見たことのない生きものとの出会いに感動!〜清水いきもの復活大作戦・夏の巻〜

首都圏からの社会人や学生に加え、地元南魚沼や新潟市内からの参加者計10名が、専門家や地元の人たちと一緒に生物多様性の保全活動を行いました。

今年2回目となるいきもの復活大作戦が、7月23-24日に新潟県南魚沼市清水で行われました。今回は草刈りや木道作りなどの作業だけでなく、専門家と一緒に調査をしたり、地元の人から柴木造りを教わったりしました。

今回は、プロジェクトアドバイザーの(財)日本自然保護協会常勤理事の横山隆一さんと新潟県立小出高等学校教諭の深沢和基さんが2日間一緒に活動してくれました。専門家の鋭い視点や生きものに関する深い知識に触れ、参加者や地元の人たちがたくさんの学びや気付きを得る機会となりました。

西谷後の池を調査している様子。池の中の黒い斑点は、オタマジャクシです。
西谷後の池を調査している様子。池の中の黒い斑点は、オタマジャクシです。

初日の午後は、「西谷後」という保全地域の調査と草刈りを行いました。調査の中で、初めてシャチホコガの幼虫が見つかりました。体を反り返し、成虫さながらに発達した細長い足を広げる珍しい姿に、皆が驚いていました。草刈りでは、人間の身長を優に超すほどに背の高いアシや1mほどまで伸びたススキなどを刈りました。来た時にはうっそうと茂っていた草も、見違えるほどにきれいに刈られ、歩きやすい保全地域となりました。
夕食後の交流会では、地元の人の地域活性化に対する情熱に触れる機会がありました。参加者からは「どんな思いでプロジェクトに関わってくれているのかが分かり、心に響いた」「町を変えていきたい!という思いが聞けて良かった」という声があがりました。

木で木を縛る「柴木造り」。参加者も挑戦しましたが、地元の人の技には敵いません。
木で木を縛る「柴木造り」。参加者も挑戦しましたが、地元の人の技には敵いません。

2日目は、朝6時から集落散策に出かけました。電線の上に止まって鳴き続けるホオジロや羽化したばかりのエゾゼミ、スギの木のてっぺんにとまったアオサギ、民宿付近のガマ畑などさまざまな生きものを見つけ、観察しました。
2日目の調査と作業は、「大明神」というエリアで行われました。サンショウウオの幼生や、水を飲みに集まるミヤマカラスアゲハ、ハッチョウトンボなどが確認できました。照りつける太陽の下、周りでオニヤンマ、ルリボシヤンマ、シオカラトンボ、アキアカネなどたくさんのトンボが飛び交う中、草刈りや木道作りの作業を進めました。

今回の活動を通して、参加者からは、「すべてにちゃんと名前があり、ただの『カエル』はいないことが分かった」や「今までは食料にならない物には興味がなかったが、色々な生きものを見て2日間楽しめた」など、興味の幅が広がったという声や、「また来たい」「活性化を手伝いたい」などの清水を今後も応援していきたいという声が聞かれました。

次回の活動は、9月23−24日の秋の巻です!

*このプロジェクトは2011年度経団連自然保護基金支援事業です。