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「自然の治癒力」セミナー&ワークショップ

 エコセラピーの研究・実践者であるデニース・ミテンさんが、米国から来日するのに合わせ、特別に一般公開のセミナーと体験的に学べるワークショップを企画しました!

 自然の中での時間が人の成長や幸福感、健康にどのように寄与するか、という研究結果をもとに、短期的・長期的な効能や、精神的・情緒的な課題への効果、体重やボディイメージの変化、子どもの環境意識との関連などについて、エコセラピーや自然心理学の分野にも触れながら、トークとワークショップで紹介します。
 自然と学びに関心のある人、心理士、医療関係者、子育て関係者、野外・環境教育の指導者など、多くの分野にとって有意義な時間となるでしょう。

Dr. Denise Mitten(デニース・ミテン)
 米国アリゾナ州、プレスコット大学にてサスティナビリティ教育博士課程および冒険教育修士過程の主任を務める。森林生態学、教育・リーダーシップ・倫理、カウンセリング、オルタナティブセラピー、脳科学など、研究は非常に学際的。
 1960年代にガールスカウトで活躍し、以後40年以上にわ たり、マッキンリーやスイスアルプス、ヒマラヤ遠征や、コロラド川やリオグランデ川でのラフティングやカヤックによる川下りなどの活動を重ねる。
 「野外での技術」と「思いやりの心」が、持続可能なコミュニティを作る術を得ることにつながるとし、また、1980年代から、 数多い女性たちが野外教育や野外活動の分野に進出することを支援してきた。近編著にPalgrave International Handbook of Women and Outdoor Learningがある。


1)セミナー 「自然の治癒力」とは
日時:6月23日(金) 6:20pm~8:30pm
場所:早稲田大学戸山キャンパス 32号館 128教室
参加費:無料
定 員:100名程度

2)ワークショップ 「自然の治癒力」を活かしたリカバリー・プロセス
日時:6月24日(土)9:30am~4:30pm
場所:森林総合研究所、多摩森林科学園(高尾)
参加費:5,000円(茶菓子、資料、講師代)
定員:20名限定
持ち物:昼食(弁当)、コップ、敷物など
共催:(国研)森林研究整備機構 森林総合研究所、多摩森林科学園
後援:日本野外教育学会

言語:セミナー、ワークショップは、いずれも英語で実施します。
懇親会:両日とも、活動後に 現地または近隣で懇親会を予定しています。ぜひご参加ください(別料金)。

申込:セミナー・ワークショップ共通:https://goo.gl/forms/9GBAj2JYxAcL6R4J3(6月18日締切)
会場などの詳細は、申し込んでいただいた方に追ってご案内いたします。

企画・コーディネート:高野孝子(早稲田大学/エコプラス代表)・針ヶ谷雅子(明治大学)

英国のCenter for Alternative Technologyを見学してきました

センターでは、太陽光、水力、そして風力による自家発電ですべてのエネルギーをまかなっています。
センターでは、太陽光、水力、そして風力による自家発電ですべてのエネルギーをまかなっています。

世界でも有数の「エコセンター」とされる英国のCATを訪ねてきました。いろんな知恵が実際に試されている面白い場所でした。

愛知万博に関連したインタビューで、英国ウェールズにある「Center for Alternative Technology(これまでとは違った技術開発センター)」に行ってきました。持続可能性やこれからの地球社会のあり方に興味を持つ人にはすばらしい学びの要素が詰まった場所でした。機会があればぜひ訪ねることを勧めます。

以前に使っていた巨大な発電用の風車などを使った新しい展示コーナーが建設中です。
以前に使っていた巨大な発電用の風車などを使った新しい展示コーナーが建設中です。

CATは、最寄り駅であるMachynllech(マカンクラフ)の町から北に3マイル(約5キロ)慣れている。私は、自転車を電車に乗せて訪ねることにした。駅のインフォメーションセンターで町の中心部に行くように勧められて向かったが、町並みは駅の南側。再び北上して自転車ルート8号で進む。川沿いの放牧地に舗装された自転車道があり、それをたどって走る。川には魚がパシャと跳ねる音が何度も聞こえる。出来たばかりの自転車用の橋を渡って行くと、向かいの丘の上に巨大な発電用の風車が見える。
その丘に向かう急な坂を最低ギアにして登り、汗だくになって30分ほどかかって森の中に入ると、ようやくそこがセンターの受付だった。
受付からは、クリフレイルというケーブルカーが走っている。高低差70メートルのがけを往復する。下がってきたケーブルカーが着くと同時に、じゃーという水の音が鳴り渡る。つるべのように、二つのケーブルカーの片方に水を入れるとその重みで車が下がり、下につくとその水を吐き出して、上のケーブルカーに今度は水を入れる。その水の重みで次は上の車が下に下がってくる、という仕組みだ。まさに自然の力を使ったケーブルカーだ。

センターに上がると、インフォメーションセンターがあり、全体の説明を聞いたり、オーディオガイドの道具を借りることができる。

センターの歴史を示す10分のビデオ、エネルギーを無駄にしない家の作り方、断熱材として羊の毛やワラを使う壁が実際に作られている。家庭のゴミをどのように処理をするといいかも示されている。

センターの電力は、数百メートル離れたがけの上に置かれた3台の小さな風力発電機と池から流れる水を使った水力発電、それに屋根のあちこちに置かれた太陽光発電セルにより賄われており、その電力を蓄え供給するシステムもガラス越しに見ることができるようになっている。

センターには、スタッフの家族や長期滞在のボランティアが住み込んでおり、現実の生活に活用することができるさまざまな技術技法が生の形で示されているのが面白い。
トイレの手ふき紙もコンポストにされていてその経過を見ることが実際にできる。高さ1メートル近く積み上げられた紙くずが、厚さ10センチほどのたい肥になっている展示などで、さまざまな工夫の力を実感することが出来る。

センターのあちこちから風力発電の羽が回っているのが見えるので、自然エネルギーに目が行ってしまうが、主任農夫のロジャーと話をして分かった。このセンターの目に見えない主役は農業なのだ。人々の命を支える「食」を、ロジャーを筆頭とする農業グループが有機農業を通じて支えている。庭のあちこちに野菜が植えられ、「ロジャーのビニールハウス」と名付けられた場所では、トマトなどの野菜がいっぱい育てられている。このスタッフの3度の食事は無論、見学者向けのレストランの食材も全部自前で作っているのだ。

エコキャビンという18人を収容できる建物が2棟あり、学校などの団体を迎えることが出来るようになっている。屋根は土が置かれて植物が成長していて、断熱効果を上げている。宿泊者はどれだけの太陽エネルギーがキャビンに降り注いでいるのか、どれだけのゴミを自分たちが出しているのか、などを目のあたりにしながら生活を送り、日常生活の自然へのインパクトを学ぶことができるようになっている。

入場料は8ポンド、電車で行く時には事前にCAT入場券と一緒にというと入場料は半額になる。またバスや自転車でセンターに来たことを告げると入場券は割引になる。