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びっしりの雑草を見事に整理

田んぼのイロハ草取り編に早稲田大学の学生が実習で参加

Weeding Workshop at Organic Rice Paddy

35 Students of Waseda Joined the program.

 エコプラスが主催する休日農業講座「田んぼのイロハ」草取り編が2019年6月8-9日に、新潟県南魚沼市栃窪地区で行われました。今回は、早稲田大学の実習チーム35人による貸し切り実施となりました。

ECOPLUS held organic rice farming workshop called “Tanbo no I-ro-ha” or “ABC in a rice paddy,” on 8-9 June, 2019 at Tochikubo village in Niigata, Japan, having 35 students from Waseda University in Tokyo.

Time Lapse Video shows great progress. 時間短縮ビデオで見る学生たちの草取りパワー

 今年は5月に雨がほとんど降らなかったために、田んぼが乾いて雑草が大量に発生してしまいました。除草剤をまったく使っていない無農薬田んぼなので、イヌビエなどがびっしりと育って、稲の苗が分からなくなるような場所も。学生たちは、裸足で田んぼに入り、両手を泥の中に突っ込んでかき回すようにして草取りをしました。

Since we had very limited rain falls in May, some areas of rice paddies dried up and it helped weeds to grow seriously specially at our non-chemical, totally organic paddies. Students waled into the paddy with bare feet and used fully opened hands like as rakes to clear weeds.

 ちょうど前々日の金曜午後からの雨で、田んぼは水で覆われていましたが、その下の土は乾燥のためにしっかりと固まっていて、指も突き刺さらない状態。稲そっくりに伸びたイヌビエをむしり取るような場所もありました。9日午前9時から始めて、午後1時半までの4時間余で、広さ1反(10アール)余の2枚のたんぼをきれいにすることが出来ました。

Paddies were filled by water thanks to the rain since Friday evening but in most of the paddies the soil was so solid because of long dry condition that it was difficult to push fingers in the soil and we needed to pull out each weeds. Started the work at 9 am on Sunday, it took 4 hours and more to finish two rice paddies which size is over 1,000 square meters.

 農作業以外にも、農家のみなさんから話を聞いたり、専門家による生きもの調べをさせてもらったりと、農山村の自然と暮らしに触れた2日間。学生たちは「本来の生きるということを実感した」「農作業の大変さを感じた」「もっと食料を大事にしたい」などと感想を残してくれました。

Beside weeding in rice paddies, villagers gave them lectures, and a specialist conducted nature tour. Through those students had a chance to feel the relationship between nature, life and community. They left comments like, “I strongly leant the true meaning of to live”, “I understood the hardship of farming”, “I should have more appreciation on food”.

高野孝子の地球日記・・・3つの「賞」がやってきた

ヤップ島でコインランドリーからの排水を地元の人たちと調べる
 「テレビ観ました!」
 2月8日夜の日テレ「笑ってコラえて!」の一つのコーナーで私が取り上げられたことで、職場やネット上で、海外在住を含む数多くの人たちから声をかけられたり、連絡をもらったりした。社員旅行の帰りの車の中でたまたま流れてびっくりした、というまったくの偶然によるものも多く、とても久しぶりに近況を聞けた人たちもいる。
 またまったく知らない人が、私のことを調べてネット上で書き込んでいたりもする。

 瞬間的なことかもしれないが、テレビの影響力を実感した。

 22年前の映像が再び取り上げられる機会となり、また足かけ3日間の自宅での取材に加え、ほぼ3週間にわたって昔の写真を探し、資料をスキャンし、落ち着いた振り返りではなかったが、たくさんの出来事や人々とのご縁をあらためて見直すことにつながった。一緒に北極を旅した、米国在住のウィル・スティーガーとも画面を通して話すことができた。
 番組では使われなかったが、小学1−2年生の時の作文やテストを母が取っておいてくれた。そこにいちいち赤ペンで優しい言葉を書き込んでくれていた青木先生にそのファイルを見せようと、番組からもらった「トロフィー」も一緒に、彼女が暮らすグループホームを訪れた。施設の職員さんたちが知るところとなって盛り上がり、なぜかホームに入所されている方々全員と記念写真を撮った。トロフィーが中心。人気番組なんだなあと実感(私はほとんどテレビを観ないので、知らなかった)。

 バラエティ番組なりに楽しい作りになっていて、私も笑いながら見ていたが、ディレクターによると柱は「冒険と教育」。ずっと学びの場に関わってきた私としてはありがたかった。

 1月から2月にかけて、周囲のみなさんに喜んでもらえることが重なった。
 一つは、2017年度春学期の早稲田大学ティーチングアワード。「優れた教育の実践」を評価するものだ。学部や教育センターごとに選ばれるが、私の授業が提供されるグローバルエデュケーションセンターでは、1200以上の授業がある。その中から選ばれた3人の一人であった。
 「世界が仕事場」という名前の、学生たちが自ら一歩踏み出すことを応援する授業で、時には私がその様子に感動させられる。学生たちも言ってくれるように、価値ある学びの場になったと思う。私の役目はコーディネートで、学生たち自身と外部からいらしてくださったゲストのみなさんと一緒に作った授業だった。留学センターの任期4年の最後に受賞できたこともうれしいことだった。

 そしてもう一つが、Japan Outdoor Leaders Award(ジャパンアウトドアリーダーズアワード)特別賞。「山や川や海、田畑や森林など多様なアウトドアフィールドで、未来のための人づくりを実践する」人たちが対象だ。「記録」や「長い年月の活動」を評価する賞はあるが、変化する社会の中で広い視野と環境理解を持ち、人のために行動できる「普通の市民」を育てる人たちに焦点をあてる賞はあまりないことから、注目していた。「記録」のようなわかりやすい指標がないため、とても難しい試みだと思う。

 しかし自然の中で、他の人たちと共に生活し活動しながら得られる知識や理解、育まれる力や絆、価値観の問い直しの意味は、とてつもなく大きく、これからの社会、そして人類の生き残りのために重要だ。健全な社会を築くための市民を育む大切なことが、今は意図的に場を設定しなくてはなかなか得られない。自然の中での学びの場を作っている人たちに光をあてることで、その大切さが認識され、さらに多くの場所と人たちを対象に実現されるようになってもらえればと思う。

 これを書いているのはグアム空港。これからヤップ島へ向かう。空港ではたまたまそういう時間帯か、韓国の人たちのグループがとても多い。また無数の日本人が、顔や二の腕を日焼けでまっかにして、楽しそうにビールを飲んでいる。小さな子ども連れもいる。

 ヤップ島では、ある地区をモデルとして「持続可能な社会づくり」に向けた取り組みに関わっている。手始めは汚水と廃棄物。一緒に取り組むヤップの人たちが頼もしい。

 ヤップ島とのつきあいは丸25年となった。エコプラスや早稲田大学のプログラムを通じてヤップに滞在した人たちは300人を超える。私たちに大切なことを教え続けてくれたヤップに少しでも貢献したい。同じような気持ちを持つ、早大生千場くんが1年休学して現地滞在中。この持続可能性プロジェクトを支えてくれている。
 学びの場は学び合いの場。4月からは早大留学センターを離れ、同じく早大の文化構想学部に所属することになっている。今度は日本語での授業が中心だ。新しい取り組みを考え始めている。仕事の量を少しコントロールする必要はあるけれど、心新たに、周りに目を向けていきたいと思う。

早稲田サマーセッション

「タイから来ました。日本に興味を持ったのはアニメが好きだからです」。「アメリカの大学に在籍しています。母が日本出身ですが、自分には初めての日本滞在です」。

早稲田サマーセッション、略してWSSという4週間のサマーコースの様子だ。今年で3年目となる。履修生はほとんどが海外からで、彼らにしてみれば「短期留学」だ。授業は英語で行われる。私は全体を見渡して、コースを考えたり担当の先生を見つけたりする役割だ。

世界67の国と地域からやってきた学生たち。
世界67の国と地域からやってきた学生たち。

初年度は手探りで、海外からの76名で開始。やってみたら教員たちにも刺激的で、学生たちもほぼ全員が大満足という評価を残した。そして3年目の今年、履修生は、世界各地67の大学からやって来た142名に加えて、留学から帰国直後の早大生らが18人。授業数は初年度の6から13に増えた。文化や経済、ビジネス、政治など幾つかの分野で、日本やアジアについて、世界の文脈で取り上げることになっている。教員は私を除いて9名だが、4名が海外からこのために来日し、残り5人のうち2人は外国人だ。日本に焦点が当てられるので、基本的に日本について研究している人たちだ。

私はあちこちの授業を訪問して様子を見るのだが、とてもおもしろい。

まず学生たちが多様であること。日本を始め、アジアの幾つかの国出身の学生たちは基本的に静かに聴いていることが多いが、オーストラリアやアメリカ、アジアでもシンガポールの大学生たちは、どんどん自ら手をあげて教員の話に質問したり、自分の知っている例をあげたりして、話が深まったり広がったりしていく。

国際シンポジウムの進行予定

1月23日と24日の進行は以下のように考えています。シンポジウムの案内チラシに24日(日)と表記すべきところを23日(日)と誤って記載しました。混乱を来たし申し訳ありませんでした。訂正します。

23日(土)会場は、大隈記念講堂の地下小講堂
午前9時45分開場
午前10時15分開始
趣旨説明:高野孝子・早稲田大学教授
基調講演:サイモン・ビームズ氏
アンバ・ジャミール氏
昼食
午後1時
基調講演:桑子敏雄・東京工業大学教授
話題提供:ルース・オング・ウェイ・リンさん

午後2時半
分科会(会場は、分科会の前にお知らせします)
㈰自然保護活動;地域の自然を知る価値
㈪学校教育;地域に根ざす学び PBE は学校を変えられるか
㈫ふるさと再発見;日本各地の、風土、地域に根ざした学び
㈬冒険教育;冒険の「ディズニー化」。PBE はどうあらがえるか
午後6時、交流会(一般 3,500円、学生 2,500円)
24日(日)会場は、早稲田大学・国際会議場井深大記念ホール
午前10時 開始
パネル討論(司会、安藤聡彦・埼玉大学教授)
正午 昼食
午後1時
グループ討議、全体討議、とりまとめ
午後3時 終了予定

特別ゲストの紹介

国際シンポジウムに参加する内外の専門家を紹介します。

 

サイモン・ビームズさん
Dr. Simon BEAMES

海外ゲストのエジンバラ大学シニアレクチャラー、サイモン・ビームズさん
海外ゲストのエジンバラ大学シニアレクチャラー、サイモン・ビームズさん

英国・エジンバラ大学シニアレクチャラー
カナダ出身。マレーシア、香港、米国などでの 23 年に渡る豊富な指導体験を持つ。体験学習、野外教育・ 環境教育を出発点に、持続可能性教育までの幅広い領域で活躍。「Learning outside the classroom(教 室の外での学び)」などの著書がある。

 

アンバ・ジャミールさん
Mr. Amba JAMIR

インドの少数民族のために働く環境弁護士アンバ・ジャミールさん
インドの少数民族のために働く環境弁護士アンバ・ジャミールさん

環境弁護士
インド北東部のナガランド州の少数 民族アオ族。環境に関する弁護士資格 を持ち、山岳地での農業、資源管理、 人材開発など、少数民族が暮らす地域 社会を中心に、持続可能な社会を目指 した幅広い教育活動を展開している。

 

桑子敏雄さん
東京工業大学大学院教授

信仰と環境、社会をつなぐ東京工業大学の桑子さん
信仰と環境、社会をつなぐ東京工業大学の桑子さん

社会理工学研究科。専門は哲学、倫理学、合意形成 学、プロジェクトマネジメント論。『風景の中の環境哲 学』(東京大学出版会、2005)、『空間の履歴』(東信堂、 2009)、『生命と風景の哲学』(岩波書店、2013)『社 会的合意形成のプロジェクトマネジメント』(コロナ社、 2016 年 1 月末刊行予定)など。

 

 

ルース・オング・ウェイ・リンさん
Ms. Ruth ONG Wei Lin

シンガポールの名門ラッフルズスクールで体験学習を進めるオングさん
シンガポールの名門ラッフルズスクールで体験学習を進めるオングさん

シンガポール・ラッフルズ学園
名門ラッフルズ学園の高校生などを対象とした体験学習の指導に当たる。生態系文学、指導者養成、場 の教育やコミュニティ教育などを教えながら、アジア各地での体験学習(サービスラーニング)プログラ ムを展開する。

(終了しました)国際シンポジウム 持続可能な社会の形成に向けた「場の教育」を開催

エコプラスは、2016年1月23-24日、東京・早稲田大学大隈講堂などで、国際シンポジウム 持続可能な社会の形成に向けた「場の教育」・・・「知っている」から「行動」へ、を開催します。ぜひご参加下さい。
学校教育から生涯教育、野外体験から環境教育、そして「地域創生」や「地域おこし協力隊」という政策や企業のCSR活動でも、地域への注目が広がっています。

地域を知ることから、個人や社会を変える「行動」にどうつながっていくのか。

「Place-Based Education(PBE)」として世界でも注目される流れを、海外の専門家とともに、実践者、研究者、企業人、市民が意見を交わす国際シンポジウムを開きます。

【日時】2016年1月23日(土)、24日(日)
【場所】早稲田大学大隈小講堂(23日)、国際会議場(24日)

【日程】23日 基調講演と分科会、交流会
24日 パネルディスカッションととりまとめ会議
【特別ゲスト】敬称略
サイモン・ビームズ(英国エジンバラ大学、野外環境教育)
アンバ・ジャミール(インド、環境弁護士、地域開発、社会教育)
オン・ウェイ・リン(シンガポール、ラッフルズ学園、学校体験教育)
桑子敏雄(東京工業大学、哲学・地域・対話)
【対象】学校教育や生涯教育、地域づくりや農山村交流、持続可能な社会づくりなどに関心を持つ学生、市民、実践者、研究者
【参加】無料、交流会は3,500円。学生2,500円

【企画委員】
阿部治・立教大学教授
安藤聡彦・埼玉大学教授、
板垣順平・神戸大学学術研究員
木俣美樹男・東京学芸大学名誉教授
佐々木豊志・くりこま高原自然学校代表
佐久間憲生・出羽三山の自然を守る会代表
高野孝子・早稲田大学教授
豊田光世・新潟大学准教授
横山隆一・日本自然保護協会参事

【後援】日本環境教育学会、日本野外教育学会、自然体験活動推進協議会、日本エコツーリズムセンター、持続可能な開発のための教育推進会議(ESD-J、予定)、日本環境教育フォーラム(JEEF、予定)ほか。
【共催】早稲田大学留学センター
【助成】独立行政法人環境再生保全機構 地球環境基金
【主催・申込】特定非営利活動法人ECOPLUS
101-0044 東京都千代田区鍛冶町2-5-16-4階
03-5294-1441、1442(Fax) info@ecoplus.jp

International Students of Waseda Summer Session learned Traditional Japan in Tochikubo

On July 3-5, 25 international students and staff from Waseda University arrived in Minamiuonuma City as part of its Summer Session, visiting Tochikubo on the 4th. ECOPLUS supported their activities.
On July 3-5, 25 international students and staff from Waseda University arrived in Minamiuonuma City as part of its Summer Session, visiting Tochikubo on the 4th. ECOPLUS supported their activities. With activities such as walking the area, visiting homes, and enjoying local food, they had a chance to learn about Japanese traditional village life.

The students were from 9 countries and area like the US, the UK, and China. They stayed with host families in Minamiuonuma for two nights. While some students could speak a little Japanese, many could not. Because they had many different backgrounds, they had varying perspectives on what they saw, heard, and felt here.

Hearing the brief explanation of the area overseeing the panoramic view from the top.
Hearing the brief explanation of the area overseeing the panoramic view from the top.

The activities in Tochikubo began at 8:45 with the participants, taken there by their host families, gathered at the top of a mountain of 700 meters. The panoramic view was shrouded in clouds, creating an almost dream-like vista.

Two interns students of ECOPLUS spoke briefly about Tochikubo, mentioning the population size and elevation as well as industries such as the ski slopes, and of course, the rice fields. As we walked down the mountain, Takako Takano, Professor at Waseda and executive director of ECOPLUS, pointed out notable plants like heartleaf, called “Dokudami,” a plant that has many medicinal properties.

An elder lady presented how to get a jute fiber from dried skin of the plant. The jute clothes were made in the area for more than 1,300 years.
An elder lady presented how to get a jute fiber from dried skin of the plant. The jute clothes were made in the area for more than 1,300 years.

After a sumptuous lunch prepared by local women, the students were divided into different groups and helped visited local homes with a variety of tasks. The group I went with weeded a garden and tasted freshly-grown cucumbers. They asked many questions and really immersed themselves in the experience.

When finished working with the villagers, they gathered again on the second floor of the community center and watched a video and a presentation by the interns about their experiences over these eight weeks in Tochikubo. The students then had some time for questions and discussion, which proved very enlightening – a student from England commented on the differences between the Japanese and British countryside, and a Chinese student said that she was surprised at the cleanliness and level of development in Japanese rural areas.

At 4:15 it was time for them to return to their host families. Through being here and interacting with people, they had the chance to genuinely experience life in rural Japan. Based on what I saw and heard, I think they had an excellent learning experience.

「Sustainability」をど真ん中に掲げるスコットランドの試み

エコプラスが連続して展開してきている地域に根ざした学びに関して、エジンバラ大学のピート・ヒギンズ教授を囲むフォーラムが、2014年11月13日、東京の早稲田大学で開かれ、スコットランドでの持続可能な社会づくりへの包括的な取り組みが参加者に衝撃を与えました。

 

このフォーラムは、来年1月11−12日に予定している国際フォーラム「ESDと『場の教育』」の前段企画として実施されました。

教育についての理論と具体的な政策について分かりやすくヒギンズ教授が話してくれました。
教育についての理論と具体的な政策について分かりやすくヒギンズ教授が話してくれました。

ヒギンズさんは、当初は名古屋でのユネスコ会合に参加予定でしたが、ご家族の不幸で日程がずれ、岡山での教師教育の国際会議に参加する前に東京に立ち寄って、フォーラムに参加してもらいました。

ヒギンズさんは、スコットランド政府が進める持続可能性に向けた教育(Learning for Sustainability)の枠組み策定に深くかかわった経験をもとに、現在進められている多彩な取り組みについて説明をしてくれました。

まずスコットランドでは、この5年間に教室の外での学びを重視する流れが出てきていて、小学校などの幼少期にカリキュラム全体に野外での学びが取り入れられ、地域やそれぞれの場所とのつながりも大切にされるようになってきていることが報告されました。

その上で、スコットランド自治政府が、持続可能性(Sustainability)を大きな目標に掲げ、2020年までにすべてのエネルギーを風力や潮力などの再生可能なエネルギーに転換すると決定。いまのままの資源の消費スピードでは地球がいくつあっても足らないと、「一つの地球を目指す学校(One Planet Schools)」が教育のゴールに設定されました。

この中で、自治政府の教育・科学・国語大臣のもとに諮問委員会が設けられ、ヒギンズさんが座長として2012年に報告書を提出。13年には31の要望事項すべてが自治政府の承認を受け、今年からその具体的な導入が始まっています。

幼稚園から大学までのすべての教員は持続可能性のための教育の講習を受け、すべての教育施設も持続可能性を考慮して設置運営されることが義務づけられました。教育だけでなく、農林水産業でも健康福祉の世界でも、地域政策でも、旅行業でも、すべての社会活動での持続可能性が中心に据えられているのだそうです。

エジンバラ大学はESDに関する中核的な役割を担う地域拠点(Regional Center of Expertise)になっていて、ヒギンズさんはその責任者でもあります。しかしヒギンズさんは「ESDという特別な新しい科目を教えるのではなくて、すべての科目に持続可能性についてのその地域における文脈を入れ込むべきなのだ」と強調していました。

学生から研究者、実践者、大使館関係者など多彩な人々が集まりました。
学生から研究者、実践者、大使館関係者など多彩な人々が集まりました。

参加したミクロネシア連邦大使館の職員は、「私たちの国ではアルファベットを習う時に見たこともないワニ(Alligator)のA、くま(Bear)のBと習います。自分の食べる伝統的な野菜の栽培方法も知らない世代が広がっているのです」とコメントするなど、活発な議論が展開されました。

 

海外からの留学生も加わって田んぼの草取り

田んぼのイロハの草刈り草取り編に、早稲田大学の夏季留学生が特別参加し、日本の農村の暮らしに直接ふれました。

 

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集落の長老から、神社の脇にある小さなほこらにまつわる江戸時代の話を聞きました。

 

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田んぼの作業の合間。田んぼの脇にU字溝に足を浸して、絶景の棚田を眺める留学生たち

2014年7月5−6日、休日農業講座「田んぼのイロハ」の草刈り・草取り編が、新潟県南魚沼市栃窪集落で開かれました。

今回は、日本の文化と社会を学ぶ早稲田大学の夏季プログラムの実習の一つとして、オランダ、オーストラリア、中国、香港など7つの国や地域の学生12人も特別に参加。

 

 

 

何度も参加しているベテランのアドバイスを受けながら、田んぼの中で泥まみれになって作業を続けました。

(詳しくは以下から)
http://tappo.ecoplus.jp/showart.php?lang=ja&genre=2&aid=1139

埼玉県本庄市のみなさんが清水地区を訪問

本庄早稲田の里山塾のみなさんが清水集落を訪問し、生物多様性プロジェクトの現場を観察、ブナ林の下刈り作業も体験しました。

生物多様性保全地域では、池の周辺などで生き物を観察してもらいました
生物多様性保全地域では、池の周辺などで生き物を観察してもらいました

2013年9月21日、早稲田大学の本庄キャンパスを拠点に活動する里山塾のメンバー34人が、清水集落を訪問しました。エコプラスと清水集落が取り組んでいる生物多様性プロジェクトの保全地域の見学と、集落が進めるブナ林の下刈りと間伐作業も体験しました。

ブナ林の間伐作業後のようす。ブナの木々間に空間ができ、気持ち良い森になりました
ブナ林の間伐作業後のようす。ブナの木々間に空間ができ、気持ち良い森になりました

保全地域では、地元の小野塚高一さんの案内で、休耕田に水を入れた池の周辺でカエルやトンボなど多様な生き物を観察しました。その後、集落の古民家に移動し、活性化委員会委員長の阿部和義さんが、生物多様性プロジェクトの過去4年間の取組みを説明しました。

ブナ林の下刈り・間伐では、細いブナの木やほかの草木を、ナタやノコギリを使って運びやすい長さに切り、散策しやすいように数カ所に集める作業をしました。うっそうとしていたブナ林は作業後は遠くまで見通しが利くきれいな林になりました。「大変だったが楽しかった」「ぜひまた来てみたい」という声を頂きました。