7 月10-11日に実施した今年2回目の活動には、首都圏の大学生や社会人を中心に13名が参加し、専門家や地元の人たちと一緒に調査と保全作業を行いました。
新潟県南魚沼市清水で2回目の生き物復活大作戦が7 月10-11日に行われました。今回は保全活動だけではなく、専門家と一緒に調査をし、今後の方向性についても検討しました。
このプロジェクトには、アドバザーとして3人の専門家の方たちに関わっていただいています。(社)日本環境教育フォーラム理事の北野日出男さん、(財)日本自然保護協会常勤理事の横山隆一さん、新潟県立小出高校教諭の深沢和基さんです。
初日の午後は、3人全員が集まって、清水の人や参加者と一緒に調査をするという貴重な機会となりました。
保全地域の「西谷後」「大明神」、それぞれの観察池に行くと、5月に実施した前回の活動で作った木道は、すっかりなじんでいました。池の周囲には草が伸び、前回の参加者からは「前と様子が全然違う!」という声があがっていました。
調査が始まるとすぐに、専門家の方たちのまわりには人が集まり、観察会が始まりました。ネキトンボ、繭の中にいるコマユバチの幼虫、プラナリア、センチコガネ、コオイムシなど様々な生き物が姿を現しました。
どの生き物についても、専門家の方々が丁寧に解説をしてくれるので、地元の人も参加者もぐいぐいと生き物の世界に引き付けられていくようでした。大きな毛虫を「かわいく見えてきた」と言って腕に乗せる参加者もいました。
2日目は午前中に保全作業を行いました。陸地化(乾燥化)を防ぎ、湿地の生き物が生息できるように、イグサを残し、ススキやヨシなど背の高い草をカマで刈っていきました。
池のまわりにびっしりと草が生えていましたが、15人ほどが一気に作業を始めると、短時間のうちに背の高い草がすっかりなくなり、別の場所のようになっていきました。時々、地元の方からカマの使い方指導がはいっていました。
新潟県の絶滅危惧2類に指定されているサワギキョウがいたるところに生えていたり、背の高い草を刈っていくと、ショウブの群生地が現れたりと、貴重な植物があることがわかり、清水の人たちも驚いていました。
作業をしながらも、羽化したてのオニヤンマやミズグモ、モリアオガエル、鳥の巣と卵など様々な生き物を見つけ、観察しました。アカショウビンやクロツグミなど鳥の声も聞くことができました。
2日間の活動で、参加者からは、多様な生き物がいる環境を守ることや、人間が手を入れることがなぜ必要なのかわかったという声が多く聞かれました。同時に、生き物に対する好奇心にあふれた専門家の方々の生き方にも、刺激を受けた人が多かったようです。
参加者の感想(アンケートより)
・どの生物にも役割があって、それで自然が成立していることに気づいた。
・「害虫、益虫、ただの虫」全部必要で、害虫だから全て殺す、益虫だから全て残すというわけではないという横山さんの話で、自分は「益」なものばかり集めようとして、バランスを悪くしているのかなーと思った。
・自分の五感が研ぎすまされた。都会にはない人の温かさをもらった。
・ 自然も必要なものだけが重要なのではなく多様であることが大切。同様に人間も多様な考え、やり方の人が共存しつつ多様で豊かな世の中になっていくと良いのかもしれない。
・ 清水の皆さんの姿をみて、私も郷里の旧友や親せきのことを思い出した。清水には古き良きコミュニティが残っているように思う。