黄金色のイロハ田んぼ

イロハ田んぼのイネが、黄色く色づいています。

 

イネが倒れている部分もあります。
イネが倒れている部分もあります。

イロハ田んぼのイネが、黄色く色づいています。栃窪集落では9月18日から稲刈りが始まり、収穫の秋を迎えています。
9月に入ってからの強い雨や風のために、3分の1くらいのイネが倒れています。田んぼを管理しているパノラマ農産社長の笛木晶さんは、「たくさん収穫しようと肥料を増やすと、茎が伸びすぎて倒れてしまうし、イネそのものが弱っていても倒れてしまう」と話していました。
イネが倒れると、刈り取り作業に手間がかかり、収穫量や品質の低下をまねく恐れもあるそうです。さらに穂が水につかるとモミが発芽してしまい、収穫出来ない場合もあるとのこと。
刈り取りまで雨が多く降ることがないよう、祈るばかりです。

コメが実り、垂れ下がった稲穂。写真の奥に見えるのは、一足先に稲刈りを終えたとなりの田んぼの「はざ」です。
コメが実り、垂れ下がった稲穂。写真の奥に見えるのは、一足先に稲刈りを終えたとなりの田んぼの「はざ」です。

あぜ豆の災難

順調に育っていたあぜのダイズは、あちらこちらが動物に食べられていました。

7月4日にイロハ田んぼのあぜに植えたダイズの苗。花が咲き、サヤができ、9月の初めまで順調に育っていました。今の時期に収穫すれば、おいしいエダマメとして食べられる頃です。
そのおいしいエダマメをねらっていた動物がいました。9月20日には、多くのサヤが半分くらいかじられ、茶色くなっていました。村の人に聞いてみると、ウサギの食べ方だそうです。

9月2日撮影。豆がしっかりと実っていました。
9月2日撮影。豆がしっかりと実っていました。
9月20日撮影。動物にかじられ、サヤが茶色くなっていました。
9月20日撮影。動物にかじられ、サヤが茶色くなっていました。

堆肥作り順調

7月4日に刈り取ったあぜの草で作っている堆肥の様子です。

 

7月4日の田んぼのイロハ「草刈り」では、カマで刈り取ったあぜ草を木の枠につめて、堆肥作りに挑戦しました。枠からはみ出すほどの量だった草が、今は枠の内側に収まっています。一部は土のようになり始めています。

刈り取った草を集めた木枠の中。青々としていた草が今は茶色に変っています。
刈り取った草を集めた木枠の中。青々としていた草が今は茶色に変っています。
よく見ると、小さいムカデのような生きものがいました。
よく見ると、小さいムカデのような生きものがいました。

ミョウガ

ミョウガが収穫される時期になりました

茂みの根元に分け入ると、ミョウガを見つけることができます。白い部分は花です。
茂みの根元に分け入ると、ミョウガを見つけることができます。白い部分は花です。

 

和食の薬味として知られている「ミョウガ」が、収穫期を迎えています。

栃窪や周辺の地域では、薬味以外に、きんぴらやみそ漬け、けんちん汁の具などの料理にも使われているようです。
幼い頃は見向きもしませんでしたが、いつの間にか食べるようになっていました。

 

 

1メートルより少し高いくらいの草がたくさん繁っている場所。この中にミョウガがあります。
1メートルより少し高いくらいの草がたくさん繁っている場所。この中にミョウガがあります。

清水の秋空にルリボシヤンマが舞いおどる 生物多様性保全・教育プロジェクト〜清水いきもの復活大作戦・秋の巻〜

新潟県南魚沼市清水で、今年度3度目の保全活動を9月18-20日実施しました。首都圏からの6名の参加者と地元の人たちが一緒に草刈りや木道作りに汗を流しました。
今回は、生物多様性保全活動に加えて、専門家と一緒の調査やナメコ栽培現場の草刈り、山登りを実施。秋の清水の自然の豊かさをじっくり味わう3日間となりました。

木道作りの様子。板を運ぶ人、木を切る人、打ち付ける人と役割を分けてスムーズに進みました。
木道作りの様子。板を運ぶ人、木を切る人、打ち付ける人と役割を分けてスムーズに進みました。

初日の夕方と2日目の午後に保全地域の草刈りと木道作りを行いました。7月の夏の巻の時にも、アシやススキなど乾燥化を好む草を刈り取りましたが、2ヶ月間でぐんぐん伸びていました。それをカマや草刈り機でばっさばっさと刈り取り、きれいになった畔に木道を設置しました。
参加者と地元の人たちが畔に一列に並び、バケツリレーのように木を運び、着いた先でどんどんと道を作っていきました。ほんの1時間ほどで約100mの木道が完成。「やはり人の手が多いのは強い!」と清水の人が言っていました。

2日目の午前は、プロジェクトのアドバイザーである新潟県立小出高校の深沢和基さんと共に、現在の保全地域の環境の様子や生息する生き物について調べました。池の上を飛び交う多くのルリボシヤンマや巨大なヒキガエル、細長いヒモのような不思議な生き物のハリガネムシなどに、みんな引きつけられていました。
大人たち10数人が虫取り網を持って、生き物を追いかけ、ところどころで歓声が上がっていました。

最終日は朝早くから、地域の共同事業として行っているナメコ栽培の現場に向かい、原木周りの草刈りをしました。3日目にもなると都心からの参加者も慣れたもの。手際良くカマを使って草を刈っていき、予想以上の早さで終わりました。

巨大なヒキガエルを握りしめる参加者。
巨大なヒキガエルを握りしめる参加者。

今年度の生物多様性保全・教育プロジェクトの交流イベントは今回で最後。年内にまとめの調査と次年度の計画作りを行います。

5月に休耕田に穴を掘って水を引いてから約半年で、様々な種類のトンボやカエルが姿を見せるようになりました。一冬を越えて、来年はどんな姿を見せてくれるでしょうか。プロジェクトはこれからも継続します。

 

【参加者の感想】
・想像していたより3倍も楽しかった。人と話しても楽しかったし、山に登ったのも楽しかった。また来たいです。
・2泊3日、心も体も充実した時間だった。ナメコの原木を初めてみた。ナメコがどうやって作られるのかを知れてよかった。
・2泊3日で清水を堪能できて楽しかった。ナメコ現場の沢が素敵だといつも思うが、その上にあんな山があるなんて知りませんでした。とっても爽快でした。山の山頂からの景色はなにものにも代え難い。
・「人間が生き延びるため」ではなくただ生き物、自然が好きだから保全したいというのは美しいことだと思います。僕もただ画一化されていくこと自体がよくないという動機で生物多様性は守られなければならないと思います。

【清水の人たちからのコメント】
・いままでは注意してみていなかったが、何か興味のあるものをひとつ見つけると見方が変わってくる。私が白いカタクリの花を見つけて以来、カタクリの花をよーく見るようになった。
・名前の分からない生きものがまだまだたくさんいる。楽しみが増える。カエルの顔が種類などによって違うのを見たいと思って、ルーペを買った。
★プロジェクト専用ウェブサイトが出来ました!
http://ikimono.ecoplus.jp/top.php?lang=ja

保全地域の変化の様子や、清水の人たちからのコメントなどを掲載しています。

高野孝子の「場の教育」発刊

エコプラス代表理事の今年2冊目の著書「場の教育」が発刊されました。地域社会が内包する学びの可能性を、新潟県南魚沼市での活動を通して論じています。

農文協が21冊シリーズで刊行する「シリーズ地域の再生」。結城富美雄さん、内山節さんなど本格的な著者が並ぶ。
農文協が21冊シリーズで刊行する「シリーズ地域の再生」。結城富美雄さん、内山節さんなど本格的な著者が並ぶ。

発行されたのは農山漁村文化協会(農文協)が企画するシリーズ地域の再生(全21巻)の一つ「場の教育・・・土地に根ざす学びの水脈」、286ページ。愛知大学経済学部教授の岩崎正弥さんとの共著だ。

この本では、明治以来、日本の学校教育の主流だった「地元を捨てさせる教育」に対して、「土地に根ざす学び」があったとする。第1部で、岩崎さんが、日本各地にあった「土の教育」「郷土教育」「デンマーク型教育」などの事例を検証。土地に根ざした「場の教育」こそが地域と教育を再生すると論じている。

9月に発刊された「場の教育」。第2部の高野孝子部分には南魚沼での実践例が豊富に紹介されている。
9月に発刊された「場の教育」。第2部の高野孝子部分には南魚沼での実践例が豊富に紹介されている。

第2部で、高野が現代における実践例として、南魚沼市で展開している「TAPPO 南魚沼やまとくらしの学校」の活動を、その受け皿となっている集落の様子とともに具体的に描き出している。

高野が強調するのが、現代社会で省略してしまう「プロセス」。都会では便利で早いことに価値が置かれ、プロセスは省略されてしまう。しかしプロセスを体験的に知ることが、人間としては大切で、農産漁村はそうしたことを学ぶ舞台を提供できるのだ、と。

地域の再生とは、教育はどう変わるべきかなどを考える、多くの材料がちりばめられた本だ。

アマゾンへのリンクは次の通り。

プラナリアやヒバカリ(小型のヘビ)を観察。9月のいきものプロジェクト

2010年9月12日(日)の生きもの調べでは、清水が流れ込む池の周辺でプラナリアやヒバカリを発見。プラナリアは顕微鏡で細かく観察しました。
9月12日(日)に、南魚沼市栃窪集落で恒例の「栃窪生きものプロジェクト」が行われました。南魚沼市内には朝から大雨洪水警報が出されていましたが、栃窪は小降りだった雨が途中で上がりました。集落内外から8人が参加し、小出高校教諭の深沢和基さんを講師に、生きものの観察を行いました。

毎回観察しているスイレン田んぼや、清水が流れ込んでいる池などを観察しました。参加者は歩きながらそれぞれ生きものを探し、何か見つけては声をかけ合い観察しました。

スイレン田んぼでは、トンボが数種類飛んでいた他、前回少ししか確認できなかったタヌキモやミズオオバコなど水生植物の花の数が増えていました。

濡れた草の上を移動していた小型のヘビ「ヒバカリ」。小さな頭と紫がかった茶色の肌が印象的。無毒。
濡れた草の上を移動していた小型のヘビ「ヒバカリ」。小さな頭と紫がかった茶色の肌が印象的。無毒。

池では、手足の生えたクロサンショウウオの幼生を何匹も観察しました。ウーパールーパーのようなエラがしっかりついていました。

別の池には、お腹が大きくふくれた、トノサマガエルと思われるカエルがいました。深沢さんがお腹をなでて探ってみると不自然に角張った部分があり、何か大きなエサを食べた直後かもしれない、とのことでした。

同じ場所では、小型のヘビ「ヒバカリ」を2匹発見。互いにヘビを手で持って、その肌の色や筋肉の強さなどを感じました。

池からつながっている、幅20センチほどの緩やかな清水の流れでは、ヨコエビやプラナリアなどの、長さ0.5ミリから1センチ前後の小さな生きものが次々見つかりました。

顕微鏡で見たプラナリアの頭部。平べったい頭に丸い2つの目が見えます。
顕微鏡で見たプラナリアの頭部。平べったい頭に丸い2つの目が見えます。

持ち帰って顕微鏡でプラナリアを使うと、肉眼では見えにくかったプラナリアの目がよく見えました。マンガのキャラクターのようなひょうきんな表情で、参加者はおもしろく観察していました。

光沢のあるトンボ

事務所にトンボが入ってきました。

TAPPOの事務所では、夏の暑さをしのぐために、入り口のドアと窓を開けっ放しにしています。時折涼しい風が吹き抜けます。この夏もこれで乗り切れそうです。
さて、そうすると、思いがけず事務所に入ってしまうのが虫などの生きものです。9月2日はトンボが入ってきました。金属のような光沢があり、目はとてもきれいな緑色をしていました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA