大豆の苗は祐子さんが畑の一画で豆から育てたもので、長さは10㎝くらい。小さい双葉と黄緑の本葉が広がっています。
根を傷つけないように深めに鍬を入れ、少し苗を持ち上げます。根が絡み合ってかたまりになっている苗を、ほぐしながら1本ずつにします。
畝ができたところから苗を植えていくのですが、このとき2本1組にするのが上手に育てるポイントなのだそうです。1本では競争する相手がいないのでそれほど大きくならず、3本では多すぎて栄養が行き届かず、結局2本植えるのが一番いいそうです。一同「なるほど!」「何事も欲張ってはいけないのね」と納得。
1組植えたら、足ひとつ分間隔を空けて次の1組を植えていきます。足運びにも決まりがあって、交互に踏み出して重心を乗せる足で間隔を測り、空いている足は植えた大豆を踏まないように真後ろに置いておきます。
そうした作業の間も、大豆の根が持つ成分を活かして土壌を改良することや、秋に土の具合を見て次の年の作物を決めること、大きい実が実ったり長い期間実り続けたりする作物は畑を疲れさせることなど、祐子さんが栃窪に嫁いでからおじいさんおばあさんに教わったお話を伺いました。