大前 純一 のすべての投稿

エコプラス活動開始30周年イベント、11月19日に

Special events, celebrating 30 year anniversary of ECOPLUS, on Nov. 19.

 特定非営利活動法人ECOPLUSが活動を初めて、今年で満30年になります。これを記念して、11月19日に東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザホールで「エコプラス30周年大バザール」(オーストラリア、インドネシア、沖縄などからのオンライン発表も)を、開催します。

ECOPLUS started its activity in 1992 and this year, 2022, is the 30 year anniversary. To celebrate this and to convey the appreciation to the continuous support to all, ECOPLUS will organize the “Grand Bazar of ECOPLUS” on Nov. 19 at Tokyo Women’s Plaza with streaming service in Tokyo.

エコプラス30周年記念イベント

知恵と体験の大バザール!!

  • 日時:2022年11月19日(土曜日)午後1時半から4時半
  • 開場:東京ウィメンズプラザ 地下鉄表参道駅B5出口から徒歩7分
  • 概要:エコプラス活動開始30周年を記念して、関係者やその仲間たちが一堂に会して交流を深めます。エコプラスのテーマである「人・自然・異文化」を軸に多様なメンバーが発表を行い、未来に向けたつながりを生み出す「知恵と体験の大バザール」です。
  • 参加:どなたでも。無料
  • 内容:30年の活動のふりかえりと、関係するみなさん10数人によるバザール形式による発表。海外や国内各地からのオンラインでの「バザール」発表もあります。オンライン視聴も可能です。
  • 申し込み:こちらのフォームからお申し込み下さい。
  • ご注意:新型コロナの第8波がやってきています。発熱やせきなど、健康状況に少しでも異変を感じられる場合は、オンラインでのご参加をお願いします。

発表者とテーマ(予定)※50音順

詳細はこちらから
  • 浦邉藻琴さん: なぜ“リモートじゃダメ”なのか?
  • 江﨑淳一さん:エコプラスとの関わりとSDGs教育
  • 川上真理子さん:池田町の暮らし実践(副題:地方と都市or古民家or食)」
  • 酒井富美さん:地域(旧伊南村)での今の暮らし
  • 陶山佳久さん:DNA分析技術を自然保護のために活かす:森林分子生態学者としての研究
  • 高野義寛さん:脱炭素牛肉を巡る珍騒動(豪州からオンライン)
  • 高橋佐和子さん:地域から世界へ:バリ島の独自性と多様性(バリ島からオンライン)
  • 當銘朋恵さん:南の島の星と民話と暮らしの話(石垣島からオンライン)
  • 村上由美さん:世田谷区で子ども食堂の活動をして感じていること
  • 矢原陽子さん:合氣道 護身術体験と調和的な人とのつながり方

Gran Bazar of Knowledge and Experience

Outline : All the related and interested persons join and exchange their ways of life in the relations with ECOCLUB, World School and other related activities of ECOPLUS, just like a bazar! Online streaming and conference room will be set.
Date and Time : November 19, Satueday, 1:30 – 4:30 PM
Venue : Tokyo Wemen’s Plaza
Participation : free
Language : Japanese, no translation. But many of the participants will help you on site! Or take a look through online.
Application : Fill in this form.

Study tour to Japan from Yap, 2013

高野孝子の地球日記

3年ぶりに国外へ

「牛のミルクが欲しい人はいる?」

 2022年7月半ば、学会参加のため英国を訪れた時のことだ。

 英語での耳慣れない表現に違和感を覚えた。なぜただ「ミルク」と言わずに、わざわざ「牛の」とつけたのだろう。

 学会が開かれたのは、英国ロマン主義やピーターラビットなどでも知られる人気観光地の湖水地方。私はかつて、そこから車で2時間くらいのエジンバラ市に、4年半暮らしていたことがある。久しぶりとはいえ、英国には友人も多く、よく知った場所だ。

 国外に出るのは3年ぶりだった。

 新型コロナウィルスは未だ世界中で拡大を続けていて、特に英国は一時、長期のロックダウンをするほど感染が広がっていた。それでもだいぶ前からマスクなしで通常の生活や活動をしている。そこでの学会には、ヨーロッパを中心として世界中から100人ほどの人たちが集まることになっていた。ウィルスに身を晒すことになるかもしれない。行くか行かないか、悩んだ上での渡英だった。

 今回の訪問はいくつもの点から衝撃的だった。

 まず、よく知っているはずの英国の暮らしが、大きく変わっていた。

 例えば冒頭の「牛の乳」発言。友人たちの多くは、オーツミルク(麦ベース)やソイミルク(豆乳)、アーモンドミルクにシフトしていた。そうしたチョイスがあるため、牛乳は「牛の」ミルクという表現になる。そもそも、倫理的な消費やオーガニック産品の支持が高い社会だが、牛を含む家畜が気候危機を加速させることから、より環境に配慮した選択でもある。

 また電車をネットで予約しようとすると「この電車の運行は変更が多いので必ず確認すること」などという注意書きがある。全英で電車の運行が、頻発する大規模ストライキによってめちゃめちゃだった。航空便もストライキの影響を受けていた。そのため同じ学会に、数時間から1−2日遅れて到着した参加者が複数いた。

 学会後、そこからエジンバラに向かう私の電車も、前日に「運行キャンセルになりました」と一文のメッセージがスッとスマホに届いた。次に乗れる電車を求めて駅に向かうと、それ以前の電車に乗れなかった人たちでごった返していた。帰国するために空港に向かう人たちも多かったが、間に合うか心配している様子も見えた。

 ようやく到着した電車に荷物共々押し込まれるようにして入ると、ものすごい混みようで、数時間乗るにも関わらず子どももお年寄りも、大勢が立っていた。まるでどこかに避難する電車のようだった。

 これらは新型コロナウィルス感染と、英国がEUから離脱したことの影響らしい。ウィルス感染拡大のため、2020年からしばらくは外出禁止も含め経済活動が圧迫され、多くの労働者が職を離れた。かつ感染により仕事を休まざるを得ない人たちが常にいる状況となった。加えて脱EUにより、これまで特に東ヨーロッパから来ていた労働者がいなくなった。ひどい人出不足の中、これ以上堪えられないとしてのストライキだった。

 関連して、スコットランドのスーパーには、これまで豊富にあったヨーロッパ諸国からの野菜やチーズなどが見当たらず、スコットランド産のものが増えた。棚は全体的に空いていて、値段もかつてより上がっていた。

 加えてロシアによるウクライナ侵攻の影響のため、10月には光熱費が80%上がるとされる。家計によっては収入の2/3が家賃と光熱費に消え、このままでは冬に、関連死や何百万世帯がとんでもないことになると予測されている。

 一方、私が滞在中、英国は「熱波」に覆われ、ロンドンでは観測史上初めて40度を超えた。気候危機はその深刻さを増し、災害級の異常気象は増えていく。買い物の支払いは一気にキャッシュレスが進み、かつての紙による「チェック」やキャッシュはほぼ姿を消した。私もあわててapple payの手続きをした。

 英国入国手続きや空港の様子も変化し、「コロナ禍の2年半が過ぎたら、世界が変わっていた」。そんな思いになった。

 そうした変化もあり、久しぶりの国外滞在は想像以上に刺激的だった。

 学会に集まった多数の友人らと直接触れ、笑い、パブでビールを飲み、語り合った。マスクなしで。直接会って交わることの重み、雑談の意義、心が喜ぶことの大切さを改めて思った。同じ場で複数の国々の情報を一気に知ることができ、世界の状況をこれまでよりも把握できた気がした。

 わずか2週間の旅だったが、あまりに没頭していたためか、成田に到着してから何をどうするにも戸惑う自分がいた。しばらく常にスマホ一つで決済していたため、電車の切符は日本ではどう買うんだっけ、と思い出さなくてはならないほどだった。日本の光景を「旅人の目」で見ている自分がいた。

 自分の思い込みに気づいたり、多様さを受け入れたりすることは、身を置く環境によっては鈍くなることを実感した。異なる文化、多様な価値観が混ざり合う世界に、常に触れるようにしていたいと改めて思った。

(8月31日 髙野孝子)

 

エジンバラの古い町並み

「休日農業講座」田んぼのイロハ稲刈り編(9月23日、24日)

Rice Planting Workshop on Sep 23/24

Self regulation and PCR test negative, required

行動自粛、PCR検査済みの方、対象

  • ハザかけのイロハ田んぼ

 2022年9月23日(祝)と24日(土曜日)に、南魚沼市栃窪集落で、無農薬田んぼでの稲刈りプログラムを行います。事前に注意した行動を取られ、PCR検査済の方を対象に、1泊2日で実施します。

On September 23 and 24, ECOPLUS will conduct “Rice Harvesting Workshop” in Tochikubo village, Minamiuonuma as two-day program, only with those who are PCR test negatives.

趣旨
 巻機山を望む絶景の棚田で、自然をたっぷり感じながら、手作業での稲刈りをします。新型コロナウィルスで不活発な日々が続いていたと思います。新鮮な空気の中で体を動かし、同時に、この3年近くのコロナの感染下で改めて注目された「食」や「農」を、体験を通じて見直す機会になればと思っています。

Summary
Experience Japanese traditional rice harvesting by hands in organic rice paddy overseeing gorgeous mountainous view. Set your body and mind free in the safe open air. You may also deepen the insight of rice and agriculture through the workshop, as well as Japanese history and society.

集合時刻、場所
 9月23 日午前11時。宿泊場所のホテルシャトーテル塩沢(新潟県南魚沼市塩沢2071)にお集まり下さい。鉄道で来られる方は、上越線塩沢駅までお越し下さい。迎えを検討します。

Schedule
Gathering; 11:00 am on September 23, at our accommodations, “Chateau Shiozawa.” The nearest railway station is Shiozawa on JR Joetsu line. Let us know if you use rain, so that we will arrange transportation to the hotel.

活動場所 Location of the rice paddies.
 南魚沼市栃窪地区 イロハ田んぼ=At this rice paddy.

交通案内
 23日午前8時52分東京駅発とき309号、10時21分越後湯沢着
 10時30分越後湯沢発上越線普通列車長岡行、10時47分塩沢着
  Joetsu Shinkansen Toki 309
 Departing Tokyo at 08:52, arriving Echigo-Yuzawa at 10:21
  Joetsu local line
 Departing Echigo-Yuzawa at 10:30, arriving Shiozawa at 10:47

内容と持ち物
 無農薬田んぼでの、手作業での稲刈り。小雨決行。23日のお昼ご飯は各自持参。田んぼでの飲み物もご持参下さい。泥で汚れていい服装でどうぞ。ブヨがいますので、防虫スプレーや虫よけネットなどご用意下さい。ぬかるみますので、長靴をご用意下さい。どうしてもない方には、数に限りがありますが長靴レンタルも用意します。詳しい内容と持ち物は、参加が確定した方々に「しおり」でお知らせします。

Contents and bringing
Harvasting rice by sickles by hands. Will be cancelled only in stormy condition. Bring your own lunch for day one. Clothings may get muddy. Insect repellent, a hat/cap. The boots are needed since it is very muddy. The participation guide will be provided for those whose participation is confirmed.

定員 Limit of participants.
 20人をめどとします。Up to 20 participants.

参加費 Fee
 18,500円(プログラム費、1泊2食の宿泊費、2日目の昼食、保険を含む)。男女別相部屋です。ご家族連れは調整させていただきます。1人部屋使用の場合は、1,000円増し。中学生以上大学生までは、13,500円。小学生は9,500円。地元からの参加で宿泊しない場合は、大人9,500円、学生4,500円、小学生は1,000円。
  18,500 JPY including program fee, accommodations with two meals, lunch on Sunday, insurance. Shared room. Single room available with extra 1,000 JPY. 13,500 JPY for students from Junior high to college, 9,500 JPY for primary school students.

申し込み Application
 下のフォームからお申し込み下さい。Please use below application form. 問い合わせは、tappo@ecoplus.jpまで。If needed contact to tappo@ecoplus.jp

自然をたっぷり味わったデイキャンプ

Enjoyed the summer nature in day-camps

 エコプラスは、この8月、新潟県南魚沼市で4つのデイキャンププログラムを実施しました。新型コロナの第7波の中で、せめて日帰りで自然を楽しんでもらおうと企画し、計39人の小中学生が、森の中や池、川で、たっぷり遊びました。

In this August, ECOPLUS organized four day-camp programs in Minamiuonuma, Niigata. Those were planned to provide opportunities to touch and feel the nature in this seventh wave of COVID-19. In total 39 elementary and junior high students experienced fun in the beech forest, in a pond and in a fresh stream.

 キャンプは、前半2回が同市五日町地区の天池キャンプ場、後半2回は清水地区の巻機山麓キャンプ場を舞台に実施しました。

 Earlier two camps were held at Amaike camping site in Itsukamachi area and later two were held at Makihata Ssnroku camping site in Shimuzu area.

 8月11、12日の天池キャンプ場では、前半に自然観察、後半がカヌー体験。キャンプ場裏手にある、ブナ林などを、地元の専門家深澤和基さんの案内で歩きました。深澤さんに用意していただいた地図付きの資料を見ながら歩くと、ブナだけでなく、いい香りがするクロモジや触るとかぶれるウルシなど、いろいろな植物を観察することが出来ました。地面を走り回るカナヘビを捕まえて観察することも出来ました。

On August 11 and 12, at Amaike site, we had nature observation in the morning and canoe class in the afternoon. The nature specialist, Mr. FUKAZAWA Kazuki kindly prepared observation note for each of participants. With the note, we walked through the forest with beech trees. Kids learned different types of plants, like, one has good smell called “Kuromoji,” or a poisonous one called “Urushi.” Tiny lizards were caught by participants and could be observed closely.

 8月18、19日の清水では、自然観察と沢遊びをしました。標高700mの巻機山麓は、周辺に人家もなく、自然そのもの。キャンプ場の広場には無数のアキアカネが舞い、バッタやチョウがいて、子どもたちは網を持って走り回りました。自分たちで削った棒にソーセージを刺して火にあぶり、ホットドックにしてお昼ご飯。午後は、沢に入って、山からの冷たい水の中で、楽しみました。最後には、村の人たちが昔から遊んだ、弓づくり。木の枝を曲げて弓にし、取ってきたススキの茎を矢にして飛ばしてみました。

On August 18 and 19, students experienced nature observation and stream walk. At the elevation of 700 meters without any houses around, the nature was so rich even in the camping area. Uncountable number of red dragonflies, many grasshoppers and butterflies filled the area. Children were running around with nets. For lunch, they sharpened sticks to grill sausages on fire. In the afternoon, they spent time in the stream with snow melted water from the Mt. Makihata. At the end, they played with traditional bow and arrows. The bow was made out of small branches and arrows were stems of pampas grass.

 いずれのプログラムでも、子どもたちは、もっと遊びたかった、虫取りを続けたかったと、名残惜しそうに帰って行きました。南魚沼市在住の子どもたちばかりでしたが、「住んでいるすぐそばに、こんな場所があるなんて知らなかった」と話し、自然に触れ合う機会を存分に楽しんでもらったようです。

In all four programs, children were heading back to home, saying like “Wanted to keep catching insects more.” Although all of those participants are from Minamiuonuma city, they did not have much of experiences playing in the nature. The programs looked like good opportunity to feel and touch to the natural environment.

自然を学ぼう!自然で遊ぼう!

子供の日帰りデイキャンプ(締切りました)

 新型コロナウィルスの影響で、閉じこもりがちの生活を送ってきた小中学生を対象に、自然に触れ、同時にその自然と折り合いをつけながら人々がどのように暮らしてきたかを、楽しく学ぶデイキャンプを、新潟県南魚沼市で8月中旬、4日にわたって開催します。小雨決行です。

 本事業は「子どもゆめ基金助成活動」です。

新型コロナウィルスへの対応 感染状況が収まり切っていないことから、参加にあたっては、本人やご家族が発熱や、味覚嗅覚の異常がないこと、ご家族が密接な状況での飲食や業務をされていないこと、などを文書で確認させていただいた上での実施とさせていただきます。

  • 【日程・場所】 2022年8月11日(木)、12日(金)、南魚沼市五日町地区(締切りました)
         8月18日(木)、19日(金)、南魚沼市清水地区
  • 【集合・解散】 いずれも午前9時現地集合、午後4時現地解散
  • 【対象・人数】 小学校3年生から中学生、20人
         (事前の健康チェックが必要です)
  • 【参加費】 1,000円(昼食食材と傷害保険)
  • 【内容】 自然観察、川遊び、野外調理、むかしの自然遊びなど
  • 【申し込み】申込フォームから入力をお願いします。それぞれ定員になり次第締め切ります。
  • 【後援】 南魚沼市、南魚沼市教育委員会
  • 【共催】 南魚沼市環境・野外教育研究会
  • 【主催】 特定非営利活動法人ECOPLUS(TAPPO南魚沼やまとくらしの学校)
    tappo@ecoplus.jp 090-3214-7549(大前)

無農薬天日はざかけ米、2022年の販売受付開始します

Now Accept the order of “Sun-Dried Organic Rice,” 2022

 エコプラスが新潟県南魚沼市栃窪地区で展開する、休日農業講座「田んぼのイロハ」。そこでとれる無農薬天日乾燥米を、おすそ分けします。予約受付開始します。数量に限りがあります。

We are starting to accept orders of sun-dried organic ice grown in our non-chemical rice paddies in Tochikubo village in Niigata. The rice which will be harvested and dried under the sun, will be delivered in November.

きれいに色づいてきたイロハ田んぼ

 この田んぼでは、田植えから収穫期まで、除草剤や病害虫用の農薬など、人工的な化学物質を一切使っていません。

From the planting of seedlings to weeding and harvesting, ECOPLUS has been organizing workshops. Very limited amount of this precious rice will be available for sale.

 稲刈りも手刈り。「はざ」にかけて10日前後、天日乾燥させます。無農薬天日乾燥というほぼ流通しない、特別なお米です。コシヒカリのふるさと南魚沼の塩沢地区。南東向きの棚田で育った特別なお米。数に限りがあるので、お一人30キロまでの特別配布です。

 ウクライナへのロシアの侵攻で、世界的な食料事情が改めて注目されています。何を食べるのか、その食べ物はどこで、だれが、どのように作ったものか。改めて考えてみませんか。

No chemical materials, like pesticides and weed killers, were used. Fertilizer is 100% organic. Traditional sun drying process on the rack was taken. Because of so many hand works, such totally organic rice is almost vanished even in this Minamiuonuma, the heart land of famous “Koshihikari Rice.”

Polished 1,300 yen/kg and unpolished 1,200 yen/kg plus shipping. Rice grown with 80% less chemical is also available; polished 800 yen/kg, unpolished 700 yen/kg. Contact tappo@ecoplus or use the form below.

2020年5月中旬の田んぼの様子です。

 新型コロナウィルスの影響で、スキーや学生の夏合宿など観光に依存する南魚沼市の経済は打撃を受けています。エコプラスがお世話になっている南魚沼市栃窪集落も、雇用削減による収入減で大ピンチです。

 イロハ田んぼの無農薬米のほか、地元の集落営農組織「とちくぼパノラマ農産」の減農薬米も販売します。流通を通さずに消費者に直接販売することで、農家には通常よりも高い代金が入ります。

 無農薬米の玄米は1キロ1,200円、白米は同1,300円。送料別途。通常20回前後使う農薬類の使用を4回にした減農薬栽培のおコメも販売します。玄米1キロ700円、白米同800円、送料別途。

 無農薬米、減農薬米、いずれも数量に限りがあります。お早めにお申し込み下さい。

高野孝子の地球日記

久しぶりの「こんにちは」

「道端で草を摘んで、そのまま食べたのが衝撃だった」

 5月後半の週末、エコプラス「田んぼのイロハ・田植え編」では集落周辺の散策をしながら、途中で山菜を取った。東京で暮らすその女性は、採って直に食べたことを私に語り、「甘かった」と笑顔だった。

 新潟県南魚沼市栃窪集落の営農組織、パノラマ農産は一部の田んぼで、15年以上前から無農薬で稲作を続けている。手間がかかるだけでなく重労働のため、従事する人たちが年齢を重ねていく中で弱音も聞こえてくる。しかし、エコプラスの活動を通して、ここで稲作のプロセスに関わることは、多くの人たちにとってたくさんの気づきに繋がった。

 無農薬田んぼを舞台としたプログラムは2008年から始まった。学びの場としてではなく、学びの機会を通した地域づくりも目的だった。作業だけでなく、過去と今の稲作の違いや課題、農山村の今や地域の歴史、生態系理解など、講座とフィールドワークを通して知識や思考を広げ、深める機会もある。村の人たちや参加者同士の交流も宝物だ。宿の食事はとても美味しく健康的で、かつ地元の文化である日本酒も数種類。集落の小学校の子どもたちも一緒に活動したりしてきた。

 けれど2020、2021年の2年間はコロナ禍のため、田んぼの作業のみ日帰りで自主参加だった。今年の5月、久しぶりの1泊2日のプログラムには、小学生から70歳代まで日帰り含めて25人が集まった。全員、直前検査にてウィルス陰性を確認してもらっていた。

 最後に書いてもらったアンケートでは、「稲作の大変さ、奥深さ、食の大切さ」など、食についての記述は多かった。他にも「素足と土と水と一体になる心地よさ」や、「生き物を植えた実感」「自然の中に身を投じることができた」など、自然との関わりについてのコメントも多かった。しかし全体の中で目立つのは、人との触れ合いについてだ。

 田んぼのあぜで、「マスクなしで、こうして他の人たちとお話しできるって大切ですね」と、感慨深そうに一人の女性が私に言った。医療関係者である彼女は、ここ2年以上、極めて厳格な感染予防対応を求められていただろう。アンケートには他にも、「オフラインで開催されるイベントに参加することが、ここ2年で初めてくらい」、「十名以上の“初めまして”となる機会すら久しぶり」などの声があった。

 コロナで外出や遠出が減っていたために、「新潟に来ること、裸足で田んぼに入ることは、これまでやったことあることであるはずなのに、インパクトの大きな経験となり、久しぶりに五感が刺激されました・・・他の方との対話というものの価値を改めて感じられた2日間でした」と書いた人もいた。

 印象に残ったこととして10代男性は、「初日の夜に懇親会で先輩方と将来のことについて話したこと」と書いた。40代男性は、将来のことなどを考える若者の視点はいい刺激だったとした。

 他にも、「人間の生活は他人の労働によりささえられていることを強く認識した。人は一人では生きていけない」、「改めて普段いかに“生きる”ことや“暮らす”ことがおろそかになっているか」、「生きることの基礎的な部分に対して手間をかけることを惜しまないようにしよう」、「思い切って体験したりやってみたりすることの大切さ」など、企画した身としては、本当にこの機会を作って良かったと思うコメントがたくさんある。

 コロナ禍の2年半近くを経て、私たちは様々なことを学んだ。人と人、人と自然が関わり合うことの大切さはその一つだ。日本でも国内外の移動が徐々に拡大し始めている。対話や内省の機会を噛みしめながら、ありがたく楽しみたいと思う。(6月2日)

地元ベテランが作る苗の束。

コメ作りの奥の深さを実感ーー「田んぼのイロハ」のフルプログラム復活

Understood the detailed process of rice growing through 2-day workshop, the first time since the beginning of the pandemic.

 エコプラスは、5月21日~22日の週末、新潟県南魚沼市栃窪集落で、休日農業講座「田んぼのイロハ」の田植え編を行いました。新型コロナウイルスのため中止していた1泊2日の企画が3年ぶりに復活しました。小学生からシルバー層までの約30人が、地域を散策し、無農薬田んぼでの田植え作業を体験しました。

ECOPLUS conducted the rice planting workshop on the weekend of May 21-22 in Tochikubo village in Minami-Uonuma, Niigata. The workshop had been shrunk as one day trip because of the COVID-19 and this was the first time to organize as the full-program since 2019. For the rice planting workshop, from elementary school kids to retired person, in total of around 30 were joined.

 初日の土曜日は、今回の宿泊地となったホテル・シャトーテル一本杉に集合、自己紹介をしたあと、栃窪集落上の高台、通称「観音様」に移動しました。標高700mの場所から眼下に広がる魚沼盆地を展望。「魚沼コシヒカリ」が栽培される田んぼ群を見渡しました。この高台がある魚沼丘陵は隆起海底で、そこからしみ出るミネラル分がコメをおいしくしていると言われています。

On Saturday, we gathered at the “Chateau Hotel Ipponsugi“ near the village. We moved up to the top of the mountain ridge by cars and observed the view of the Uonuma basin which is the home of the famous “Koshihikari” rice. The mountain area was once a bottom of ancient ocean. According to the locals, the minerals once accumulated in the bottom of the ocean is still seeping out, then provides rich nutrition to the rice.

 付近には、戦国時代に上杉謙信が関東出兵にも使った道が残っており、この「古道」にも立ち寄りました。木々の間を通る幅2mほどの道には、まだ雪がたっぷりと残り、その周辺には山菜類が頭を出していました。

Through the mountain ridge, parts of ancient path since the medieval tome were remained. We strolled along the small part of the path which was still covered by snow. Edible mountain vegetables were also identified in the forest near the path.

座学の黒板

 栃窪集落に下りた後は、地元のベテラン笛木晶さんによる座学。田植えの前に行う、肥料まきや耕うん、代かきの作業、さらには苗を育てる前に行うモミの選別のための塩水を使った「塩水選」など、次々に話題は広がりました。「米作り」の奥深さ、先人の知恵や工夫に今さらながら驚かされました。座学の後には、温室で苗を育てている現場も見せてもらいました。

In the Tochikubo village, Mr. FUEKI Akira gave us a lecture on rice growing focusing on rice planting period. Many works needed before the rice planting, like spreading organic fertilizer, tilling, fine tilling with water, selection of well grown seeds with salt water, making seed bed, and others. Participants were impressed by so many steps with well experienced skills and knowledges were hidden in daily life in rice farming.

 夕食には、地元の山菜をふんだんにつかった料理が並び、テーブルに咲き始めた藤づるや、ヤマウドやウルイといった山菜をアレンジしたデコレーションが並びました。夕食後には、スラウドショー。3mの雪に包まれる冬から燃えるような紅葉に包まれる秋の光景、さらには季節をおった田んぼの様子などを楽しんでもらいました。

At the dinner, local edible vegetable were offered in different dishes. Surprisingly, the long dinner table which was decorated with local vines with purple flower and arrangements of edible vegetables provided the atmosphere close to the nature. The dinner was followed b the slide show of different seasons of the area.

 22日朝は雨。午前8時半に田んぼに着いたころには、雨も収まってきました。笛木さんが用意した苗の状況などを説明。最初に、「六角(ろっかく)」と呼ばれる長さ3mほどの六角形をした木枠を転がして田んぼに筋を付ける作業が行われました。最初にエコプラスの大前が一往復、その後数名が挑戦。真っ直ぐに進むのが意外と難しい。小学生や高校生も加わっての枠転がしに、周囲からそのまま真っ直ぐ、などと応援の声が飛びました。

On Sunday, it was still raining in the breakfast time but when we arrived to the rice paddy, rain was almost stoped. At the begging, we used an hexagon wood frame with 3 miters wide to mark on the soil to identify where the seedlings should be sit. First, OHMAE of ECOPLUS made one round trip, then other participant followed. It was not easy to go straight. Elementary school kids and high school student also tried to roll the frame with the supporting calls.

Surrounded by the beautiful nature, we enjoyed traditional planting works in this non-chemical rice paddy.
ウグイスの鳴き声などに包まれて、無農薬田んぼで伝統の技を体験しました。

 田んぼは、思ったより冷たくなく、土のやわらかさが足に心地よいです。実は、田植え体験には「はだし」が一番。長靴だと大きな足跡で、植えた苗を倒したりしてしまいます。また、同じ田んぼでも、場所によってもぐる深さが違い、そこにある砂や小石も異なることが、足の裏からよく分かります。

Rice paddy was not so cold and we could feel the softness of the soil. In fact, bear feet would be the best to experience the rice planting. Big rubber boots would make big foot prints which might lay down planted seedlings. With bear feet, we could feel the difference of depth of the mud and difference of the quality of the soil.

 青空も見るようになり、田んぼの水が心地よく、田植えはみるみる進みました。予定の2時間前、午前11時半にはこの田んぼの田植えは完了。昼食は、田んぼの脇の木陰にブルーシートを敷いて、地元の民宿に作ってもらったおにぎり、山菜の煮物、根曲がり竹とワラビのみそ汁をいただきました。

Time by time, we had blue sky with beautiful sunshine. Participants accustomed to plant seedlings gradually then, all the rice paddy were filled with young seedling in order by the noon. The lunch was prepared by a local inn; rice balls, cooked mountain vegetables and miso-soup with different mountain vegetables.

 最後は、ホテルに戻って振り返り。今回は、笛木さんの座学を経ての作業だったので、コメ作り全体の流れを理解した上で作業ができた、という声が少なくありませんでした。1泊2日のフルプログラムが実施出来たことで、農山村の自然、伝統など幅広い背景を元に、稲作作業の一部を体験するという深く広い学びの場になったようです。

 次回の「草取り編」は、6月11-12日です。

Coming back the hotel, we had the reflection session. As a full program for two days, we had lecture and other activities in advance of the actual works in the rice paddy. Many participants said, with the enough background understandings, actual rice planting work was more meaningful experience. ECOPLUS also confirmed that the full program could offer deeper learning on rice, history, tradition. and sustainability.

Next workshop is scheduled on the weekend of June 11-12 with the theme of “weeding.”

「休日農業講座」田んぼのイロハ草取り編(6月11日、12日)

Weeding Workshop on June 11/12

Self regulation and PCR test negative, required

行動自粛、PCR検査済みの方、対象

 2022年6月11日(土曜日)と12日(日曜日)に、南魚沼市栃窪集落で、無農薬田んぼでの草取りをテーマにした休日農業講座を実施します。今回は、新型コロナの感染状況から、田植えに続く、3年ぶりの1泊2日で実施します。PCR検査を受けてご参加下さい。

On June 11 and 12, ECOPLUS will conduct “Weeding Workshop” in Tochikubo village, Minamiuonuma as two-day program, only with those who are PCR negatives.

趣旨
 絶景の棚田で、自然をたっぷり感じながら、手作業での「田の草取り」をします。いまの田んぼでは、除草剤や殺虫剤などを20回前後も使うのが当たり前になっています。1,000年以上続いてきた稲作の歴史の中で見ると、わずか60年ほど前からの変化です。無農薬田んぼでの除草作業を通じて、自然とひとと農の関係を、体験的に学びます。

Summary
In the south-east facing terraced rice paddies, we will clear weeds in the 100% chemical free rice paddy by hands. Weedkiller and other chemical materials have only 60-year-history. Until then people had been growing rice organically for thousands years. Through the weeding works by hands, we will learn about the relation between the nature, human and agriculture.

集合時刻、場所
 6 月11 日午前11時。宿泊場所の民宿「山田館」(新潟県南魚沼市樺野沢14)にお集まり下さい。鉄道で来られる方は、上越線上越国際スキー場前駅までお越し下さい。

Schedule
Gathering; 11:00 am on June 11, at our accommodations, “山田館YAMADA-KAN” The nearest railway station is Joetsukokusai Ski-jo mae on JR Joetsu line. Let us know if you use public transportation.

活動場所 Location of the rice paddies.
 南魚沼市栃窪地区 イロハ田んぼ=At this rice paddy.

交通案内
 6月11日午前8時52分東京駅発とき309号、10時21分越後湯沢着
 10時30分越後湯沢発上越線普通列車長岡行、10時45分上越国際スキー場前駅着
  Joetsu Shinkansen Toki 309
 Departing Tokyo at 08:52, arriving Echigo-Yuzawa at 10:21
  Joetsu local line
 Departing Echigo-Yuzawa at 10:30, arriving Joetukokusai Ski-jo mae at 10:45

内容と持ち物
 地域散策、稲作の座学、交流会、そして無農薬田んぼでの、手作業での除草(地元の言葉で「田の草取り」)。小雨決行。11日のお昼ご飯は各自持参。田んぼでの飲み物もご持参下さい。泥で汚れていい服装でどうぞ。ブヨがいますので、防虫スプレーや虫よけネットなどご用意下さい。裸足で田んぼに入ると土の感触がじかに伝わるのでお勧め。ビーチサンダルなどがあると足を洗うのに便利です。さらに詳しい内容と持ち物は、参加が確定した方々に「しおり」でお知らせします。

Contents and bringing
Strolling the area, lecture on rice growing, interaction session and weeding by hands. Will be cancelled only in stormy condition. Bring your own lunch for Saturday, and water during activities. Clothings may get muddy. Insect repellent, a hat/cap. We recommend to come into the paddy with bare feet to feel the soil directly. Beach sandals are useful to wash your feet in a stream. More information will be provided for those whose participation is confirmed.

定員 Limit of participants.
 20人をめどとします。Up to 20 participants.

参加費 Fee (*宿泊先変更により、変更。参加決定者にお知らせします)
 18,500円(プログラム費、1泊2食の宿泊費、2日目の昼食、保険を含む)。男女別相部屋です。ご家族連れは調整させていただきます。1人部屋使用の場合は、1,000円増し。大学生以下中学生までは、13,500円。小学生は9,500円。地元からの参加で宿泊しない場合は、大人9,500円、学生4,500円、小学生は1,000円。
  18,500 JPY including program fee, accommodations with two meals, lunch on Sunday, insurance. Shared room. Single room available with extra 1,000 JPY. 13,500 JPY for students from Junior high to college, 9,500 JPY for primary school students.

申し込み Application
 下のフォームからお申し込み下さい。Please use below application form. 問い合わせは、tappo@ecoplus.jpまで。If needed contact to tappo@ecoplus.jp

「私の田んぼ」を南魚沼に持ちませんかー棚田オーナー2022募集

 新型コロナの感染拡大とウクライナへのロシア軍に侵攻。実に不安定な世の中になってきました。改めて、食と農と暮らしを見つめ直す時期になってきたと感じます。

オーナー田んぼの様子です(2021年5月24日)

 ギフチョウが舞う素晴らしい環境に包まれた新潟県南魚沼市の栃窪集落にある絶景の棚田で、環境に配慮したコメづくりを応援する「棚田オーナー」制度。今年も募集します。

 日本では消滅しつつある、無農薬、有機、天日乾燥という伝統的な稲作を通して、おコメがどのように出来るのか、自然との関わりはどうなっているのかを、体感していただくプログラムです。秋には、市場にはまず出回ることがない、最高級の塩沢コシヒカリをお届けします。オーナーには、休日農業講座「田んぼのイロハ」のプログラム費を大幅割引する特典もあります。

なぜ栃窪の無農薬田んぼが、特別なのか。説明します。

【募集単位と金額】
100平方メートル(1畝=いっせ)分、年額5万円。グループや学校、保育園などの団体での申込も可能です。

【内容】
 用意した絶景棚田のオーナーになって頂きます。稲の栽培は地元の集落営農組織「とちくぼパノラマ農産」が担当します。オーナーのみなさまはいつでも農作業に参加していただけます。収穫した新米を一口あたり玄米30kg相当(白米で約27kg)お送りします。

【特典】
・田んぼ作業への参加がいつでも可能です。
・田んぼの様子についてメールでお知らせします。
・収穫した新米を玄米30kg(売価約38,000円)相当をお送りします。
・休日農業講座「田んぼのイロハ」への参加費1名分を大幅割引。伝統的なコメづくりのノウハウを教わることができます。

【栽培方法】完全有機・無農薬・天日乾燥。
 農薬は発芽前、育苗期を含め一切使用しません。新潟県の一般的な農家では田植え後も含めて18〜20成分の農薬を使っており、9~10成分で育てたコメは「5割減農薬米」と表示されます。パノラマオーナー米は「完全無農薬」のおコメです。

【プチオーナー】
年額1万円のプチオーナーも募集しています。
参加費年額1万円。いつでも農作業に参加可能。田んぼの様子についてメールでお知らせします。秋に収穫した新米(玄米で5kg=売価6,300円)相当をお送りします。「田んぼのイロハ」講座の参加費が割引になります
【主催】有限会社とちくぼパノラマ農産
【運営】NPO法人エコプラスTAPPO南魚沼やまとくらしの学校:tappo@ecoplus.jp

【申込】