豊かさとはなんだろうか? 

ヤップ島プログラム2024活動報告会 

報告:エコプラスインターン 佐藤勇輔 今瀬菜月

 今年3月に実施したヤップ島プログラムの報告会を、6月30日に東京都千代田区の神田公園区民館で行いました。プログラム参加者5名は家族や友人らの前で、ヤップ島での経験や感じたことを思い思いに話しました。 

 まず、プログラム参加者はヤップ島の基礎知識をクイズ形式にて紹介しました。私たちに特に印象に残ったものは、ヤップ島で使われている言語についてです。ヤップ島ではヤップ語が使われていますが、日本語由来の言葉が多くあります。クイズの解説を通して、その背景にはかつて日本に統治されていたという歴史があるということを知りました。そのような背景を持つ中で、ヤップ島の方々はプログラム参加者を歓迎してくれたそうです。

 次にプログラム参加者がヤップ島で学んだことを紹介しました。

 1つ目はヤップ島での暮らしの知恵です。ヤップ島の住民はヤシを食料だけでなく、寝床やまな板としても利用していました。プログラム参加者は、このような暮らしの知恵に触れ、ひとつのものを複数の用途で利用していることに感銘を受け、ひとつものをひとつの用途で用いる日本での暮らしとの違いを感じていました。

 2つ目は地球環境です。ヤップ島では海面上昇・干ばつなど、地球温暖化の影響をダイレクトに受けていたとプログラム参加者は話していました。現地の方々は、ヤップ島に生息するニッパヤシを海面上昇から守るために、植林をするなどの対策を取っていたようです。また、干ばつで川が枯れ、新たに井戸を掘らなければならないという状況にも陥っていました。日本ではその影響を感じることはほとんどありませんが、プログラム参加者はこのプログラムを通して環境問題への意識が高まったようです。

 3つ目はグローバル化の影響を受けるヤップ島です。ヤップ島の近くで生息しているシャコガイなどは、周辺のグアムで高く売ることができ、過剰採取されています。現地では、その対策として禁漁区を設けて持続的な管理を図っています。また、外国から合成洗剤を輸入するようになりました。しかし、下水処理施設が整備されていないヤップ島ではそのまま土壌に流している現状です。その土壌は食料を育てているものであり、食料が化学物質に汚染されている可能性があります。プログラム参加者は、このようなグローバルによる影響を危惧していました。 

 最後に、会場にいる全員が4~5名のグループに分かれて「あなたにとって豊かさとは何か」をテーマに話し合いました。日本ではモノが溢れている豊かさ、ヤップでは自然と共存する豊かさを踏まえたうえで、豊かさについて考えるきっかけになりました。