内で散策。すぐ足元に山菜がいっぱい育っていました。
地元のベテランの案内で散策。すぐ足元に山菜がいっぱい育っていました。

2016年5月7日に、新潟県南魚沼市栃窪集落で山菜講座を開催しました。地元のベテランの案内で、鮮やかな新緑の野山を歩き、15品にものぼる山菜料理を堪能させていただきました。

新潟県南魚沼市栃窪集落で、雪国の春の恵みを味わい楽しむ山菜講座を開催しました。

参加したのは、以前からエコプラスと交流のある山梨県小菅村で活動されるみなさんや、新潟市、地元の南魚沼市からの計12名。

地域の恵みがたっぷり詰まった山菜ランチ
地域の恵みがたっぷり詰まった山菜ランチ

時折雨がぱらつく天気の中でしたが、山菜に詳しい地元のベテランの案内で集落周辺を散策し、ヤマウド、コシアブラ、シオデ、ゼンマイ、トリアシショウマ、アサツキなど、立派な山菜を次々に見つけていきました。

この冬は地元の人も驚くほどの小雪で雪消えが早く、フキノトウやコゴミなどはすでに季節を過ぎていましたが、ちょうどいい育ち具合のヤマウドが多く見つかりました。見つけた山菜は、毒草がないかを見てもらって持ち帰り。それぞれの味の違いや調理の仕方を教わりました。みなさん、これから自分の食卓に並ぶのを楽しみにしている様子でした。

お昼ごはんは、地元の暮らしの知恵がたっぷり詰まった山菜料理。ウドのきんぴら、ウド・ウコギ・コシアブラ・タラノメ・フキノトウの天ぷら、ウドのはかまの甘酢漬け、コゴミのきんぴらとごま和え、アブラコゴミのきんぴら、ワラビのマヨネーズ和え、シオデのマヨネーズ醤油、キノメの卵がけ、あんにんごの塩漬け、焼いたネマガリタケのみそマヨネーズ、ネマガリタケとウドとワラビの山菜汁など、豊かな春の恵みをお腹いっぱい味わいました。

案内していただいた地元の方は「その時にその場で採れるものを食べるのが山菜」と話してくれました。

参加者からは
「料理が多様で、おいしかった」
「山菜だけでなく山の暮らし全体の話が聞けた」
「風景がすばらしい」
「自分もいつかは地方で暮らしてみたい」
「小菅村という農山村に暮らしている自分自身をかっこいいと思えた」
など、さまざまな感想が聞かれました。

リアルな自然と変化への一歩

わが家の前の田んぼ。水が入った田んぼではカエルが夜通し、猛烈な音で鳴き続ける。何万匹の声だろうか。

 カエルの鳴き声。
 こんなに大きな音になるなんて。夜は電話で話ができない。先方の声が聞こえないだけでなく、先方も周りがうるさくて「窓を閉めて」と言ってくる。閉まってます、それも二重に。

 トノサマガエルの迫力ある低い声も響いているが、何と言っても大音量はあの小さなアマガエル。いったい何匹の音なのだろう。

 昨日は、TAPPOプログラムの「山菜講座」だった。教えてくれる健作さんと新緑の中に入っていく。「こういう枯れた木のようなものがヒントです。たどると、ほら」。そこに太いウドがあった。それまでまったく見えていなかったのに、健作さんが手を動かすと、魔法のように現れたのだ。

 2歳から60歳代の参加者たちは、次々と何種類もの山菜を採って、袋やカゴにおさめていく。雪深い地で芽を出した山菜たちはえぐみが少なく、けれど香りが強く、美味しいとされる。

 我が家の食卓ではここ3週間ほど、連日なんらかの山菜が料理に使われている。山菜のみの日も何日もあった。旬のものだからか、野生のものだからか、エネルギーにあふれている。歯ごたえもしっかりしていて、あふれるエネルギーをバリバリ噛み砕いて、体の中に取り込んでいくイメージが、食べながら自然と湧いてくる。

 カエルも山菜も、あまりに具体的だ。山菜は目の前にあり、手で触り、匂いを嗅ぎ、味わうことができる。カエルは夜は見えないが、強烈に聴覚を刺激する、とてもリアルな存在だ。

アースデイ関係のワークショップで。都会では、どうしても人工空間での活動になってしまう。

 2週間ほど前の4月24日、20年以上ぶりに「アースディ」のイベントに出かけた。「自然」や「環境」をテーマに、多様な組織がブースを出し、ステージでのトークやプログラムがあった。

 そこは代々木公園の一角。草木はあっても生活のない空間。集まってくる人たちの中には、とてもリアルで具体的な人間以外の命との関係を持っている人たちと、そうでない人たちといた。

 社会はきっと変わる、人と自然がいい関係になれると信じている人たちと出会った。そのイメージを具体的に持てる人たちが十分な数になれば、社会は本当に変わると思う。そのイメージを具体的に持てるかどうかには、具体的な経験が関わっていると思う。

 つまり、リアルな自然と日常的に触れているか、正面からつきあっているか、意識の中にちゃんとあるかということだ。

 アースディで触れ合った、あの若い人たちに、このカエルの鳴き声のうねりの中に立って欲しいと思った。
自分の足で斜面を登り、バランスを取りながら踏ん張って、両手で山菜に触れてカマで刈ってみて欲しいと思った。

 リアルな自然との関係を自分の中に取り込んで欲しい。頭で考えるだけでなく、きれいな空想でもなく、自然の力強さや人間にはどうにもできないパワーをしっかりと受け止めてくれたら、もっと公正でまっとうな社会に変わる一歩につながるような気がする。(5月8日)

(終了しました)田んぼのイロハ田植え編

すっかり雪が消えた山々を望む「イロハ田んぼ」。肥料まきが進んでいました。
すっかり雪が消えた山々を望む「イロハ田んぼ」。肥料まきが進んでいました。

雪が少なく、春が一気に進んだ今年の南魚沼。田植え準備も1週間以上早くペースで進んでいます。5月21−22日の「イロハ田んぼ」での田植え。まだ余裕があります。

お茶わんの中にある、そのご飯は、どこでだれがどのように作ったおコメか、ご存知でしょうか。通常のおコメがどのように作られ、どう流通しているのか。
実際に、自分たちで、無農薬天日乾燥というもっとも伝統的なコメづくりをすることを通じて、農と食のいまを見つめます。
ホンモノのコシヒカリの味を堪能する、田んぼのランチも最高です。

【日程】 5月21−22日
【内容】1日目の昼過ぎに集合、2日目の夕方3時頃解散です。実地作業に加え、米作りについての座学、集落の自然や生活を知る散策などを予定しています。
【場所】新潟県南魚沼市栃窪集落
※集合時間に合わせて最寄りのJR塩沢駅まで送迎いたします。
【定員】15人程度
【費用】参加費:10,000円(プログラム費、2日目昼食、保険料)
※参加された方には秋に収穫したコメをおひとり2kg贈呈します
※学生半額、エコプラス会員2割引。
※小学生以下、棚田オーナーのみなさんは保険料、昼食の実費のみいただきます。
※宿泊費(1泊2食、温泉付き)は各自お支払いください。地元の温泉民宿泊は大人7,500円です。

あぜに飛び交うベニシジミ。無農薬での耕作が10年になって、棚田全体が生き物にあふれています。
あぜに飛び交うベニシジミ。無農薬での耕作が10年になって、棚田全体が生き物にあふれています。

【お申し込み・お問い合せ】
特定非営利活動法人ECOPLUS
TAPPO南魚沼やまとくらしの学校
新潟県南魚沼市栃窪1120
電話:03-5294-1441
info@ecoplus.jp