雨が足りません

オーナー田んぼは好天続きで、成長にはいいのですが、水が不足してきました。

 

ほとんど空っぽになったため池。今の時期は本当は梅雨のはず。
ほとんど空っぽになったため池。今の時期は本当は梅雨のはず。

今年は、梅雨になかなか入りません。
好天続きで気温が高いのは稲には都合がいいのですが、田植え直後のこの時期は、水を最も必要とする時期です。

水は、夜間の保温効果があるほか、雑草が茂るのを防いでくれます。水がないと畑のように雑草がわさわさとわき出てきて大変なことになります。

が、雨が降らないまま、ため池の水位はどんどん下がります。大きな川がない傾斜地である栃窪の田んぼは、昔から雨が頼りでした。雨をため池にためて、それを上から順番に下に流して、稲を育てたそうです。

「線香を、水の取り入れ口に立てて、それが消えたら、隣の田に水を入れた」「夜中にこっそり自分の田んぼに水を引きにいった」「それを互いに見回っていたものだ」など、田んぼの水争いに関してはお年寄りたちはいろんな話をしてくれます。

空っぽになったため池からの水に頼っていた田んぼには、ひびが入ってしまいました。
空っぽになったため池からの水に頼っていた田んぼには、ひびが入ってしまいました。

すっかり干上がったため池からの水が流れる田んぼでは、ひび割れも出てきました。

幸い、オーナー田んぼの上にあるため池はまだ少し水が残っていて、田んぼにも水が溜まっている状態です。
雨が欲しいところです。

1滴の水も無駄にしない

苗を植え終わったら、次は水やりです。水道が通っているようなところではないので、蛇口をひねればいいと言う訳にはいきません。

 

 祐子さんの畑の水を汲む場所です。
祐子さんの畑の水を汲む場所です。

水汲み場まで往復すると3〜4分かかるので、1滴の水も無駄にしないのが祐子さん流です。バケツで汲んで来た水をジョウロに移すときも、植えた苗のすぐ近くにジョウロを置きます。こうすればこぼれた水も苗にかかるので無駄にはなりません。

これで大豆の苗を植える作業は終了です。

一息入れた後、祐子さんの多彩な畑を案内してもらいました。金時豆、青豆、ニンニク、ジャンボニンニク、カボチャ、イチゴ、ジャガイモ、キャベツ、タマネギ、山芋…。きれいに区分けされて、整然と作物が植えられていました。イチゴは今が食べ頃で、みんなで収穫させてもらいました。下の方の斜面にはワラビも生えていました。

 天気が続いているので、水やりはとても大事な作業です。
天気が続いているので、水やりはとても大事な作業です。

いきものプロジェクト第2回報告

6月15日(日)、夏の訪れを告げるホトトギスもピョピョピョ ピョピョピョ と鳴く、初夏の気持ちいい快晴の日の午後、2008年度栃窪いきものプロジェクト第2回が新潟県南魚沼市栃窪集落で行われました。
参加したのは、22人(子ども11人、大人11人)。集落の方17人に同じ南魚沼市内からや東京からの参加者も加わりました。今回は、清水が流れ込む空き地「清水端」と第1回でも行った山「天王さま」にいきました。

イモリ イモリは、井(井戸)を守るので、水に住む両生類 ヤモリは、屋を守るので、陸に住むは虫類
イモリ
イモリは、井(井戸)を守るので、水に住む両生類
ヤモリは、屋を守るので、陸に住むは虫類

清水端は、上杉謙信も通ったという栃窪峠に続く古道沿いにある空き地です。冷たい清水が流れ込んでおり、いくつが深い水たまりができています。ここでは、4種類のカエル、イモリ、サンショウウオの両生類や、レッドリストに載っているシナイモツゴという魚、他にもコオイムシやイトトンボのヤゴなど虫も多く確認されました。
地元の小学生の「身近なところにたくさんの生き物がいるんだな」との感想に「弱い生き物である両生類がたくさんいるということは、とても良い環境があるということ。それが人の家のすぐ近くにあることは素晴らしい。」と講師の深沢先生。
去年から継続して参加している地元の小学生は「秋に見た時より生き物が減った。季節の違いを感じた。 」とコメントしました。継続的に観察するとより多角的な視点をもつことができるだと気づかされました。

コオイムシのオス メスは、オスの背中に卵を産みつける。子を背負う虫で子負虫(コオイムシ)
コオイムシのオス
メスは、オスの背中に卵を産みつける。子を背負う虫で子負虫(コオイムシ)

「天王さまの森が涼しくて幸せだった」
天王さまは、針葉樹と広葉樹が交じりあった森で、森に一歩足を踏み入れると、冷んやり気持ちいい。「森の中は温度が一定で乾燥もしない。そして、ここは特に針葉樹と広葉樹が交じりあった森なので、生息する生き物の種類も多い。」と深沢先生は教えてくれました。早速のセミの鳴き声を聞いたり、クスサンというガの繭やホウの実、リスがかじった後のクルミ、キツツキが開けた穴のある木、大きなブナの木と足下に広がるブナの子どもたち。たくさんの生き物がこの森にいることを感じました。
また、前回見つけたタヌキの穴は今回も健在でしたが、新しい糞の形跡がなかったり、タヌキの皮膚のついた毛が落ちていたりしたので、何者かに襲われた可能性が考えられるということでした。

「とにかく気持ち良かった。癒された。」「昔はこんな風に遊んでいたが、今は仕事場と家との行き帰りなので、久しぶりに童心にかえった。カワニナやドジョウが昔に比べて少なくなっていた。」と参加者の感想がありました。

定点観測では、前回よりも多く、オタマジャクシ2種、マルタムシ、イトトンボのヤゴと幼虫、コオイムシ、アメンボ、ゲンゴロウの幼虫が観察されました。